企業風土

ブラック企業大賞にアノ2社が緊急ノミネート

投稿日:2014年9月2日 / by
ブラック企業大賞

ブラック企業大賞はあの二社を緊急のミート

「たかの友梨」、「すき家」が緊急ノミネート! ブラック企業大賞実行委員会は、2014年9月6日(土)の授賞式を目前に控え、(株)不二ビューティ―、(株)ゼンショーの2社の緊急追加ノミネートを決定した。

その理由について実行委員会では「去る7月30日、2014年度のブラック企業大賞のノミネート企業9社を発表し、授賞式1週間前を切った時点ではありますが、緊急性と重要性をかんがみ2社について緊急追加ノミネートとさせていただくことにいたしました」と説明した。それぞれのノミネートの経緯と理由は次の通り。

◆不二ビューティ―(たかの友梨)

「たかの友梨」は、1978年の創業以降全国124店舗を展開、従業員1047人(2013年9月時点)、売上高160億円(同月期)のリーディングカンパニーである。代表取締役の髙野友梨氏は、「カリスマ美容家」として、テレビのバラエティー番組等に数多く出演している。

しかし、現場で働く従業員の労働環境は過酷なものである。従業員の多くが、1日に12時間程度働かされ、その間休憩をほとんど取れていない。また、休日も規定通りに休めず、有給休暇も取得できない。そうした過重労働にもかかわらず、残業代・休日手当は適切に払われていなかった。

2014年8月、仙台労働基準監督署は、たかの友梨仙台店に対し、タイムカードの記録と警備記録のズレを指摘し、残業代未払い分の精算をすることや、適切に休憩を取れる措置を取ること、有給休暇を労働者の希望通りに取らせることといった、行政指導・勧告を出している。

ところが、労働組合の公表したところによれば、社長の髙野友梨氏は、労基署に通報した従業員を長時間にわたり「労働基準法にぴったりそろったら、絶対成り立たない。潰れるよ、うち。それで困らない?」などと詰問し、その従業員は精神的ショックで出勤ができなくなってしまったとのことである。しかし、会社はその事実を認めようとしていない。

今回の労基署による行政指導がなされた事実などが明らかになったので、緊急にノミネートした。

◆ゼンショーホールディングス(すき家)

株式会社ゼンショーホールディングスは、日本最大の牛丼チェーン「すき家」を経営する株式会社ゼンショーを含むホールディング企業である。すでに、株式会社ゼンショーは過去2012年度ブラック企業大賞の「ありえないで賞」を受賞している。

2014年7月31日、ゼンショーホールディングスに宛てた「『すき家』の労働環境改善に関する第三者委員会」の調査報告書が公表された。この「第三者委員会報告書」の内容は、24時間以上の勤務を何回も繰り返す、月の労働時間500時間など、壮絶というべき記述の連続である。これら労働法規違反のオンパレードは、同社がみずからを「ブラック企業である」と言ったに等しい。今後、ブラック企業研究を志す人たちの参照すべき基本資料がゼンショーホールディングスによって提供されたと言っていい。

この「報告書」発表後、多くのマスメディアも含めて、すき家の労働条件が本当に改善されるのかを注目している。特に、すき家における最悪の労働条件である、深夜の一人勤務(通称:ワンオペ)をなくすのかどうか。ゼンショーホールディングスは、今年の9月末までに全店舗でのワンオペ廃止を表明しているが、ゼンショーは以前にもワンオペ廃止方針を反故にしていることもあり、注目が集まっている。

「第三者委員会報告書」の公表を受け、その内容の過酷さ・壮絶さからすれば、ブラック企業として十分に要件を充たすことから、緊急にノミネートするものである。

————————————————————————————————————————————————————————

委員会は、緊急ノミネートの趣旨について、「どちらのケースについても会社側からひどい仕打ちを受ける中で声をあげて闘っている当事者を励まし、ブラック企業をなくすための運動をさらに広げるということに他なりません」と説明している。

2社は、募集中のブラック企業大賞WEB投票にも別の項目ながら、緊急追加されている。WEB投票は、9月2日時点では、ヤマダ電機が全体の3割近い得票でトップ。以下、東京都議会(19%)、タマホーム(15%)と続いている。2社とも投票の書き込み欄には、事態発覚後「ぜひノミネートを」、「たかの友梨があれば即決だったんだけど」などの声があがっていた。

————————————————————————————————————————————————————————
【続報】ブラック企業大賞2014 大賞決定
ブラック企業大賞はその後、2014年9月6日に授賞式が開催され、ヤマダ電機が大賞に決定した。

第三回 ブラック企業大賞2014 大賞・各賞

●ブラック企業大賞: 株式会社ヤマダ電機

●WEB投票賞 :  株式会社ヤマダ電機

●業界賞
【アニメ業界】株式会社 A-1 Pictures
【エステ業界】株式会社 不二ビューティ(たかの友梨ビューティクリニック)

●特別賞 : 東京都議会

●要努力賞 : 株式会社ゼンショーホールディングス(すき家)

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について