企業風土

長時間残業の真犯人は誰ですか?【瓦の目】

投稿日:2016年4月15日 / by

厳しくなった残業への監視基準

新年度になり、いろいろな法律や基準が変わっている。ほとんど意識されていないが、労働局による企業への監査の対象が、残業時間100時間から80時間に引き下げられている。つまり、長時間残業に対するチェックの基準が厳しくなったのだ。

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長時間残業が常態化している企業にとっては、ハッキリ言って焼け石に水だろう。なぜなら何時間残業しているかなど、ほとんど意識していないからだ。それよりも、日々の売り上げのキープしか頭にない。根本的に危機感のポイントが違うのだから、いくらお上が、厳しく言おうが、有効なわけがない。

百歩譲って、「本当は残業させたくない。でも、それくらいしないと会社がつぶれてしまう…」ということなのかもしれない。しかし、そうだとすれば、経営者のレベルが大きく問われることになる。可能な限り生産性を上げ、社員の生活を担保できる売り上げを確保するかが経営者の最低限の使命だからだ。

政府が残業に対し、より監視を厳しくするのは、時間より成果へのシフトを加速させるためだ。もちろん、いくら時間がかかろうが、成果が重要ということではない。いかに短時間で最大限の効果を出すかを問うている。それによって、家庭と仕事の健全な両立を実現する。業種・業態によって、やり方はさまざまで、一定のノウハウがない難しいテーマだが、やることで確実に正解に近づける。

ノー残業を実現するために本当に必要なこと

最もシンプルなスタイルとしては、定時に全員強制退社というのもありだろう。帰る時間が決まっていれば、普通なら逆算してことを進め、それまで終わるよう意識する。もちろん、それでは収まりきらない場合も多いかもしれない。しかし、ではどうすれば収まるかと考えるようになる。何事もやってしまえば、自ずと実現へ向かうのものなのだ。

どうしてもできなければ、残念ながら、業務量と社員のスキルが不相応ということになる。そうなれば、社員を増やすか業務量を減らすか、という判断を迫られる。それがイコール解決策だ。残業とは肥満に似ているのかもしれない。太ったからといって、何か問題があるわけではない。だから、「本人がよければいいでしょ」というあの感じだ。

突き詰めれば、残業も、自己責任ということになる。多くの時間を仕事に費やして、プライベートを犠牲にする。「それがなにか…」。そういう人が減らない限り、長時間残業はなくならないだろう。「だから仕事が山ほどあるんだって!」。本当にそうだろうか…。経営の問題だけなら、残業問題の解決はそれほど難しくないハズだ。

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