企業風土

学校のような職場をつくった理由

投稿日:2014年7月17日 / by

repica1学校のような職場にする狙い

株式会社レピカ

岩井陽介社長

理念が会社の「ハート」だとすれば、オフィスは会社の「骨格」といえる。骨格がしっかりしていれば、そこには見合った魂が宿る。素晴らしい魂があれば、骨格は最大限に機能する。会社の理念とオフィスが合致した㈱レピカ。そこでは、社員が伸び伸び働き、能力を存分に発揮している。オフィスに込めた思いを同社岩井社長に聞いた。


キッチン設置にこだわったワケ

一角にあるキッチンスペースは小さいながらも立派な社食だ

一角にあるキッチンスペースは小さいながらも立派な社食だ

2フロアを構えるオフィス1階は、「レピカラウンジ」と呼ばれる自由に利用できる空間。吹き抜けがあり、自然光が差し込み、ほどよく観葉植物が配置された開放的なスペースは、まさにラウンジと呼ぶにふさわしい。目につくのは、一角にあるキッチンだ。給湯室的なものでなく、ランチ時には専任の調理士が調理した温かい定食スタイルの料理を社員にふるまう。規模は小さいが、立派な社食だ。

「前のオフィスの時から、社員の健康を考えて食事を提供していましたが、オフィス移転を機にしっかりとしたスペースとして設置しました。ただし、ランチは20食限定。社員は80人ほどいますので、予約が必要になります。社食は、お母さんのような調理士の方と社員との憩いの場にもなっているようですし、これからも改良を加えながら続けていきたいですね」と岩井社長。

オフィス環境がもたらす可能性

岩井社長

岩井社長

調理師付きのキッチン、ゆったりと配置されたテーブルやいす、ソファ…執務フロアとは明らかに線引きされた同スペースは、まさにオフィスの交流の場としてマルチに活用されている。商談や打ち合わせはもちろん、居心地のよさから、ノートPCを持ち込み、業務を行う社員もいる。ランチ時には、社員の胃袋を満たし、健康をサポート。夜になれば、研修やイベントスペースとして活用される…。

「ここへ引っ越す前は、グループ3社が別々だったのですが、移転を機に一か所に集約しました。3社はもともと仲が良かったのですが、出来る限り交流がしやすいよう、いろいろと考え、このカタチになりました。移転からまだそれほど時間は経っていませんが、横のつながりが強化され、成果も見え始めていますね」と岩井社長は目を細める。

企業文化として、〈遊べるヤツ=成功を掴めるヤツ〉、という考えが浸透する同社。それはつまり、思い切り働いて、思い切り遊ぶことが、いいサービスの開発につながるということを指す。中途半端にフロアの一角を交流スペースとするのでなく、あえて1階を全面的に交流スペースとする大胆さは、社長の思想がそのまま形に落とし込まれているといえ、「レピカラウンジ」の存在そのものが社員へのこれ以上にないメッセージといえるだろう。

この階上にあるのが執務フロア。仕事場なので、椅子や机がしっかりと配置された、いわゆるオフィスの風景と大差はない。それでも仕切りがほとんどなく、天井も高く、開放的なせいか、海外のオフィスのようなスタイリッシュで洗練された印象を受ける。3社同居といっても、それぞれを仕切る敷居もなく、3社というくくりは、対外的にはあったとしても、この空間では、それは感じられない。執務フロアには、オープンな社風がそのまま反映されているということなのだろう。

学校のような職場を目指す真意

レピカ

入り口から広がる1Fのレピカラウンジはカフェ風で内外の人が交流する

圧迫感のない開放的な執務フロア

2Fの執務室は圧迫感もなく開放的

「シリコンバレーでは、会社をオフィスと呼ばずキャンパスと呼びます。このオフィスも学校のようにしたいと思っています。仕事に没頭する場ではなくて、互いに刺激し合いながら高め合っていくような空間でしょうか。また、人が集まる家は栄えるといわれていますが、ここを内だけでなく外に対しても魅力ある場所にしたいですね」と岩井社長。既に新製品のメディア発表など、広報PR活動のツールとしても利用しているレピカラウンジを、今後はさらに多彩な用途で活用し、情報や人を積極的に呼び込んでいくという。

キャンパスという言葉になぞらえれば、名門校はほぼ例外なく設備が充実している。そこにはすぐれた教諭が揃い、校風がすばらしく、視察要望が殺到し、優秀な学生が集まる。そう考えれば、経営理念はもちろん、社員の食事、オフィス環境の充実などにこだわるのは、いい会社をつくる上で、非常に的を射た施策といえる。

“オフィスが立派でも金は生まない”。そうした考えでは、もはや“金を生み出せない”といえるだろう。社員は少なくとも1日の3分の1以上をオフィスで費やす。より良い職場環境が生産性や創造性を高めるのは自明である。

高齢社会に突入し、労働力が多様化。定年もズルズルと延長され、労働期間も長期化している。様々な人が、人生における長い時間を費やすオフィスの在り方にこれまで以上に注目が集まっている。快適な家がストレスを軽減し、大きなリラクゼーションをもたらすように、快適なオフィスが、生産性を上げ、付加価値のある製品づくりに貢献する。同社の取り組みからも、新しい時代の働き方におけるオフィスの存在がこれまで以上に重要な意味を持ち始めていることがヒシヒシと伝わってくる。


レピカ

2階から吹き抜けを見下ろす

【会社概要】
設立: 2006年8月
資本金: 280,150,000円(6月末時点)
事業内容 :ポイント、プリペイド等のカード機能を中心とした販促機能のASP事業、およびそれに関わるSI、アプリケーション開発、高速メール配信および個人情報管理のソリューション提供・運営
代表者: 岩井 陽介
[レピカグループ]
アララ株式会社
代表取締役:岩井 陽介
事業内容:QRARを活用したスマートフォン向けARアプリ開発・企画・制作・プロデュース、スマートフォン関連事業(「GuGuLog」、「アプリソムリエ」運営ほか)
株式会社VARCHAR
代表取締役:田子 智志
事業内容:ITシステム開発(オープン系アプリケーション開発)、クラウドサービス提供、システムコンサルティング
HP:http://www.repica.jp/

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