働き方

転職の前に「棚卸し」が重要な理由

投稿日:2015年3月30日 / by

営業マンTは入社10年目。新入社員が初々ししい新年度を迎えるにあたり、転職を視野に入れ、キャリアの棚卸しをしてみることにした。「営業コンテスト3位」、「月間5000万円の売り上げ達成」、「係長昇進」…とそれなりに実績はある。しかし、これらのことが転職先に「自分はこれができます」と本当に胸を張れるものなのか、と考えると心許なくってきた。

エン・ジャパンが同社が運営する人材紹介会社集合サイト「エン転職コンサルタント」上で、転職コンサルタント140人を対象に「キャリアの棚卸し」についてアンケート調査を実施。その結果を公開している。それによると、62%の転職コンサルが「十分キャリアの棚卸しができていない」と求職者を分析。Tが陥った状態に多くのビジネスパーソンがはまり込んでいる様子がうかがえる。

エン・ジャパン転職調査

キャリア棚卸しのメリット?『エン転職コンサルタント』( http://consultant.en-japan.com/ )調べ

一体どうすれば、うまくキャリアの棚卸しができるのか。まず、キャリアを棚卸しするメリットについて。多くの転職コンサルタントが「自身のキャリアを客観的に見直すこと」としている。これはつまり、キャリアの棚卸しが、転職企業へのアピールポイントを掘り起こすことではあるものの、それ以上に本当に転職する必要があるのかを含めた、いまの自分を冷静に見定める意味で価値があるということだ。

その上で、うまく棚卸しするポイントも指摘している。最も多かったのは「出来るだけに具体的に」。以下、「転職希望理由やキャリアビジョンなどを深く掘り下げて突き詰める」、「コンサルタントなどを活用し、多角的な視点から行う」などと続いている。

「そもそもなぜ、自分はキャリアの棚卸しを考えたんだろう」。調査結果に大きくうなずきながら、そんなところから始め、もう一度、キャリアの棚卸しをしてみたT。すると、コンテストでの活躍や売り上げが良かった時、いつも仲間のフォローが大きかったことを思い出した。結局、「自力ではなにもできていない…」。そういう結論に至り、Tは、転職路線は撤回。もう一度、自力で同じ成果が出せるよう、日々の仕事に取組み、本物のスキルを身につけるよう、新たな決意で新年度を迎えることにしたのだった。

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について