辞めた社員を受け入れますか?
お毒 さよならは別れ―の言葉じゃなくてー♪ 再び会うためのー遠い約束♪
猫田先生 まだ花見には早いだろ、昼間からだみ声で歌われても、気持ちが悪い。止めてくれ!
お毒 いい歌詞じゃないのさ。アタシはね、何度も男と別れてるけど、それは再び会うための遠い約束と思ってるのよ。別れたらそれで終わり、なんて関係寂しすぎよっ。
編集部ニシ セーラー服も機関銃も似合わないお毒さんには「ラブイズオーバー」が一番ですよ。ただ、再び会うための約束ってことでいえば、エン・ジャパンが面白い調査をしています。出戻り社員を受け入れるかに関するものです。それによると、67%の企業が出戻りを受け入れたと回答しています。そのきっかけとして多いのが、「在籍時の上司から推薦」だそうです。
お毒 別れはケンカが原因になることが多いけど、それでもやっぱり上司とは心が通じ合ってるのよ。だから、一度は袂を分かっても受け入れられるのよね。ま、修復不能なケンカも時にあるんだけど、それはもう、会社との相性の問題じゃないかしら。
猫田先生 ワケの分からねぇ人材をタヌキのばかし合いの面接に時間を費やして採るより、多少の傷はあっても気心の知れた元社員の方が、戦力としては確実に計算できるからな。利害関係の部分じゃ、出戻り社員ほどいい人材はいねぇだろ。
編集部ニシ 実際に、出戻り社員を再雇用した理由には「即戦力」、「人柄を知っている安心感」といった声が上がっています。私が取材した出戻り歓迎の企業も、出戻ると忠誠心がアップしていて使い勝手がアップしているケースが多いと話していました。出戻り社員は、積極活用すべきかもしれませんね。いまはなかなかいい人材も採りづらいようですから。
猫田先生 受け入れる社員の反応もいいんじゃねぇか。自分が辞めても戻れるって安心感につながるからな。
編集部ニシ その通りです。76%の企業が、出戻り社員に対する職場の反応は良好と回答しています。さらに7割の企業が「条件が合えば再雇用したい」と出戻り受け入れに前向きです。
猫田先生 単に辞めた社員を再雇用するだけのようだが、「アルムナイ制度」という制度としてちゃんと存在するんだよな。
編集部ニシ はい。「アルムナイ」は、本来は「卒業生、同窓生、校友」の意味。転じて「企業の離職者、OB/OGの集まり」を指します。その名から想像できるように、一度離職した社員を再雇用する人事制度です。様々なメリットがあることから、海外では広く浸透しているそうです。
お毒 離婚して実家に出戻るのはとにかく居心地が悪いらしいけど、会社だとうまくいくものなのね。
猫田先生 そこが利害関係ってことだよな。出戻り社員は、よそで成長した上に、会社のことを熟知してるんだから、いいことづくめ。一方の出戻りは、平穏な家庭に負のオーラをまとって戻ってくる厄介者という印象が強いよな。なかには喜ぶ家庭もあるんだろうけどよ。
編集部ニシ ま、なんにせよ、戻りたいと思ってもらえるように受け入れる側が成長・進化していないと話にならないわけですけどね。二度と戻りたくないと思うほど落ちぶれていたりしたら、誰も戻ろうとは思わないでしょうからね。まさに「器」をより大きくしておかないといけませんね。
お毒 もちろん社員の側もね。