【瓦版 働き方相談室】残業続きでクタクタです
Q:残業を少しでも減らしたいです
「毎日残業で、疲労困ぱいです。週末の休みは外出する気力もありません。なんとか残業を減らす方法はないでしょうか。…」
◇ポイント
・意思表示する
・残業=時間の無駄と認識する
・時間の常識にとらわれない
A:使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
労働基準法第32条では一様、残業についてこのように定められています。なぜ超えるのか。仕事が終わらないから? みんなが帰らないから?
▽やりたくないならやらない
・「残業はすべき」という人が少数派ながらいるものの、多くは仕方なく残業している。ということは、問題の元凶が業務量の多さである可能性は低そうである。従って、かなり時間の無駄が発生している可能性がある。重要なのはマネージャーの意識改革にあるかもしれない…。
▽上司の評価は気にしない
・残業をする理由の一つに「上司へのアピール」というのがある。こんなナンセンスなことはありえない。いうまでもないが重要なのは仕事のクオリティ。文化なのか、慣習なのか分からないが、こうしたムードを払しょくしない限り、企業は深刻な病にむしばまれることになる。もはやボトムアップもトップダウンも関係ないだろう。常識的な感覚を重視することが一番重要である。
▽やらせるなら見合った報酬を支払うのが筋
・昨今、ブラック企業がメディアでも叩かれるようになってきたが、労働者が問題視しているのは、単なる長時間労働ではない。それだけ働かせながら、賃金を払わないことを問題視している。極論をいえば、しっかりと賃金が支払われるなら、喜んで、とはいわずとも労働者は、黙って働く。賃金とは労働の対価である。これを無視しては、極悪企業といわれても仕方がない。
▽労働時間を短縮する
・アパレルECショップ・ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイは、6時間労働を採用している。始業から休憩なしで6時間働いて業務終了。多少のずれ込み等もあるようだが、8時間労働時と比べ、業務に支障をきたすこともなく、うまく回っているという。時間が決まっていれば、やればできるのである。時には業務量が多すぎて超過することだってあるだろうが、それは健全な残業である。
▽テクノロジーを活用する
・SNSを駆使して会議時間を’七割減させた企業がある。アジェンダなどを事前にSNSで共有し、土日に閲覧しておくことで、会議当日は、摺合せ程度で終わらせる。いたってシンプルな方法だが、無駄な手続きが多すぎるのが、日本の働き方の悪しき習慣でもある。こうした部分を排除することで、時間の無駄は大幅に省かれるハズである。
▽時間の概念をなくしてしまう
・サイボウズの新しい働き方「ウルトラワーク」では時間と場所に制限がない。いつどこで作業でしても構わない。最低限のルールとしては「生産性を下げない」、「連絡が取れるようにしておく」があるが、これで十分だろう。残業はもしかすると、8時間という決りがあるから発生している可能性がある。時間の概念がなければ、無制限に働くこともありうる。もちろんそんなことはしたくない。結局、評価は成果物に落ち着くことになる。極端にいえば、2時間の労働でもOKということがあっていいのかもしれない。
【まとめ】
残業で疲労する人は、何も考えずに長時間働いてる場合が多い。「つらい」、「やりたくない」とは感じていても「仕方ない」とどこかで受け入れてしまっている。これでは、“残業体質”は、いつまでたっても改善されない。そもそも残業は、どうしても業務が終わらない場合に緊急的にするものであり、常時残業ということは、組織が機能していない証しである。ましてやその賃金が支払われていないとなると、その企業自体が倒産危機にあると考えていい。さもなければ、幹部が利益を全て吸い取っているか…。適正な業務分配がなされ、適正な人員が配置されているなら、定時内で仕事が終わるのが普通である。終われないなら、残念だが、自身の能力が低いことを疑う必要があるだろう。それが会社の健全な姿である。そのイメージを常に頭に入れて業務に臨むことが、残業に対する問題意識を醸成し、いかに仕事を効率的に進めるかへ頭を使うようになる健全な働き方といえる。