企業風土

人事制度が成果主義に移行したが納得いきません

投稿日:2015年8月18日 / by 瓦版編集部

~仕事・働き方のエキスパートがズバリお応えします~

<質問>

「成果主義に移行したが評価システムを信用できない」

会社の人事制度が年功制から成果主義に移行しました。もちろん評価システムがあり、それに応じた給与変動となるようですが、とても公平に運用されると思えません。もちろん、昇給したいので頑張りますが、とりあえずは、会社の評価基準を意識して、そこに対して結果を出す働き方をしていれば大丈夫なのでしょうか。(34歳男性)
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【回答】

「成果主義を個人主義と捉えちがえることのないように」

会社がどんな人事制度を採用したとしても、当該制度を適用されるすべての社員に公平性を担保することはないと考えてください。人事制度はその会社の人事方針や基準に則り公に正しい(公正)ことをしようとはしますが、公に平らなこと(公平)をしようとはしていないのです。人事制度が職能主義(年功制)から成果主義になり、ますます公平性は担保されなくなると考えて差し支えないでしょう。

ではどう対処するか。ご質問の通り、とりあえずは、会社の評価基準を意識して、そこに対して結果を出す働き方をしてみてください。特に注意すべきは、人事制度の細則ではなく、その制度が発するメッセージです(制度が発するメッセージをどう読み解くかについては、拙著をご確認いただけたら幸いです)。

なお、新制度のもとに質問者が社内外でどう振舞うべきかは、一般社員の場合と管理職の場合で違ってきます。一般社員であれば、新制度の評価基準に則り、仕事の優先順位づけは見直してください。その上で優先順位の高い仕事から順番に、とにかくたくさん仕事をこなしましょう。そして実務能力をとにかく高めていけば、管理職への階段が見えてきます。その際、一般社員が出世するための好ましい振る舞いを挙げるとすれば、上司の不得手な仕事を積極的にサポートし、あくまで上司の成果として受け渡すということでしょう。くれぐれも成果主義を個人(成果)主義ととらえ違えることのないように。

次に管理職であれば、なにより視野を社外に広げましょう。管理職と一般社員とでは出世のルールが変わります。経営層は自社内のことしか知らない、関心のない管理職に魅力を感じません。ですがその一方で、社外の見識や発想をそのまま自社内に乱暴に持ち込む管理職にも「こいつ、分かっていない」と感じてしまうのです。

また、サラリーマンとしてのキャリアが一番不安定になるのも管理職です。ですから、積極的に社外に視野を広げ、自らを客観視しながらこれまでに培った専門性や持てる価値の棚卸を行いましょう。そして社内だけでなく、社外でも自らの更なる成長を織り込んだキャリアイメージを描く訓練をされることをお勧めします。


新井健一<回答者プロフィール> 新井健一
1997年4月、大手重機械メーカ入社。人事業務全般に従事。1999年10月、アーサーアンダーセン/朝日監査法人(現 KPMG /あずさ監査法人)入社。 組織・人事及び業務改善に関わるコンサルティング及び教育に従事KPMGあずさビジネススクールにてシニアマネージャー、スクール長に就任。ビジネススクール責任者として事業経営の傍ら、コンサルタント、講師業務に従事。2010年11月、経営コンサルタントとして独立。東北六県を対象としたプロジェクトに従事し、仙台を拠点に活躍中。最近は旺盛な執筆活動も行っており、人事のノウハウをまとめた『日系・外資系一流企業の元人事マンです。じつは入社時点であなたのキャリアパスはほぼ会社によって決められていますが、それでも幸せなビジネスライフの送り方を提案しましょう』を発売している。

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