グローバルな価格設定はもはや必須
ズレないために必要なグローバル脳
知人にWordPressでのWebサイトの構築案件を振ってみたら、なんと50万円という見積もりが返ってきました。。プラグインを駆使すれば何とかなりそうな案件なので、私はこの見積もりを見て、『ズレているな』と思い、それを指摘させて頂きました。
なぜズレているかと感じたというと、大元の依頼主の会社は中国に拠点を持っていて、Webのできる中国人スタッフもいるのです(会社のオーナーは日本人です)。彼らの人件費は、1ヶ月4万円以下。つまり、50万円という金額は、彼らの1ヶ月の人件費の約12倍です。
この会社に50万円という見積もりを提示しても、絶対に通らないでしょう。せいぜい、10万円というところでしょうか。
WordPressをインストールして、プラグインを駆使して構築すれば、実質10万円以内で抑えることも可能だと思います。
もちろん、きめ細かいコンサルティングを含めた、50万円のフルサービスというのはアリでしょう。でも、大元の依頼主はそれを求めていませんし、
そういった『空気感』を読む必要があります。そして私達が考えないといけないのは、既に海外スタッフを活用してビジネスを構築している、日本人オーナーの企業が水面下で増えている、ということなのです。
Webの分野でも今までは全て日本人が日本人に対して、サービスを提供していたので、高単価で仕事が受発注されていました。
押し寄せるグローバルの波
でも、これからはそうは行かないのです。ハードウェアも、工場がどんどん新興国へと移転しています。
インド人エンジニアの人件費は、なんと日本人の20分の1以下です。品質は日本人の半分以下であったとしても、ここまで圧倒的な人件費の価格差があれば、例えば日本人2人のチームに対して、日本人1人+インド人20人というチームが構成できてしまうのです。
・日本人2人の開発チーム
・日本人1人+インド人20人の開発チーム
↑これ、どちらが強いと思います?
日本向けサービスはともかく、海外向けのサービスを展開したいと思った場合、後者のチームの方が圧倒的に有利だと思います。『英語が苦手』『海外が苦手』と言ってはいられない状態になってきているのです。<毎週水曜日更新>
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【プロフィール】平城 寿 Hirajo Hisashi
1976年宮崎県生まれ。九州大学工学部卒(1999年)。もともとITエンジニアで、2004年にSOHO事業者向けビジネスマッチングサイト「@SOHO」を1人で立ち上げ、4年で日本国内No.1の会員規模にまで育て上げる。その後インターネットの可能性に魅了され、自らネットを活用した「場所や時間にとらわれないワークスタイル」を実践。2011年より海外に拠点を移し、アジアを中心に毎月5都市以上を訪問。『海外ノマドスタイル』を確立して、その魅力を発信している。
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