働き方

「怒り」が生み出す負の連鎖を解消するために

怒りにのまれないためのアンガーマネジメント 第三回

col-jyu

怒りは強い立場から弱い立場へ連鎖する

例えば、部長から理不尽な注意を受けてイライラしていた係長が、たまたま通りかかった平社員の小さなミスに、ついついその場の感情に任せて必要以上の叱責をしてしまったとしよう。叱責を受けた平社員はなぜ自分がこれ程までの叱責を受けねばならなかったのかと理不尽さを感じ、不満を抱えたまま帰路に就く。イライラしている彼は妻の用意した夕食に必要の無い不満を漏らし、妻はせっかく用意した夕食を貶され怒りを覚える。イライラしている妻はいつも以上に子供の躾に厳しくなり、理不尽にしかられ不満な子供は学校で先生に反抗的な態度で接する・・・・。
この例で分かるように、怒りというのは人から人へ伝染する。しかも、強い立場から弱い立場に向かうことがほとんどだ。怒りを感じたとき、それを誰かにぶちまける前に、自分の中で怒りを消化することがこの連鎖を止めるためには必要である。

「怒り」という感情を受け入れる

まず、「怒り」という感情が悪いものだという概念は捨てよう。「怒り」とはすなわち基本的な感情、動物に備わっている危険信号なのだから、ごく自然なあたりまえの現象なのである。
怒ってはいけないと思うとなおさらイライラしてくるものだ。むやみやたらに押さえつけるのではなく、「怒ってもいいんだ」と思うことで気持ちに少し余裕が生まれる。
押さえつけることに意識を向けるのではなく、解放することに意識を向けるのが大切だ。怒りという感情をポジティブに捉え、自分なりのストレス発散方法や、怒りを感じたときの咄嗟の対処法などをあらかじめ決めておくとよいだろう。そのための手助けをアンガーマネジメントはしてくれる。
また、客観的になることで怒りを軽減することができる。イライラしていると感じたら、「あ、今自分は怒っているな」と認識し、「なぜ怒っているのか?」と分析しているうちに、少し頭が冷えて冷静になってくるだろう。自分の怒りを分析するアンガーマネジメントのテクニックとして、「アンガーログ」という手法がある。具体的な方法は第四回で掲載するので、ご参考にして欲しい。
今一度自分に合った上手な「怒り」との付き合い方を考えてみよう。

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