働き方

インターンシップ

インターンシップとは

大学生が春休みや夏休みなどの長期休みを利用して短期的に、または一年以上を通して長期的に就業体験をすることを指す。

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もともとアメリカで始まった就職・転職のミスマッチをなくすための制度で、世界各国から注目されており、最近は日本でも多く取り入れられている制度である。

アメリカと日本との違いは報酬問題である。日本の企業はインターンシップ生に報酬を払うことが多いのに対し、アメリカの企業のほぼ9割が報酬を出していないのだという。

インターンシップをすることは就職前に会社に入って仕事をすることで、会社にとってもインターンシップ生にとってもメリットが生まれることが多い。

一足先に社会人の経験を積むことができる

いざ働き出してみると、インターンシップだからといっても上手くいかないことや、仕事での悩みが出てこないとは限らない。そんな時、当初の目的を思い出すのだ。実際に現場にたって業務を行うわけだから無責任に仕事をするわけにはいかないが、「インターンをすること」「仕事をすること」に捕らわれすぎてしまうと、せっかく貴重な経験できているにもかかわらず、「辞めたい」「やりたくない」と考えてしまうことがあるかもしれない。それでは正直もったいない。たくさんの経験をしつつ、今自分がしていることは今後どの様につながり活かしていくことができるのかを重視していくべきだ。

インターンシップをする理由や目的は人それぞれである。社会人を経験してみたい、希望の業界の雰囲気を覗いてみたい、苦労を糧に成長する方法を身につけたいなどさまざまな想いがあることだろう。それを成し遂げるには、「インターンシップでの経験を今後どの様に活かしていくべきか」を考えて取り組んでいくのが良いだろう。

アルバイトとの違いはその目的にある

アルバイトでする「仕事」というのは大抵、ある一定の動作を覚えればこなすことができるものである。アルバイトの主な目的は「報酬を得る」ことである。またアルバイトは「労働力がたりない」という理由で企業が募集し、報酬を得るために応募をするといった形態となっている。

その一方、同じ「働く」でもインターンは報酬を得ることに目的を置かない。学生に就業体験の機会を与え、ビジネスの現場や働くことの理解をし、学業生活や今後のキャリアプランを練っていく上で役立ててほしいという目的があるのだ。だから専門知識や能力を活かし、成果を上げられる場合以外無報酬の企業が多い。

しかし、なかなか経験できない社会の働きを体験させてもらうことができるということに気がつき、向上心をもって取り組むインターン生は、例え報酬がなかったとしても、自分の成長や経験を増やす事に時間を費やすのだ。

インターンシップをする際は全ての経験を自らの糧となるように意識して取り組むことが大切だといえよう。ただの労働力として認識されるアルバイトとは違い、インターンシップはいずれ自社の一員として共に仕事をしていく人材として捉えていることが多いので、インターン生に対し研修内容が仕事のやり方、業務内容なども理解できるよう行う。多様な業務内容を浅く広く時には深く経験することができる場である。

また、実践をこなしていくインターンシップはアルバイトで働くよりも責任が大きくなるため、学生自信の仕事に対する誠実さや充実感が芽生えることが多い。「挑戦してみたい」という姿勢を持って臨むことで正社員もアドバイスをくれたり指導をしてくれたりする。将来を意識し、「仕事について知りたいと考えている」、また「経験してみたいという意欲をもっている」こういった学生の期待に応えることができるという点がアルバイトとの大きな違いといえる。

インターンシップは学生にも企業にもメリットがある

インターンシップでは通常の学生生活では経験することができないこと、知ることができない世界を体験することができる。自分自身の適性を知ることができたり、社会人になるまでに必要なことを知れたり、自分はどういった仕事をしていきたいのかを考えるきっかけにもなったりする。自分が行きたいと思っていた業界でインターンをすることができたなら、理想と現実のギャップに気がつくことができるかもしれないし、いままで興味がなかったことを仕事にしたいと思える出来事に出会うかもしれない。

どの様な仕事をするかでも得られるものは違うが、触れた事のない世界に飛び込むことで、見えてくるもの、感じることはきっとあるだろう。また専門知識についての実務能力を高めることにより、学習意欲を刺激されたり、就職活動の方向性と方法についての基本的な理解を得ることができたり、就職した後の適応力を高めることもできるかもしれない。これは学生にとってかなりのメリットになる。

インターンシップをすることのメリットは学生のみならず、企業にとっても大きなメリットとなる。例えば学生との接点ができることで、企業の情報や大学の情報の交換ができたり、学生に対して働くための意識や、実際の業務の技術、社会や職場に対する理解を早い段階から伝えることができたりするという多くのメリットが生まれるのだ。

しかし、インターンシップをすることが全てメリットに繋がるとは限らない。

学生側からの視点での問題点はインターンシップの意味をよく理解していない企業や初めから悪用目的でインターン生を募集している企業に都合の良いように使われてしまうことがあるという事だ。例えインターンシップ制度の趣旨にそぐわないアルバイトと同じ作業をやらされたとしても企業側から「インターンシップだから」といわれてしまえば、無報酬でも成立してしまう。

そこでインターンシップを行うときはその企業がどんな会社なのか、評判はどうなのかをしっかりと調べて申し込むことをお勧めする。一番良いのは、先輩や友人からの紹介で行うことだ。アドバイスをもらうこともできるし、どんな作業をするかをあらかじめ把握できるので都合よく利用されてしまうことはないだろう。

企業側からの視点での問題点は労働時間をインターン生に割かなければいけないということである。通常業務を行いつつ、インターン生の指導を行うというのはしなくても良い作業がひとつ増える分、労力を奪われる。しかも、そのインターン生が今後自社に入社するというならまだしもそうではない。

なんのために労働時間を割いてまで教える価値があるのだろうか。また、インターンシップ生が怪我をしてしまったとき、保険問題などが関わってくる為面倒だ。今の時代は常識を持たないモンスターペアレントが存在するため、親が介入し、裁判ごとになるなんてこともないとは限らない。

または企業が採用したインターン生が機器を壊してしまったり、機密情報の漏洩をしてしまったりすると大きな損傷をうけるといったリスクがある。このようなことが起きてしまわないよう、事前に誓約書を書いたり、保険の加入を勧めたり、インターン生との相互理解をあらかじめ深めておく必要がある。

多岐にわたるインターンシップの種類

インターンシップといってもその種類は豊富で、短期、長期、職場体験型、課題解決型、実務実践直結型など様々である。さらに職種も豊富なので「どれをやればばいいんだろう」と迷ってしまうひともいるのではないだろうか。そんなときはそれぞれの特徴から自分に合ったインターンを選ぶと良い。

短期インターンは主にグループワークやディスカッションなどを他のインターンシップ生と行うことが多い。なので多くのインターンをやりたい人や時間があまりない人に向いている。

ただし、「短期インターン」としての特別プログラムで用意されていることがほとんどなので、仕事の本質を知ることや実際の作業形態を体験することは難しいかもしれない。

一方、長期インターンは、日数は週2~4回程度だが、出勤しているときは正社員と同じように働くため、仕事の本質を知ることができ、それらを通じて得るものは多くなる。長期的に作業をすることで短期間ではできない仕事をすることができ、初めはできなかったことができるようになる成長と達成感を味わうこともできる。実際の業務を正社員に混ぜてもらいながら行うため、責任をともなってくるが、やる気があるならば長期をお勧めする。

人間にはそれぞれ適性というものがあり、仕事は特にそれが重視しているひとが多い。

しかしインターンシップは就職をするわけではない。

たとえ自分が思い描いていた職業のインターンができなかったとしても、自分が合っていないと思っているものに取り組むことも重要だ。社会に出れば嫌でも苦手でもやらなければならないことが必ずある。それにやってみれば意外と自分に合っていたりすることもある。思い込みで自分の可能性を狭めてしまうことほど勿体ことはない。視野を広げ、様々なものにチャレンジして可能性を広げてみてはどうだろう。

インタ-ンシップをするという事は必ずしも就職できるというわけではない。
もちろん就職活動には有利になることはあるかもしれないが、「採用前提のインターンシップ」というのがあったとしてもそれも「絶対」ではない。
中には多くのインターンシップをしたいと考えている人もいるかも知れないが、少ない日数で仕事の内容を理解するのは不可能だといえる。だったら、OGやOBを訪問し、生の声を聴く方がずっと効率的だといえる。
なので、学生はインターンシップで、仕事の技術の習得を重視するより、仕事の大変さ、働くことの意味などを捉えていく意識で臨むことが今後社会にでていく上でインターンシップをしたことが活きていくのではないだろうか。

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