インタビュー

超ユニークな「コンビ採用」は採用戦略として無謀か革新的なのか…

投稿日:2016年3月16日 / by 瓦版編集部

あくまで「2人一組」を応募条件にする理由とは
アソブロック 団遊代表

あのアソブロックが、5年ぶりの新卒採用で、ユニークなシステムを導入している。その名も「コンビ採用」。募集の条件が2人一組で、両者が合意しなければ、採用にならない。一度に2人を採用する、単に合理的な仕組みなのか、それとも同社流の仕掛けなのか…。謎に包まれた同制度の狙いを、団遊代表に直撃した。

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年棒を自分で宣言させるなど、ユニーク過ぎる経営スタイルをとる団代表

まさに一蓮托生の鉄の結束力を求める理由とは

募集の条件は2人一組限定。しかも、選考過程では、一方のみが採用とはならず、また、内定後もどちらかが辞退すれば自動的にその相棒も辞退になるというルール。まさに“一蓮托生就活”というフレーズがしっくりハマる、いまどきの若者には違和感もありそうな、独特過ぎる採用スタイルだ。

「我々の会社もいつの間にか30代のベテラン社員が増えてきました。独特の社風でやってきていますが、それに慣れてきてしまっている部分もある。やはり新しい血が入ってこないとそうしたことも分らなくなる。それが、5年ぶりに新卒採用をする理由です。一方で、中小企業においては、新卒社員の定着が大きな問題です。入社して、良きライバルがいれば、相談したり切磋琢磨して、馴染んでいけるのでしょうが、そうした人が入った当初からいる確率は極めて低い。だったら、最初から、そういう相手とのコンビで入ってもらえば、諸々の問題も解消される。そう考えたんです」と団代表は、コンビ採用誕生の経緯を明かす。

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確かに新卒の離職率は、久しく3割前後で推移しており、芳しくない。大量に新卒を採用する大企業ならともかく、ベンチャーや中小企業にとっては、新卒とはいえ、途中リタイアの穴は決して小さくない。そうした課題に対する、アソブロック流の“予防策”が、コンビ採用には内包されているというワケだ。ライトなイメージにもみえるが、かなり考え抜かれた採用戦略といえそうだ。団氏はさらに続ける。

2人1組にどこまでのレベルを求めるのか

「ある企業が、学生ベンチャーをそのまま丸抱えで採用するということをやっています。企業にとっては、現有勢力で新事業を始めることを考えるなら、やっているものをそのまま持って来る方が手っ取り早い。学生にとっても、起業した会社を続けていけることは、そのまま入社動機にもなり、願ったり。それに似た感覚がコンビ採用を取り入れた狙いのひとつにありますね」。

学生ベンチャーと学生コンビ。一見、両者に接点はなさそうだが、ニュアンスは伝わってくる。つまり、学生時代に培ったノウハウを起業というカタチにしているか、「名コンビ」と呼ばれるほどに完成された2人組にまで確立した関係性を築けているか…。もっとも、前者ならいまは比較的出会いやすかもしれないが、後者の様な学生の「名コンビ」がいまの時代、どれほどいるかとなると疑問符が付く…。ましてや、2人揃って同じ会社を受けようというほど、考えや価値感が一致した学生の2人組が、そうそういるとは思えない。

3組のコンビが臨んだ選考の様子。「名コンビ」はいたのか…。

3組のコンビが臨んだ選考の様子。「名コンビ」はいたのか…。

単なるユニーク採用とは一線を画す不敵な狙い

「なぜ2人が条件なのか?。なぜ、一人が嫌なら内定にならないのか?。その辺の本質を見極める力があると、選考でプラスに作用するかもしれませんね。間違いなく言えるのは、本気で成長したいと思う人には、アソブロックは最高のフィールドということです」と謎をかけるように不敵にほほ笑む団代表。その表情からは、昨今増加傾向にある、焼き肉就活や占い採用など、できるだけ本音をさらけ出してもらってマッチング精度を上げる、ユニーク採用とは一線を画していることは間違いなさそうだ。

芸術の世界ではグリム兄弟、藤子不二雄…、お笑い界では横山やすし・きよし、ツービート、ダウンタウン…、プロレス界では馬場と猪木のBI砲、ザ・ファンクス、鶴田&天龍の鶴龍コンビなど、2人一組で名をあげた著名人は数多い。いずれも、一人ひとりではなく、2人だから“傑作”だった。コンビ採用が求める人材がどこまでのレベルかはよくわからない。だが、確実にいえるのは、2人一組で受験し、入社することに意味があると確信している「コンビ」にその門が開かれているということだ。

最後に、万が一の場合についても一応、聞いてみた。入社後に1人が退社した場合だ。「その時はさすがにもう一人も解雇とはもちろんなりません。ただし、その人次第ですが、もう一度採用試験を受けてもらうことになります」とのことだった。

◇アソブロックの記事
→ あなたの仕事はいくら?自分で年俸を宣言できる会社

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