働き方

大企業の部長以上でも9割以上が「将来に不安」が意味するもの

投稿日:2016年6月13日 / by

仕事に関する意識調査の結果で分かった不安の実態

上場企業、部長職以上の環境でも将来に不安が9割以上ーー。ビジネス構築・起業支援を展開する社外CEO JAPAN (株)(代表:白神敦秀、本社:東京都台東区)が実施した「仕事に関する意識調査」で分かった。大企業安泰時代の終焉が叫ばれて久しいが、その頂上周辺にいても不安が充満しているという事実はインパクトがある。

「仕事に関する意識調査」社外CEO JAPAN(株)調べ(2016) n=111

「仕事に関する意識調査」社外CEO JAPAN(株)調べ(2016) n=111

まず、将来に対する不安について。「抱えている」が、「多少は抱えている」を含め、93.6%に及んだ。この質問は、自身の会社に限らず、日本の経済情勢全体に対して、という捉え方も出来るが、それにしても、会社員の頂点といえる層の9割超が、将来に不安を抱えている事実はショッキングだ。

ちなみに「全く抱えていない」は3.6%、「抱えていない」は2.7%。かなりの少数派だが、そう言えるリーダーがいる企業は、この経済情勢の中でもしっかりと結果を出しているのだろう。頼もしい限りだ。

「仕事に関する意識調査」社外CEO JAPAN(株)調べ(2016) n=111

「仕事に関する意識調査」社外CEO JAPAN(株)調べ(2016) n=111

では、多くのリーダーを不安にさせる要素とは何なのか。1位は「給料ダウン」(47.1%)、2位が「役職定年」(41.3%)、3位が「働きがい」(37.5%)なった。1位、2位はうなずけるところだが、3位は日本の将来を考えると不安な結果といえる。対象の年齢が40代~50代ということで、<キャリアの終え方>を考え始める時期でもあり、役職定年とも絡み、ミドル世代の悩ましい実態が浮き彫りになっている。

「仕事に関する意識調査」社外CEO JAPAN(株)調べ(2016) n=111

「仕事に関する意識調査」社外CEO JAPAN(株)調べ(2016) n=111

また、そもそも「大企業=安泰」というイメージについても聞いている。結果は、「思わない」が41.4%。「全く思わない」が9%で合わせて50.4%が「ノー」と回答。入社当時は当然そう思っていたハズだが、出世争いを勝ち上がり、頂点に近いところまで登って見下ろしたとき、5割以上が安堵を感じないというのは、もはや大企業を目指すことの意味さえ問われる寂しい結果といえそうだ。

大企業=安泰。高度経済成長期には確かに実感できた。だが、高齢化が進み、人口減少フェーズに入り、大量生産大量消費の時代が終焉した時、いわゆる大企業の成功法則も変質した。つまり、そのままの体制、経営では、ひずみが出るのは必然ということだ。この調査結果はその意味で、すでに露呈し、崩れ始めている“神話”にとどめを刺す、変革への危機感を示す、リーダーの声と捉えるのが、明るい未来へつなげるためには健全といえるのかもしれない。

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