企業風土

“ランチ自転車”をマネしない方がいい理由

投稿日:2015年2月5日 / by

お毒 もう面接なんてやらない! なんなのかしら、あのくそ坊主。「24時間お店のために頑張ります」、「お毒さんはオネェのカリスマ。尊敬しております」なんていうから採用したら、その舌の根も乾かぬうちに2日でトンズラよ、ふざけんじゃないわよっ。面接詐欺っ。

猫田先生 気の毒ぅ、お毒ぅ、といいたいところだが、面接で逆のこと言ってみろよ。落ちるに決まってるだろ。だから、面接なんてのは、ウソつきか正直者かを見極めるリアルの場程度に思っておくのが一番なんだよ。

毒舌家

編集部ニシ 人材企業のビースタイルは採用面接をなくしました。代わって自己申告でタイプを聞いて、そこから社員や人事部で交わりながら資質を見極めていくようです。挨拶遅くなりましたが、私、編集部の西島英俊ことニシです。別名マンモスニシでごわす。

へん0お毒 西島秀俊というより新宿西口の占い師って感じね。なんか胡散臭いわね、アンタ。ま、でも呼んでもいないのに来てる伝衛門に比べれば10倍ましね。このままレギュラー参戦お願いね。

猫田先生 ビースタイルに限らず、いま採用シーンは大きく変わりつつあるのは確かだな。先日、リクナビNEXTが職場を元気にする取り組みを表彰するイベントを行ったんだが、まさに象徴的だよ。採用を一律化した張本人といえるところが、個性を尊重するんだからな。ニシもたくさん企業を取材してるが、いまは企業も独自性をどんどん打ち出すようになってきたよな。

ニシ 私はその表彰式の取材をしましたが、「中途入社後の活躍促進」で部門賞を獲得したRettyのランチ自転車は“深いい”でしたね。他の候補もあり、なかなか立派な内容だったので、私はてっきりそっちが選ばれると思ってました。だって、ランチに自転車を使っていいってだけの制度ですから。ところが審査委員の話を聞いてハッとしました。Rettyは実名口コミのグルメサイトで急拡大中なんですが、社員がどこまでもランチを食べ尽くしに自転車で出かけるんです。1時間以上でもOK。それで中途で入った社員がイタリアンに強かったりするとほかの社員を先導してランチをはしごするわけです。それで一気に打ち解ける。すごいのは、なじみにくい中途をすぐに馴染ませ、かつ自社サービスの質を上げるという点なんです。だから、単にマネすればいいだけじゃなく、自社の強みを活かしつつ、という点がすぐれているんですね。まさに個性であり、多様性ですよね。

猫田先生 普通の会社がランチ自転車なんて取り入れても単に便利というだけの話だからな。その意味では、独自の制度というのは、自社サービスの強みを改めて考え直すという意味でも重要ってことだな。例えば、スポーツ用品メーカーなら、運動みっちり休暇とか、教育産業なら習い事受講促進補助金とかな。自社のサービスに連動した制度にすることで、本人も思う存分楽しめるから形骸化しにくいしのがいいよな。その意味じゃ、よくあるノー残業デーとかバースデー休暇なんてのはあまり意味ねぇな。

nekodaBupお毒 アタシの店なら、豊胸休暇に竿キリ補助金支給かしら…。考えてみれば、採用ってコッチはルックス重視、アッチは待遇重視でしょ。かみ合うわけないのよね。だから、ホントにウチで働きたくなるような制度とか仕掛けをすればいいってことよね。クソまじめに面接でのイメージを重視したのは失敗だったわね。口下手でもいい子は一杯いるしさ。

猫田先生 北風と太陽じゃないが、ガチガチの枠で括るんじゃなく、素直に会社の求める人材をアピールして間口をオープンにする。そこから見極めるのが、結局は欲しい人材獲得に近道ってことだな。これまでは合理的にやり過ぎて人材が硬直化しちまってたんだよな。これから日本も人材がどんどん流動化していくが、こうした流れが定着すれば、労働市場全体の人材の最適化につながって、結果的に企業力、さらには国力も上がっていくはずだよ。期待したいね。

お毒 伝衛門がいないとなんだかいい感じね。やっぱりあいつは疫病神よ。

ニシ 今後ともよろしくお願いいたします。ちなみに、Rettyでは、受賞に気を良くして、これまで10台だったランチ用自転車を倍の20台に増やすそうですよ。

 

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