企業風土

会社の夢と社員の夢が融合する「ドリーム企業」とはなんなのか

投稿日:2016年6月22日 / by

難題に挑む経営者の野望とは

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社会構造の変化により、働き方は新しいカタチへシフトしつつある。リモートワークに代表される、時間と場所に捉われない働き方は、労働人口減少をカバーする制約の少ないワークスタイルとして、普及が加速している。そうした中、経営の根本から、働き方の変革にチャレンジする企業がある。IT系サービスのジー・ブーン(株)だ。企業と社員の「夢」を共有することで、仕事の意味を最大化するその名も“ドリームマネジメント”。その狙いや成果、実態を同社代表・後藤稔行氏に直撃した。

なぜ、利益でなく社員との夢の融合を目指すのか

人口減少フェーズにある日本は、このままいけば確実に衰退する。企業体力は落ち、収益力が減少。やがて社員を満足に雇えなくなる…。市場が縮小フェーズにあるのだから、必然ではある。そこで変革を掲げ、改革に乗り出す企業もあるが、対症療法こそあれ、根治療法まで踏み込む企業はなかなか見当たらない。
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「企業は利益を求める以上、株主など利害関係者の意向を気にするしかありません。ですから、どうしても目的が売り上げ中心になってしまいます。いくら人が大事といっても、利益にならなければ、教育を優先するわけにはいきません。でも、会社が社員の夢に向き合い、共に夢の実現に向かえれば、仕事は一気にやりがいに満ち溢れるものになる。そんな会社があればいいのですが、なかったので自分で作りました」と後藤代表は、“ドリーム企業”創業の理由を明かす。

それから10年。まさに夢のような構想は、骨組みから着々と血肉がつきはじめ、従来の企業とは一線を画すドリーム企業として、その理想実現に近づきつつある。ドリーム企業とは一体、どんな企業なのか。そもそも、企業の夢と個々の社員の夢を同時に実現する経営など本当に可能なのか…。

企業と社員の夢の融合は本当に可能なのか…

「会社の夢と自分も含めた社員の夢を融合させた企業が『ドリーム企業』です。日本で唯一だと思います。つくった理由はいたってシンプル。ビジネスタイムは、人生の中で多くの時間を占めています。その膨大な時間を自分の夢の実現に費やす時間と融合できれば、社員の人生も豊かになり、会社も成長する。そこで、社員には夢を持つことを義務づけ、会社はその夢をかなえるために環境を用意するのです。夢の共有にあたっては、弊社のノウハウを活用し、デザインしていきますが、技術に照準を合わせることになります」と後藤社長は解説する。

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外部にも貸し出す会議室はまさに非日常の世界だ

同社のコアな事業領域は、IT系、アジア戦略、夢応援の3つ。この大きな枠に、社員の夢実現に重要となるワークスキルをうまくすりあわせ、会社はその習得に最大限の環境を提供する。社員が技術力をアップすることがそのまま、会社の夢の実現に直結。つまり、夢に向かって社員が頑張れば頑張るだけ、会社も夢の実現に近づき、連鎖的にモチベーションがドライブされ続けるワケだ。

「いわゆる普通の会社は、人材が部品型なんです。経理で採用したなら基本、ずっと経理。ジョブローテーションもありますが、そうしたものは数年たてば忘れてしまう。結局、受け身では、いくら取り組んでも体には染み込みません。だから、本気で身につけさせるためには能動的な目標である夢と連動させる必要があるのです」と後藤代表は力説する。

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中庭もしっかり作りこまれ、バーベキューなどに活用されている

成功のカギを握るのは理念への共鳴

会社の夢と社員の夢の共有。一般的には、会社の夢に社員が合わせることが当たり前という感覚だが、同社では、企業が社員の夢に限りなく歩み寄る。もちろん、前提として、こうした理念をスムースに理解してもらうため、採用時にはしっかりと“夢企業”としての考え方を説明。それに共鳴した人材のみを採用する。こうした理念のマッチングをしっかり行っていることが、あえて難題に臨みながらも同社が“ドリーム企業”としてここまでやってこれている大きな要因といえるかもしれない。

「弊社はこれまでは中途採用を基本としてきましたが、昨年より新卒採用中心にシフトしています。育成していく上で、まず理念に共鳴してもらうことが重要ですが、吸収していくプロセスでは、ピュアな状態の方がうまくいきます。もちろん、時間はかかるので、その点は大変ですが」と後藤代表はさらなる上のステージへ向け、舵を切っている。ここまでは業績面で後退することなく前進を続けており、同社の難題へ向かうチャレンジは、その実現へ向け、着実にゴールへと近づいている。

後編では、ドリーム企業として同社が、どうやって、難題に向っているのかを具体的事例を交え、紹介する。


【会社概要】
ジー・ブーン株式会社  一緒に夢冒険へ社名:ジー・ブーン株式会社
代表取締役:後藤稔行(ごとうとしゆき)
設立:2006年7月7日
資本金:4,180万円
本社所在地:東京都千代田区神田須田町2-19
野村第3ビル 6F
事業内容:ITアウトソース事業、海外事業(THAILAND)、レンタルスペース事業

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