働き方

“本当の大人”が忘れてしまっている大事なこと

投稿日:2016年3月7日 / by

~変人・安田佳生の境目コラム~

屁理屈ってなんですか?

お前は屁理屈が多すぎる。昔からそう言われて来ました。でも屁理屈って何ですか? 論理が破綻している理屈。それが屁理屈であるとしたら、私だって納得します。でもそうじゃないから、納得がいかないわけです。論理的には正しい。でも受け入れ難い。そういう時に大人(親や、先生や、上司)は、屁理屈という言葉を使うのです。

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お前の理屈は「ここ」で破綻している。と、きちんと、そのポイントを指摘して欲しい。そもそも屁理屈(と言われるもの)を持ち出すのは、「答え」が知りたいからなのです。

なぜ勉強するのか? → 将来苦労しないため。
なぜ将来苦労しないのか? → いい仕事に就けるから。
いい仕事とはどんな仕事なのか? → 安定した大企業。

大企業も潰れていますが?・・・「屁理屈だ!」と、なるわけです。

別に親や先生の揚げ足を取っているわけではなく、筋道の通った答えが聞きたいだけなのです。子供は素直です。だから「常識」と言う名の論理破綻が受け入れられないのです。

なぜなぜ? それって、おかしくない? 子供がそう言ってくるとき、大抵は大人の側の論理が破綻しているのです。破綻しているから、反論出来ない。反論出来ないから「屁理屈だ!」と言うしかない。つまり、「黙れ!」「話は終了!」と言っているのと同じ。でも、恐ろしい事に、大抵の子供はこれで黙ってしまうのです。

常識的に考えることが怖いワケ

「常識的に考えろ!」。 それは「何も考えるな」と言っているのと同じです。「何も考えずに、常識に従え」。そう言われて従ってしまう。なぜなら、そのように教育されて来たからです。江戸時代の寺子屋の風景が残っている絵があります。生徒達は、歩き回ったり、おしゃべりしたり、勝手に本を読んだりしています。今だったら学級崩壊です。でも、先生はそれを咎めていません。

それが、学習するということだからです。自ら興味のある事を見つけ、それをとことん追求する。それこそが、学ぶということではないでしょうか。それでは効率が悪すぎると思いますか? でも、江戸時代の日本人の識字率は世界一だったのです。

余計な事を考えない。言われた事を確実にこなしていく。それはどう考えても学問とは正反対の姿です。確かに、企業にとっては使いやすい人材に育つでしょう。でも、それって正しいのでしょうか?

いい会社に入る。利益に貢献する。出世する。でもそもそも、何のために出世するんですか? そういう純粋な疑問を、真正面から受け止める。それが本当の大人というものではないでしょうか。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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