働き方

アフター5

【アフター5】

意味としては「仕事終わり」を示す言葉。字面としては、5時以降ということになるが、これは官庁の午後5時終業に倣ったため。現在は、定時としてはもちろん、午後5時終業という会社はかなりの少数派だ。「アフター5は豪華ディナーで彼女とデート」なんてことは、いまは昔というのが現実だろう。
after5

それにしてもなぜ、アフター5は事実上、消滅したのか。最大の理由は、産業構造の変化だ。江戸時代は、朝飯前の言葉で知られるように早朝からひと仕事し、日がくれれば仕事が終わるのが普通だった。街灯も十分でないし、なにより、それで十分に事足りたからだ。

だが、近代化が進む中で、高度経済成長期には、業務量も膨張。つくれば売れる勢いに乗り、業務時間もどんどん後ろ倒し。残業が当たり前になり、次第に午後5時終業は、形骸化していった。さらにコンビニに象徴されるように24時間営業が当たり前になり、日常における午後5時の意味自体も変質した。

多くの労働者が午後5時に終業すれば、夜の産業もそこを起点に本格始動する。繁華街のサービス業と企業の就業時間は強く連動しているため、終業時間が変われば、飲食店の営業時間も変動する。変えない場合でも「午後6時までに来店で一杯目200円」といった企業努力は惜しまない。

アフター5のこれから…

このように終業時間は、消費にも大きな影響を与える。アベノミクスでは、「時間より成果」と業務効率化と併せ、仕事を早く終えて、“アフター5”は消費をしましょう、といったアピールがされている。官庁では夏限定でゆう活が実施され、日が暮れる前の早めの終業となっている。これは、効率的に稼いで家庭やプライベートを充実させようということだ。そこには、「アフター5」の充実が経済活性化にも寄与する、という目論見がある。

ところが、民間企業では、アフター5など夢のまた夢。アフター7、8が主流だ。しかも給与は長らく停滞している。仕事の後に向うのは、自然と日高屋や吉野家でのちょい呑みとなる。旺盛な消費というよりは、侘しい仕事終わりのひと時というのが現実だ。仕事終わりという意味としての「アフター5」という言葉は一部でまだ活きている。だが、そこには、それが全盛だった時代の「華やかで楽しすぎるひと時への合言葉」といったニュアンスは皆無だ。

ただし、今後、「アフター5」が復活する可能性はある。一億総活躍時代が浸透した20XX年。ママワーカーや70歳を超えたシニアが現役労働者として活躍し、体力や送り迎えなどを考慮して午後5時を定時とする事例の増大が予想されるからだ。想像の通り、その時には「アフター5」は、「ご帰宅」というシンプルで味気ないモノに変質しているだろうが…。

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