企業風土

WEB業界で危惧すること(前編)

投稿日:2014年3月26日 / by
アイフォン

WEB業界の見積もり法を危惧する理由とは(平城氏撮影)

問題のある「見積もり方法」

私は今年で37歳になりましたが、21歳の時からホームページを作り始め、一貫してWeb関係の仕事をしてきました。@SOHOというサービスを運営している関係上、業界のコスト構造についても知り尽くしています。

ここで、業界について危惧していることがあります。それは、『見積方法』についてです。

もともとこの業界では、

・トップページ ●円
・サブページ ●円×ページ数

という形の算出方法が主流でしたが、顧客から見ると多くの場合、『コスト高』となってしまいます。

理由としては、
サブページについては、
一度作ったページのものを流用して、(つまりコピー&ペーストで)作成することができるからです。サブページについては、最初に作る1ページ以降は、その他のページでは圧倒的に労力が下がるのです。

もちろん、ページによっては凝ったページ、シンプルなページがあるので、厳密には労力は上下するのですが…。

この見積もり法は、日本でのネットバブル期の1999年から、リーマン・ショックの2008年までは通用したのです。ネットバブル期の手前の草創期、つまり1995年~1999年あたりまでは、1サイトで100万円~、という時代もあったのです。

でも、今は時代が違います。お金を払う側はなるべくコストを削減したい、しかもスピードは必要だ、という時勢なのです。

また、素人でもプロ並のページが制作できるツールも、沢山出回っているのです。

では何をすべきなのか

このような時代に、どうすれば良いのか。

私の考え方はこうです。プロのデザイナーがこういったツールを徹底的に使って、徹底的にコスト削減をすれば良いのです。この考え方にはいろいろと反論したい方もいらっしゃるでしょう。

1)ツールで作ったものはソースが汚い
2)ツールで作ったものはSEOが考慮されていない

という類のものですね。

このような発想を持つ人は、かなり固定概念にとらわれているので、注意が必要です。

まず、1)については、
現在、世の中に出回っているツールやテンプレート。これらも、プロのデザイナーが作っているという点。

つまり、これらのソースが『汚い』と考える場合。ご自身のスキルがそれらと比べて上でないといけません。私が普段使っているテンプレートサイト。ここは海外のサイトなので、世界中のプロのデザイナーが作ったテンプレートを手に入れることができます。

私の経験上、このテンプレートよりも優れた仕事をするデザイナーには、殆どお会いしたことがありません。

また、レスポンシブデザインなど、新しい技術や考え方はやはり海外の方が対応が早いですからね。それだけ世界のレベルが上がっているということです。

次に、2)については、
そもそもデザインのスキルとSEOのスキルは別のもの。これも私の経験上、デザインとSEOの両方において、最上級のレベルに到達している人に会ったことはありません。

つまり、悲しい現実ですが、SEOを熟知していると主張するデザイナーさんが作るページよりも、
ツールやテンプレートを活用した方が、SEO的に強いことが多いのです。

こういう話をすると、
現役デザイナーの方々には絶望的に聞こえるかもしれません。

また、『平城がこんなことを暴露したら、私達の仕事が無くなるではないか。』と思われるかもしれません。

〈後篇に続く〉
<毎週水曜日更新>

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海外ノマドマスター・平城寿【プロフィール】平城 寿 Hirajo Hisashi
1976年宮崎県生まれ。九州大学工学部卒(1999年)。もともとITエンジニアで、2004年にSOHO事業者向けビジネスマッチングサイト「@SOHO」を1人で立ち上げ、4年で日本国内No.1の会員規模にまで育て上げる。その後インターネットの可能性に魅了され、自らネットを活用した「場所や時間にとらわれないワークスタイル」を実践。2011年より海外に拠点を移し、アジアを中心に毎月5都市以上を訪問。『海外ノマドスタイル』を確立して、その魅力を発信している。

平城寿公式ブログ:http://hirajo.com/
平城寿Facebook:http://www.facebook.com/hisashi.hirajo
@SOHO:http://www.atsoho.com

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