企業風土

急成長する企業が引っ越しを繰り返す驚きの理由とは

投稿日:2015年7月2日 / by 瓦版編集部

なぜ「自転車」が成長を加速するのか

初のメディア向け事業戦略報告会で今後の方向性を明かす武田社長

初のメディア向け事業戦略報告会で今後の方向性を明かす武田社長

実名口コミグルメサイト「Retty」を運営するRetty(株)が2015年7月2日、都内で今後の事業戦略を発表。2011年6月のサイトリリースからわずか4年で月間ユーザー数が1000万人を突破したことを報告すると、2020年までのグローバル戦略を公開した。

怒涛の急成長を遂げる同社。その原動力は、なんと「自転車」だ。経営に関しては、「自転車操業」という言葉がある。日々いっぱいいっぱいで資金をやりくりするネガティブなワード。だが、同社にとって、「自転車」は、組織力をより強固にし、サービスの質を向上させる超ポジティブな存在だ。

面白いエピソードがある。同社は、規模の拡大とともにオフィスと次々と移転している。一般的には、より大きなオフィスを求めての引っ越しだ。だが、同社では、そうした側面もあるものの、本当の目的はそこにない。

「我々は、2010年に赤坂の地で創業して以降、6回引越しをしています。その理由は、オフィス周辺の飲食店を食べつくしてしまったからです。弊社では創業以来、ランチに自転車で周辺の店を食べまわり、サービスに反映しているのです」と同社武田和也代表は明かす。

実際、赤坂に始まり、六本木、銀座、恵比寿、高輪など、同社はオフィスを転々。いずれもグルメエリアとして有名だが、“Rettyランチ自転車隊”は見事に食い尽くしている。普通のグルメサイトにはない店も見つかると評判のサイトだけに、その足跡は、そのまま同社のサービスの質向上の実績といっていいだろう。

ランチ自転車”は、同社の企業理念を浸透させることにも貢献している。同社では通常、ランチは、食べたいものを優先して決定する。従って、メニューを軸に、数人のグループで出かけていくことなる。ゆえにメンバーは日替わりだ。このランチタイム、店舗開拓も兼ねているが、常に違うメンバーと回ることで、自ずとメンバー間の距離が近づき、きずなが深まる。特に中途採用が多い同社では、このスタイルによって、一気に社風に溶け込むというから、恐るべきランチ自転車効果といえる。

いよいよ踏み出す世界への道

世界進出という壮大な野望へ向けても基本、このスタイルは変わらない。海外の各エリアにコミュニティをつくり、それを起点に仲間を増やし、エリアの店舗を“食べ尽くす”。多くのグルメサイトが乱立する中で、同社は、あくまで効率よりも泥臭さと人間らしさを重視し、ユーザー目線で本当に必要な情報を発信。そうやって、輪を広げていく。IT企業でありながら、あえて人のつながりとリアルを重視する点が、同社の特長であり、最大の強みといえる。

怒涛の成長を示すグラフを公開した奥田CFO

怒涛の成長を示すグラフを公開した奥田CFO

この日発表した短期戦略は、「ロゴの刷新」、「蓄積したデータベースのオープン化」、「店舗向けの新商品開発」の3つ。これらは、これまで口コミ数とユーザー数の増加に注力してきた同社にとっては、攻めに転じる大きな一歩となる。これらをベースに中長期には、2020年までに「国内ナンバーワングルメサイト」、「訪日外国人満足度ナンバーワン」、「グローバルに20ヶ国へ展開」の3つを実現し、1億ユーザー獲得を目指す。

企業の成長には、優れたサービス内容はもちろんだが、優秀な人材、強固な組織力が絶対条件だ。だからこそ、各社は練りに練ったビジョンや魅力的な福利厚生の整備などに知恵を絞る。いよいよ攻めに打って出る同社もこれからさまざま“成長痛”に悩まされるかもしれない。だが、どんな立派な理念よりも、社員が昼間にペダルをこぎ続ける限り、少々のことでは同社の勢いが停滞することはなさそうだ。

実名口コミグルメサイト「Retty」:http://corp.retty.me/

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