企業風土

ブラック企業なのに転職しない理由トップ3

投稿日:2014年12月3日 / by

ブラック企業はまさに不幸の根源…。連合(日本労働組合総連合会)( http://www.jtuc-rengo.or.jp )(所在地:東京都千代田区、会長:古賀 伸明)は、「ブラック企業に関する調査」を、モバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ=有効サンプル数は、20歳~59歳の被雇用者3,000名・男女半々)により、2014年11月1日~11月6日の7日間において実施。その結果を公開した。

まず、 『勤務先はブラック企業だと思う!』については、4人に1人がイエスと回答。20代ではなんと、3人に1人がそう思うと答えた。こうなるともはや、一部の問題というより、社会問題といっていい割合。一方的に企業が悪いとは言い切れないが、ブラック的な企業が蔓延していることは確かといえそうだ。

では、どんな企業をブラック企業と思うのか。トップ3は、「長時間労働が当たり前」(52.2%)、「仕事に見合わない低賃金」(46.3%)、「有給休暇が取得できない」(37.4%)となっている。この辺りは、先行き不透明な経済情勢とも関係し、企業側が、なんとか減益の穴埋めとして従業へマイナス分を押し付けいてる印象が強くにじむ結果といえる。

調査では、ブラック企業を助長する要因についても聞いている。その結果は、「雇う側がみなし労働時間制や裁量労働制、年俸制などの制度を悪用していること」(52.0%)が半数以上となり、「働く側の同調圧力(定時で帰れない・有給を取れない雰囲気、企業風土など)」(38.7%)、「雇う側が求人広告で嘘をつくこと」(34.7%)、「ワークルールが弱い(雇う側に有利に出来ている)、または未整備であること」(31.3%)が3割台で続く。雇う側はもちろん、働く側にも要因があることがうかがえ、根の深さを浮き彫りにする結果といえる。

なんともわびしいのは、こうした状況を誰にも相談したことがない従業員が45%にも及ぶ点だ。あきらめているのか、言う気力を削がれるほど、疲労してしまっているのか…。その上で、ブラック企業対策として、国に望む取り組みとして、「社名公表」、「労基違反の取り締まり強化」、「相談窓口設置」を挙げている。

連合調査:ブラック企業

ブラック企業なのになぜ辞めないのか〈連合調べ〉

こうした状況からか、転職したいと思っているか、また転職活動をしているかについては、『転職意向あり』が53.0%(「転職したいと思っており、転職活動を行なっている」9.0%、「転職したいと思っているが、転職活動は行なっていない」44.0%の合計)と半数以上。一方、「転職したいと思っていない」は47.0%となっている。世代別では、転職意向がある人の割合はやはり若い世代のほうが高く、20代64.0%、30代56.9%、40代49.0%、50代42.2%だった。また、雇用形態別にみると、正規労働者では49.1%、非正規労働者では58.5%が転職意向を示す結果となった。

ちなみに、勤務先がブラック企業だと感じつつも、なぜ転職活動を行なわないのか。その理由については、「再チャレンジが難しい(転職先が見つからない不安)から」51.5%が最も多く、「転職活動する時間がないから」38.7%、「どこも似たような環境だと思う(転職しても好転しない不安)から」37.0%、「今の職場を辞めたら生活が成り立たないから」35.1%、「考える心の余裕がないから」23.9%と続いた。

お先真っ暗ともいえる状況だが、この状況がどうなるかについても聞いている。それによると『悪化していくと思う(計)』が59.3%(「どちらかといえば悪化していくと思う」45.2%、「悪化していくと思う」14.1%の合計)となり、“悪化”を予想する人が良くなると予想する人多いことが明らかとなった。世代別では、やはり悪化を予想しているのは若い世代のほうが高い割合となり、『悪化していくと思う(計)』は20代では67.8%、30代62.3%、40代55.9%、50代51.1%だった。

まさに百害あって一利なしといえるブラック企業。あえて救いになりそうなことを言うなら、ブラック企業といわれる企業で働いているにもかかわらず、イキイキとしているビジネスパーソンも確かに存在することだ。要は、気の持ちよう。ブラックな部分にばかり目を向けず、自分のスキルをいかに磨くかに注力するようにすれば、モチベーションが下がることもないだろう。悲観するのはそれからでも遅くはない。

 

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