働き方

人材市場に到来したパラダイムシフト

人材流動化時代に取り残されないための知っておくべき新常識 その一

優秀な人材が採りづらくなった背景

「予想以上に厳しい…」。ある中堅企業の採用担当は、求人広告への反応の悪さをぼやく。人材不足がいわれて久しいが、いざ、欲しい人材を採りにいくと如実に感じられる人材の枯渇感。急に脂汗が滴りはじめるが、有効な手立てがあるワケではない。「なんとかなる」。そう思いながら、担当者は、主にWEBを通じてやってくる求職者を待ち続ける…。

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つい妥協してしまう。人材不足が行き着くと経営危機を招くことは、理屈では分かっている。しかし、多くの経営者や採用担当者は、「いまはなんとか回っている」、「いずれいい人が来るだろう」と、楽観視してしまう。なぜなら、そのことがすぐに経営に影響を及ぼすことはないからだ。まるで、ささいな不摂生を、すぐには健康を害さないのをいいことに、ズルズル続けてしまうのと同じ構図だ。

だが、もはや「なんとかなる」状況ではない--。それが現実だ。その理由は、なんとかなる時代の人材市場が、パラダイムシフトによりガラリと変わってしまったからだ。かつては、転職サイトに出稿し、そこからくる人を選考して採用すればよかった。いわゆる釣堀型で、魚が放流されたため池に竿を垂らしていれば、獲物は釣れた。ところが、人口減少を引き金とする人材不足によって、状況は一変した。ため池に、そもそも釣りたい魚が集まりづらくなった。かつてのノウハウは、ほとんど無力となってしまったのだ。

パラダイムシフトで激変した人材市場

では、どうすれば、欲しい人材を採用できるのか…。待っていても来ないのだから、いるところに採りに行く。まさに天然魚が元気よく泳ぎ回る海洋へ漁に出かけていくような採用活動がベストになった。ということは、冒頭のように、釣堀でのんきに釣竿を垂らしているようでは、いつまでたっても欲しい人材を釣り上げることなどできない。一方、クルーザーを繰り出し、海洋へ飛び出した担当者は、どんどん欲しい人材を直接釣り上げていく。これが、パラダイムシフトによって激変した人材市場の現状だ。
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まさに「一変」という言葉がピタリとはまる大転換--。人が採れないとぼやいている採用担当にとって、すぐには、この状況を受け入れることはできないかもしれない。企業の担当者がそうであるように、求職者の意識もまだ、そこまでは変わっていないだろう…。たとえそうだとしても、すでに潮流は、直接採用へと大きく傾き始めている。それが、ダイレクト・リクルーティングと呼ばれる採用手法だ。文字通り、直接人材にアプローチし、採用する手法。アメリカでは主流だが、日本ではまだなじみのない能動的な採用スタイルだ。

この採用手法を日本でけん引するのが、株式会社ビズリーチだ。ダイレクト・リクルーティングとは、企業が主体的・能動的に採用活動を行うことによって、優秀な人材をより安く、より早く採用できる採用手法。人材紹介会社や求人広告の利用などに加え、企業の採用担当者が、転職予備軍の優秀人材が登録されたデータベースや、Linkedln、Facebookなどが提供しているSNSなどを活用し、求職者に直接アプローチして口説き落とすこともある。担当者が、欲しい人材に直接声をかけることで、釣堀型では見つからなかった人材にも出会えることが大きなメリットだ。

データベースに登録している人材のなかには、必ずしも転職を考えていない場合もあるが、そこは担当者としての腕の見せどころともいえる。昨今、このダイレクトリクルーティングが、新たな採用手法として注目されつつあり、人材市場は、まさに優秀な人材を奪い合う、「人材獲得競争」の様相を呈している--。

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