働き方

人工知能&グローバル時代に武装すべき10のワークスキル(後編)

投稿日:2016年1月14日 / by 瓦版編集部

これからの時代に必要となる資質

ソーシャル・デザイン 代表理事 長沼博之氏

前回紹介した5つに続く、最後の5つのワークスキルは、<新しいものへの順応>、という言葉に集約されるといっていいだろう。新たな社会が到来するということは、さまざまな新しいものやサービスとの出会いがあるということ。そうしたものに対し、前向きであり、寛容でなけば、時代に取り残されるだけだ。インタビュー最終回は、次世代のビジネスパーソンに求められる資質ともいえるワークスキルについて、解説いただく。

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 寛容で柔軟に物事を受け入れるために必要な5大スキル

6 異文化共感力

「国や民族、地域の違いを理解、共感しながら良いところは自分達のカルチャーにも取り入れていく力」(長沼氏)。グローバル時代においては、異文化交流が日常となる。その際、自国文化を軸に物事に対処していては、交流が生まれるどころか破壊しかねない。これまでは、無関心・無関係を装い、それで乗り切れていたとしても、今後は、グローバル人材がプロジェクトのキーマンとなる機会が増大する。言葉が分からないは問題外で、よいところを素直に認め、吸収する姿勢が重要となる。

7 調和的積極関与能力

「どんな人とも良好な関係性を築こうと粘り強く対話し続ける力」(長沼氏)。組織内や外部人材とのコンタクトにおいて、どうしても相容れない価値観の人間と遭遇することは避けられない。これまでなら、そうした人材との接触は避け、プロジェクトの円滑な進捗を優先することもあったかもしれない。だが、新しい社会では、そうした場面でもできる限り理解し合うべく、向き合い、融和するための粘り強さが求められる。そのエネルギーが新たな価値を生み出すことにつながるからだ。

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8 ニューメディアリテラシー

「多種多様なソーシャルメディア等、毎年登場しては発展していくツールを利用していく力」(長沼氏)。これは7におけるツール版ともいえる。つまり、自分には必要がないと思われるツールでも、まずは使ってみる姿勢が求められるということだ。なぜそんなツールが生まれ、どんな利便性をもたらしているかを知るには、自身がユーザーとなることがベストだからだ。

9 テクノロジー&デザインリテラシー

「自身でプログラミングしたり、一流のデザインができる必要はないが、その基礎やエッセンスを学んだり、トレンドを知ることで、新たなプロダクトを発案したり、よいデザインを見分けるセンスを身につける」(長沼氏)。多様な人材や業種の人間とプロジェクトに関わることが増大する新しい社会においては、ディレクションにもより高度な視点が求められる。単に指示を出すだけでなく、専門家の視点をもって青写真を描き、担当者を動かすレベルがスタンダードとなる。より精密であることが、新たな価値を生み出す条件となってくる。

10 バーチャルコラボレーション能力

「オンライン上でうまくコミュニケーション、コラボレーションしていける力。クラウドソーシングをうまく活用する力も含まれる」(長沼氏)。新しいビジネス社会では、クラウドソーシングに代表される遠隔でのやり取りが標準となる。そうした中で、対面でないコミュニケーションをスムースに行う能力は、必須となる。テキストの構築能力であり、ある種のプレゼン力といっていいかもしれない。目の前にいなければ対応できない、では完全に時代に取り残されてしまう。

変化に順応し、ヒトのチカラを発揮デキる領域を研ぎ澄ます

以上が長沼氏が提示するAI&グローバル時代にビジネスパーソンが磨くべき10のワークスキルだ。ポイントは、人工知能が十分にカバーできない領域であり、グローバル人材と調和する能力が重要になるということだ。それは、これまで価値があったものが失われると同時に新たに必要となるスキルでもある。裏を返せば、現状に胡坐をかいていれば、新しいビジネス社会の渦にのみ込まれてしまいかねないということだ。

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9年後の2025年の日本。そこは、人口減少による労働力不足やグローバル化による外国人材の流入が顕著になっているだろう。一方で、価値の基準が利益の最大化から影響力及び貢献価値の最大化へとシフトしている。まさにこれまでの価値感が一変し、ビジネスシーンは激変する。そこへ大きく入り込んでくる人工知能。働く上で、人間が出来ること、やるべきことがより鮮明になるだけに、変わりゆく価値観に敏感になりつつ、自分を見失わず、その上でマインドやスタンスを切り替える準備をしっかりとしておく必要がある。

→インタビュー一回目
「知らなきゃヤバい。10年後に様変わりするビジネスモデルの知っておくべきアウトライン」
→インタビュー二回目
「人工知能&グローバル時代に武装すべき10のワークスキル(前編)」


【プロフィール】長沼博之

一般社団法人ソーシャル・デザイン代表理事。イノベーションリサーチャー/経営コンサルタント。Social Design Newsファウンダー。近未来の社会やビジネスモデル、働き方、メイカーズ革命やクラウドソーシング等についてテレビや雑誌からの取材多数(http://social-design-net.com/works)著書に「ワーク・デザイン これからの〈働き方の設計図〉」「ビジネスモデル2025」がある。


bm202501<ビジネスモデル2025>

仕事とワークスタイルの未来を体系的に提唱した「ワーク・デザインこれからの<働き方の設計図>」。同書が示した働き方は、どんな社会の中でより機能していくのか。未来のビジネスモデルに焦点をあてた本作は、未来のビジネスシーンを鮮明にすることで、新しい働き方をどう活かし、どんな心構えでいればよいかを明快にする。価値観の転換は、いつの時代も受け入れがたいものだが、同書ではごく自然に受け入れられるよう豊富な事例と哲学的視点で未来のビジネスシーンを解き明かしている。

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