企業風土

成果主義はなぜうまくいかないのか…

投稿日:2015年9月30日 / by 瓦版編集部

『新しい働き方の教科書』<Lesson10>

成果報酬が難しい理由

もはや賃上げだけがテーマでは無意味となりつつある春闘

年功序列が基本だった日本でも成果報酬に取り組む企業が増加した時期がある。だが、どの企業もうまく機能したとはいえなかった。理由は評価の基準があいまいになりがちなこと、チームの輪が乱れがちになったことなどがあげられる。

売り上げに応じて給与を支払うととする。Aさん1億,Bさん5億、Cさん7億。単純に考えれば、Cが最も報酬が多いとするのが妥当だ。だが、Aさんは新規開拓、Cさんが既存客ばかりだとすれば、単純に売上額だけで評価するのは、公平とはいえない。かといって、既存客へのアップセルはポイントが低いとなれば、Cさんのモチベーションが下がる。こうしたことがあちらこちらにあるため、とても公平さなど求められない。

成果が報酬となれば、同僚とて、“ライバル視”せざるを得ない。いい数字を挙げてもそのやり方を批判したり、グレーな行為をしていれば、すぐに上司に密告するだろう。その程度ならまだいいが、でっち上げの報告で足を引っ張ろうする輩が出現しても何ら不思議はない。これでは、仮に成果報酬がうまく機能したとしても会社の雰囲気がギスギスして働きにくくなってしまう…。

そんなこんなで、成果報酬がうまく仕組みとして機能し、それが売り上げに貢献するまでになるのは、かなり険しい道のりといわざる得ない。仮に、限りなく公平な評価システムができたとすれば、会社がモチベーションにあふれるかといえば、それも難しいだろう。なぜなら、それは完全なる実力社会になるからだ。必要悪とは言わないが、ある程度無駄と思われる業務もあって初めて、会社は回る。完全実力主義では、そもそも正社員として契約する必要もなくなってしまう…。

どうすれば理想的な賃金体系が構築できるのか

理想的なのはハイブリッド型だろう。だが、これも年功型希望者と成果型希望者のバランスをどうとるかは決して簡単ではない。突き詰めれば、売り上げという側面を排除して、組織がいかに機能するかに重点を置き、システムを考えれば、理想に近い解にたどり着けそうだ。とはいえ、それでは、企業が破たんするリスクは当然ある。そんなことを進んで行う企業はかなり希少といわざる得ない。

さらに突き詰めるなら、正社員契約をリセットし、最低賃金だけを保証して、あとは業務に応じた出来高払い、という仕組みもあるが、社内失業者が出るリスクがある。賃金問題に関しては、モチベーションがどうなるかはともかく、純粋に利益分配型+ボーナス出来高払い制が、一番不満は少ない気がするが、どうだろうか…。

◇ポイント 公平な賃金体系構築のボトルネックが「正社員」という皮肉

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