企業風土

それでも大企業ならしがみつきたいのか…【瓦の目】

投稿日:2016年4月22日 / by

なぜ大企業は不祥事を頻発するのか

大企業はなぜ不祥事を起こすのか…。こういうと、大企業ばかりが悪行を行っているように聞こえるだろう。もちろんそんなことはない。だが、大きな企業は社会的影響力も大きく、当然ながら問題を起こせばメディアにこっぴどくたたかれる。逆にいえば、中小零細で悪行が行われても、話題にならない。影響力が小さ過ぎる。それだけのことだ。

その意味では、事の大小はともかく、小さな企業の方が、社会的によろしくないことをしている率は高いかもしれない。大企業では、非常に規律が厳しいからだ。感覚でいえば、貧乏家族と裕福家族の躾の違いのようなものかもしれない。貧乏家族が躾が悪いというつもりはないが、必要以上に躾に厳しいのはたいていは裕福家族だったりする。

愛社精神の仮面をかぶった“地位確保”

大企業の社員にとって、そこに所属していることは社会的ステータスになる。一族郎党みな、ちやほやしてくれる。そんな会社が、もしも猛烈ノルマを課す体質だったら、担当社員はどうするだろうか。「それはいけません!」と身を乗り出して物申すだろうか。上司に「黙ってやれ」と指示されれば、のど元まで反論の言葉が出ていても体はそれに従うだろう。
mitsubishi

もちろん、それは愛社精神ではない。“地位確保”のためのなりふり構わぬ行動だ。ある種の本能といえるのかもしれない。同情できなくもない。だが、2000年も16年を過ぎた、終身雇用制も崩壊したこのご時世でもそれなのか…と9割以上は呆れてしまう。三菱自動車の不正は「またか」という情けなさしかない。事後対応も最悪。もはや、ごまかせないのにごまかそうとしているのがミエミエだった。

終身雇用制も正社員神話も事実上崩壊したいま、大企業がさらしたあまりにお粗末な姿。それはまさに、企業にぶら下がる受け身社員では何の得もないことを見事なまでに知らしめてくれている。技術の先端をいくライバル企業のテールランプをはるか先にかすかに見ながら、技術革新どころか「不正」でしか、性能を誇示できない三菱自動車に再起の道があるとは到底思えない…。

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