企業風土

社員が制度を創る制度がある会社の実態

投稿日:2014年10月30日 / by 瓦版編集部

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「働きやすさ」は自分達でつくる

 

テモナ(株)

企業の人事制度は、主に社員がより良く働ける環境を築くものとして存在する。テモナ(株)ではコアな部分ではないものの、環境を良くする制度づくりは基本、社員自らが創ることになっている。働くのは社員。だから、働きやすい仕組みや制度を考えるのも社員というワケだ。実に利にかなっている。こうした風土では、社員は、そして企業はどんな風に成長するのか…。

制度つくりのための制度がある理由とは

「テモナ制度」。社名を冠したこの制度が、同社の制度作りのための制度。社員なら誰もが、なんでも提案できる。条件は「楽しいこと」、「フェアであること」、「何かが良くなること」の3つ。制度の数に制限はない。これまでに「21時強制退社制度」、「採用支援制度」、「自由予算委員会制度」、「経営参画制度」…など、数々の制度が誕生している。

「制度の発案は予算が絡むものは別ですが、本当に自由です。実施も基本、3つのルールに則っていれば、不採用はまずありません。ただし、制度として定着するかは、やってみなければ分かりません。つまり、その存続は、しっかりと機能するかで決まるわけです」と同社工藤長人氏は説明する。

形骸化させないための制度も

こうした制度は、ともすれば、形骸化しがちだ。なぜなら、「誰でもOK」とはいっても、制度となるとさすがに言い出しづらい側面があるからだ。ところが、同社では「制度」がそれを緩和するという効果も働き、言いやすさが風土としてしっかりと定着している。

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なあなあでなく言いやすい空気に包まれるオフィス

代表的なのが“ぶっちゃけ制度”だ。これは文字通り、思ったことを誹謗中傷も含め、全社員が集まって言い合う制度。目的は、吐き出してスッキリして解決すること。一歩間違えば、トラブルが発生しそうだが、これまでにそうした事例はないそうだ。「この制度の実施にあたって確かに不安はありました。しかし、誹謗中傷の類はなく、むしろ業務を円滑に進めるための問題点等をぶっちゃけ、それをその場で解決する場となり、非常に有効に機能しています」(工藤氏)。

この制度によって、いまでは、いつでも意見を言い合う風土が定着し、業務が円滑に進んでいるという。言い合いやすい風土づくりに貢献しているもう一つの制度に、「社員夢制度」がある。これは、社員が自分の夢をリストとして作成し、全社員に公開する制度。「金持ちになる」、「ビルを建てる」というよりも、もう少し現実的に、同社に入社した目的としっかりとリンクした「夢」だ。全社員がそれぞれの夢を共有することで、各人の根っこの考え方が分かり、モノをいうにしてもより質が高まるワケである。

何でも言い合える風土が醸成する自立志向

何でも言い合える風土が醸成する社員の自立志向

全員の“自立”で成り立つ仕組み

各自が制度を提案し、夢を公開する。言いたいことも言い合う。これらはつまり、各自が会社にぶら下がるのではなく、自立していなければ成立しない。実際、同社では基本、「5年で独立」というスタンスで、成長を支援する環境を整えている。「決して離職を促しているわけではなく、起業家輩出という理念の元、起業を意識した志の高い人物を求めているからです。ですから、弊社へ来る人はそういう会社の目的とも合致した人がほとんど。会社を利用して自分が成長してやろう、というくらいの自立志向の高い人も多いですね」(工藤氏)。

社員の平均年齢は、20代中盤と若いが、こうした風土もあって同社は、すっかりプロフェッショナル集団として成熟しているようにみえるたくしましさにあふれる。もっとも、ここへ至るまでには決して最初から順風だったわけはない。実は、4年前には、どんなに採用しても数か月で辞めてしまう、を繰り返していた。タイミング的には黎明期で、業務と人員のバランスが崩れている時期ではあったものの、あまりの惨状に社長も不退転の覚悟で、会社の態勢固めに本腰を入れ、ビジョンと方向性を明確化。それでようやく、現在の形の礎を築くことができた。

工藤氏

自立志向の強い社員が集まり、ボトムアップで組織が固まっていく

人物軽視で離脱者の連続の過去

「当時は、業績のアップに組織の態勢がついてこない状態で、とにかく人が必要でした。そこで、考え方よりもスキル重視でとっていたのですが、やはり入社後に目的とのズレが出てしまい、定着しませんでした。あまりの状況に社長の親類も入れたのですが、それもすぐに辞めてしまい、さすがに考えたそうです。いまのように方向性を明確にしてからは、状況は一変しました」(工藤氏)。

かつての同社は、人を「スキル」で採用していたが、いまは「人物面」を重視している。基本的に相思相愛の関係であり、万一、付き合ってみてズレを感じれば制度の提案で改善もできる。社員がイキイキと働ける風土へと180度変わるのも当然といえるだろう。

独立採算制で強まる自立志向

2014年10月、新たな期に突入した同社は、事業部ごとの独立採算制に移行した。自立志向を求める同社にとって必然ともいえるが、これにより、早くも制度を活用した大きな動きが起こった。開発担当のエンジニアチームが、月の半分を在宅勤務にするワークスタイルの導入を提案したのだ。一つの家に集まり、開発のみに集中できる環境を作ることが目的だ。「そこまでやるのか」と工藤氏も驚いたというが、もちろん採用された。

「社員には常に経営者志向を持ってほしい」。そう願うトップは少なくない。だが、願うだけではもちろんそんな人材は出てこない。会社のビジョン、そして制度を社員がつくることに始まる、社員への平等な権利の付与。そして、ビジョンに合致した人材の獲得。こうした条件を揃えれば、会社は着実に次世代の働き方に合致した、プロフェッショナル集団へと育っていく。離職者続発から、イキイキ定着へ変貌した同社の事例は、まさにそれを証明しているといえそうだ。


【会社概要】
temona社名 : テモナ株式会社
設立 : 2008年10月1日
資本金 : 10,000,000円
代表 :  代表取締役社長 佐川隼人
本社所在地 :〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-11-11 IVYイーストビル3F
九州営業所 :〒810-0041 福岡県福岡市中央区大名1-15-33 福岡セントラルビル3F
事業内容 : 世の中がてもなくなる、webサービスの開発・販売

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