企業風土

調査で判明した行きたくなくなる会社の元凶

投稿日:2015年1月14日 / by

瓦版働き方白書【マインド編】

辞めたいと思う時

働き方と天職を考えるWEBマガジン『瓦版』は2015年1月14日、サイトを訪れたユーザーを対象に働き方に関するアンケート調査を行いました。仕事に対して消極的になっているビジネスパーソンを対象にした調査結果からは、行きたくなくなる会社の特長が浮かび上がってきました。

調査対象は、仕事に対してネガティブな傾向にあるビジネスパーソン340人(女性188人、男性152人)。質問は仕事への姿勢や思いなどについて、選択と自由回答を合わせたもので実施しました。

まず、どんな時に仕事を辞めたいと思うかについては、「仕事がうまくいかない時」が94人でトップ。2位の「朝起きた気なんとなく」(43人)を倍以上引き離す結果となりました。3位は「上司に怒られた時」(36人)、次いで「給料が安いと感じた」(33人)と続きました。2位と3位が、外的要因が原因と考えると、責任感の強さの裏返しとも取れる結果といえそうです。

自由回答の「その他」の理由では、「会社方針」、「サービス残業」「仕事がきつい」、「責任が重い」、「ストレスで眠れない」など、ブラック臭も漂う深刻なものが並びました。

辞めたい理由は断トツで人間関係

円グラフ

では、辞めたいと思う気持ちはどうすればなくなるのでしょうか。最も多かったのは「人間関係の解消」で168人。2位以下の3倍近い得票を集め、その影響の大きさが浮き彫りになりました。先の質問で、辞めたいと思う時に一番多かった理由が「仕事がうまくいかないとき」だったことを考えると、人間関係により、仕事がうまくいっていないという仮説も成り立ちます。

2位は「報酬アップ」(61人)、「残業がなくなる」(61人)が並びましたが、「人間関係の解消」と比べると、意外なほど重視はされていないようです。若者離職率やブラック企業が問題になっていますが、なによりも職場の人間関係が良好なら、不満や不安も大幅に軽減される裏返しといえるでしょう。

その他の理由では「楽しいと感じられれば」、「一人で適応できる仕事量になる」、「勤務時間を午後からにする」、「土日祝休み」など、労働環境改善関連を挙げるものが目立ちましたが、「社員への思いやり」といった回答もありました。また、「なくなるものはない」という悲痛な回答もありました。

辞める時の計画性は意外な結果が

その後の予定は

「辞めたい」と考えるビジネスパーソンは、辞めた後の予定を考えているものなのでしょうか。それについては「行き先を決めてから辞める」(174人)が最も多くなりました。先行き不透明な経済情勢だけに、安易に正社員の座を捨てるのはあまりにリスキーということは自覚しているようです。

それでも2位は、「全くのノープラン」で126人。1位の得票に肉薄しています。これは、たとえ次を決めていなくても、「とにかく辞めたい」。それほど、いまの会社に対し、嫌気がさしている表れといえるでしょう。「起業またはフリーランス」は、17人とわずかでした。その意味では、ネガティブな状態のビジネスパーソンは、退社にあたり、チャッカリ派と無鉄砲派に分かれる傾向があるといえそうです。

その他の回答では、「資格取得」、「歌手」など前向きなものが目立ちました。「結婚」という、昨今では珍しい寿退社もありました。

誰もが最初は、期待に胸を膨らませ、入社する企業の門をたたきます。しかし、人によっては、入ってみて「何かが違う」と違和感が出てきます。そのわずかなズレが、退社決意にまで発展する過程には、「人間関係」が大きく影響してくるようです。

会社はいうまでもなく、人によって構成されています。理念やビジョンという枠組みはありますが、そこに血肉を与えるのは人です。その、人との関係がぎくしゃくしてしまえば、居心地が悪くのは当然といえるでしょう。逆にいえば、業績を伸ばすには、なによりも人間関係を良好にする施策を取り入れることを重視するのが、効果的といえそうです。会社に対し、ネガティブな感情を抱くまでに至っている人たちの回答だけに、かえって企業に潜む問題点が浮き彫りになる結果となったのではないでしょうか。

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