企業風土

月5日勤務でフルタイム正社員以上稼げる人もいる会社のヒミツ

投稿日:2015年11月25日 / by 瓦版編集部

幸せな働き方を追求する企業が実証した驚きの事実

びりかん 信國大輔氏

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月5日の勤務で普通の正社員以上の月給を稼ぐーー。この事実を、実験的な企業運営で証明した企業がある。組織コンサルを行うびりかんだ。幸せに働くことを追求する同社の実験は、従来の働き方がすでに破たんしていることを前提に、その真逆をいくことをテーマに行われた。幸せに働くために必要なものは何か。というより、まず何が不要なのか、に切り込んだ同社の大胆な取り組みを検証する。

月5日勤務社員の働き方とは

同社社員の石丸弘氏の労働時間は月5日。パートタイマーでなければ、特別待遇されているわけでもない。れっきとした正社員としての正式な労働形態だ。石丸氏にとって、それがベストだからそうしているに過ぎない。ふつうの会社では考えれない働き方。だが、同社ではこれもひとつのスタイルとして認知される。

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「弊社には特に決まり事はないんです。各自がやりたいようにやりたいことをやればいい。あえて指標があるとすれば、普通の会社のNG事項をやっていこうということでしょうか」。そう明かすのは同社代表の信國大輔氏。決してふざけているわけではない。これまでの経験から導き出した、氏なりの働き方に対する一つの答えだ。

なぜ従来の働き方ではダメなのか

組織コンサルとして、多くの企業を外からみてきた信國氏。その目には、多くの苦しみが焼き付いている。売り上げを追い求め、疲弊する会社の姿。その元凶が産業構造の変化にあることは明白だが、企業はその先へと踏み出せない。そうした姿勢を全否定こそしないが、これまでのビジネスの成功法則がもはや限界であることはハッキリしている。

では、どうすればいいのか。そうなると明確な答えはない。そこで、それらを反面教師に新しい働き方を実践する企業として、自身の会社を実験台として活用。その結果できあがったのが、今のワークスタイルだ。出社の必要なし、働く日数の決まりもなし。ノルマもなし。いやなことはやる必要なし…。これまでの働き方の常識にあてはめれば、もはや会社とは到底いえない状況だ。

「今、多くの会社が苦しんでいいます。それは、これまで以上に頑張ってるのに経営がうまく回らないこと。ただ、頑張るための前提が変わってしまっているワケですから、頑張る量を増やしても報われることはありません。とはいえ、どうすればいいのかもわからない。企業も社員も選択肢がないと思っているから、状況はいつまでも打開されない。それではあまりに不幸です。自社での実験を通して得られた結果をもとに、そうした状況に新たな選択肢をつくれればと思っています」と信國氏は、大胆すぎる“実験”の狙いを明かす。

目指すのは全ての人が幸せに働ける社会

目指すのは、全ての人が楽しく幸せに働ける社会。その最小単位として、まずは自社でそのためのアクションを実践している。冒頭の石丸氏は、いわゆる普通の会社での就業も経験しているが、そこでは力を発揮しきれなかった。ところが、いまや月の稼働がたった5日ながら、前職を上回る月給を稼ぎ、クライアントからも絶大な信頼を得ている。

「前職は、いわゆる従来型の会社でした。それなりに縛りがあり、売り上げについても突かれました。普通のことではあるとは思いますが、私には合わなかった。でも、ここではやりたいことを自由にやれる。ノルマもない。本当に自由です。でも、ダレることも甘えることもなくて、逆になぜか人に対する感謝の気持ちが、すごくあふれるようになりましたね。僕にとって、この会社はなくてはならない存在です」と石丸氏はしみじみ語る。

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そんな石丸氏だが、稼働日以外の25日はなにをしているのか。気になるところだ。遊んでいるかといえばそんなことはない。ボランティアでNPOをサポートするなど、本業のスキルを生かしながら、ライフワークでもある「世界平和」のために時間を使っている。結果的に、スキルはさらに磨かれ、本業にもプラスに作用しているというから、うまい具合に「自由」が会社に「恩恵」を与えている。

会社として不公平は起こらないのか

気になるのは、売り上げや報酬の仕組みだ。ノルマのない同社だけに、報酬は完全に個人の活躍に依存するのが自然に思える。だが、それではフルコミッションの会社と変わらない。実は、同社では、各自の申告に基づく売り上げから給与を算出。未達でも一定期間は申告額に基づいた定額が月給として支給される。ここが、業務委託との決定的な違いだ。だから、石丸氏は心置きなく課外活動ができるのだ。

こうなると、経営者はやきもきしないのか心配になる。万一、売り上げが減少しても、強くは踏み込めないからだ。「そりゃ最初は、気が気じゃなかったです。もっとやれる、頑張ってほしいとかいろいろ口出しもしたくなりました。でも、もうすっかり慣れました。いまは社員が何をやっているのかさえほとんど知りません」と信國代表はあっけらかんと話す。

月数回の顔合わせはもちろんアリ

もっとも、社員を完全放置かというとそうではない。週一回のワークショップと月1回のミーティングだけは、定期的に行っている。とはいえ、その内容はビジネスに関する話とは限らず、時には社員の恋愛相談に終始することもあるというから、どこまでもユニークだ。しかし、そうやって、直接顔を合わせるだけでも組織としての結束力を強める効果はあり、さらに社員がテーブルを囲み、身の上相談もすることで、きずなも深まり、目には見えない大きな力となっている。

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「実験的にやってみて、それなりに成果もみえてきました。我々のサービスは単価が高いこともありますが、ハッキリいえるのは、月5日の勤務でも普通の会社員並みに稼げるということです。裏を返せば、いかに従来の働き方にムダが多いかということ。諸経費等の違いもあり、単純比較はできませんが、月5日勤務の正社員の実現は可能です。もちろん課題はあります。この仕組みをより発展させるためにはたくさんの社員が必要ですが、しっかり稼げるようにするためには集客の部分がまだまだ弱い。事業の幅も広げていかなければいけません」と信國氏は、“研究成果”と課題を明かす。

あぶりだされる残業大国・日本の無駄

すぐにどの企業でも導入できるほど、まだ現実的ではないが、月5日の勤務で一般的な正社員並みの給与がもらえるほど稼げるという事実は証明された。確かに、もし売り上げに直結する部分だけに業務を集中すれば、現在の少なくとも半分の労働時間でもいまの給与水準並みの売り上げをあげることは可能かもしれない。ダラダラ残業撲滅、雑務のデジタル化、必要以上の売り上げノルマ撤廃…。意味なく引き継がれている悪しき慣例を撤廃するだけでも生産性を大幅に向上する余地はたっぷりとありそうだ。

働き方を変革することで、石丸氏のように才能が開花し、再生される人材も出てくる。そうしたことも考えれば、従来の働き方と正反対の取り組みを少しずつでも導入していくことは、プラスこそあれ、マイナスはなさそうだ。同社の“体を張った”取り組みは、従来の働き方から脱しきれない企業にとって、試してみる価値を感じさせるに十分なエビデンスといえる。もはや、働き方の変革は、やるタイミングが遅れるほど、会社に損失を与えかねないテーマといっていいのかもしれない…。


【会社概要】
株式会社びりかん商号: 株式会社びりかん(Belicoun Co.Ltd.)
所在地: 〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町14-6 黒松ビル505
設立: 2007年7月
資本金: 10,000,000円
代表取締役:信國 大輔
事業内容:自律分散協調型組織変革コンサルティング
経営支援コンサルティングサービス
採用支援サービス
マーケティング活動代行サービス
オンラインコーチングサービス「Callme」

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