インタビュー

新しいテクノロジーを取り入れ新しい働き方を実践する会社

投稿日:2015年3月13日 / by

アライドアーキテクツ株式会社 中村氏

allied-nakamura-2新しい働き方、新しい働き方、と言葉だけが先行している世の中で、実際の新しい働き方とはいったいどんなものであろうか。時短された労働時間、フリーアドレス制、フレックスタイム、テレワーク、いろいろ言葉は出てくるが、そのすべてを体現できている会社はそんなに多くはない。
テクノロジーの発展は進み、今ではどんな形でも仕事ができる環境が整いつつある中で、それを利用し完全に舵を切るにはとても勇気がいることだろう。アライドアーキテクツ株式会社の代表を務める中村氏は、新しいテクノロジーが出るたびにそれをどうにか活かしていく方法を、ずっと考え実践してきた人物である。
今回は、中村氏がアライドアーキテクツ株式会社の中で実施している働き方について、詳しい話を伺った。

社会と会社と個人が同じ方向へ向いていくために

アライドアーキテクツ株式会社のロゴマークには三つの三角形が施されている。三角形の頂点はどれも同じく右上を向いており、一つの点に集まろうとしている。この形の意味について中村氏は「三つの三角形はそれぞれ「社会」「企業」「個人」を表しています。仕事というものは、ロゴマークのように社会と企業と個人の方向性があっていると、全ていい方向に向かっていくと思っています。三つのバランスを取り続けることが重要なんです」と教えてくれた。

仕事をしていく中で、社会情勢も確かに重要であるし、企業の方針も重要、そして個人がそこにどういったマインドで仕事に向かうかも重要なことである。このバランスが崩壊すると、いろいろな悪循環が起きてしまう。中村氏は、この三つがWinWinの関係でいられるような働き方について考えて行きたいと語ってくれた。

テクノロジーの可能性を最大限に利用

アライドアーキテクツが考えるWinWinな働き方は一体どのようなものであろうか。同社では社内にダイバーシティ委員会を設け、今後の仕事の仕方、働き方について考えている。特に女性、高齢者、外国人、そしてロボットといった労働力について今後どう活かしていくのかは新たな課題となっている。

そこで同社がトライアルアンドエラーを繰り返しながら、たどり着いた答えの一つがリモートワークであった。

「場所による制限がなくなれば、できる仕事はもっと増えていきます。最近では男性の育児なども問題として取り上げられていますが、リモートワークを利用すればそれも可能になります。今、会社ではダイバーシティ委員会というものを立ち上げておりまして、今後の社会に向けて、会社としてどういった働き方を目指していくのかについて話し合いをしている最中です」そう中村氏は教えてくれた。

グローバル社会にとって時間の使い方は最も重要な課題

telecam-singapore-officeテレカンファレンスシステムというものをご存じだろうか。通信サービスを利用し、遠くの人とリモートでつながりながら会議をすることができる遠隔会議システムである。アライドアーキテクツでは昨年からサービスを開始したGoogleの新たなテレカンファレンスシステムをいち早く導入し、海外とモニターを通じて会議を行っている。今回は実際に会議室とシンガポール子会社を繋ぎ、その様子を取材させていただいた。

モニターに映し出されたシンガポールのオフィスでは、数名の人がデスクに向かい仕事をしていた。中村氏が声をかけると、皆一斉にこちらを向き、手を振るなどのアクションで答えてくれる。
このシステムを利用すれば、Googleカレンダーに会議の予定を入力し、時間になったらスクリーンの前に行くだけでワンクリックで会議を始めることができる。高額な費用を必要とせず手軽に複数の人と同時に会話することが可能になる。通信環境によるタイムラグや面倒な入力作業などもほとんどなく、まるで同じ空間で会議をしているかのような臨場感を得ることできた。

「テレカンファレンスシステムの良さはいくつもあって、たとえばこのようにいつでもグローバルにつながることができますし、コストもだいぶ抑えることができます。さらに、時間の制約もないわけです。今までもいろいろ試しましたが、合理性を突き詰めていった結果、この方法に落ち着きました。今後、テレカンがさらにスタンダードになれば、営業活動などももっと時短が可能になりますよね。今は会社を出て電車に乗って訪問し、1時間ぐらい話をして帰ってくるじゃないですか。しかし、テレカンを使うことができれば、まず移動時間は削れますし、ファイルの受け渡しも容易なのでコミュニケーションが簡略化できます。時間と場所の概念を取り払えれば、もっと他のことに使える時間が増えるんですよ」

Googleのテレカンファレンスシステムは年間3万5000円で利用が可能であり、デバイスを問わず利用できるので、そこまで導入コストは掛からない。
最新のテクノロジーは使う人によって、より使いやすく進化していく。旧態依然のシステムにとらわれていては、イノベーションを起こすことはできない。中村氏が実現させようとしていることは、まさに働き方に対してのイノベーションである。

進化を遂げた女性の働き方

アライドアーキテクツでは、すでにテレカンを利用した新しい女性の働き方を実現させている。海外向けサービス「ReFUEL4」のマーケティングを担当する小川氏は、昨年に産休に入った後、ほぼ在宅での仕事をメインとしている。在宅勤務を始めてからは、彼女の仕事のやり方も変わったという。直属の上司はシンガポールにいるという彼女からも、今回はお話を伺うことができた。

telecam-ogawa「シンガポールのスタッフとは毎日このような形で話をさせていただいておりまして、距離は全く感じずに仕事ができています。同じ画面を共有しながら仕事をすることもできるので、まるで机を囲んで仕事しているような感覚を得られています。この働き方をやり始める前には不安があったのですが、実際にやってみると苦労せず仕事ができているなぁと感じます。それでも、たまに顔を突き合わせて話すと、話の進み具合が早くなることもあるので、完全にリモートワークだけというわけにはいきませんね」と小川氏。

彼女はお子さんを抱えながら取材に応じてくれた。普段も、子供を抱きかかえながら仕事や会議をしているそうだ。
驚くべきことに、彼女はこの働き方を始めたことで、産休に入る前と比べて仕事の幅が拡がったという。このことにより、新しい働き方を実践している女性でも、仕事の質を上げられることが証明されたといえよう。

中村氏は力強く語る。「リモートワークを導入しているとはいっても、さすがに100%の在宅勤務は無理です。実際に顔を合わせる期間がないとうまくいかないこともありまして、リモートワークとフェイストゥフェイスの割合として8:2ぐらいがちょうどいいバランスだと思います。今後は、こういったワークスタイルをより広めていくためのインフラをしっかりと整えて行きます。一つの試みとして、社内の各部署で一人ずつ立候補者を立ててリモートワークを行っていこうと考えているのです。半年間ぐらい行い、その後の業績を見て次の一歩をどう踏み出すのか考えながらフレームワークを作っていきたいです」

本当の意味でのダイバーシティワーク

子育てをしながらでも、在宅で働きながらでもホワイトカラーの仕事ができる会社作りを中村氏は目指している。女性はどうしても子供を産むと、仕事に制限が掛かると言われている。子育てをしながらの仕事では通常のパフォーマンス以下になると誰もが思いがちである。しかし、その状況自体が間違いだと中村氏は考えている。

「会議中に子供がこうやって画面の向こうに出てくるのも、僕はとてもいいことだと思っていて、それこそがまさに生活ですし、リアルな環境なんです。これが嫌だとか、邪魔だとか言っていたらダメで、リアル生活の中で仕事をしてこそ本当のダイバーシティだと思っていますし、これからのワークスタイルだと思っています」

今は能力がありながらも、環境の変化により仕事を続けられなかった女性がたくさんいる世の中である。自らをセーブし仕事から目を背けた人もいるだろう。そういった女性が抱える問題に対し、テクノロジーを駆使し解消していこうとする中村氏。この事例がこれからの労働について社会全体が見直すきっかけになることは間違いない。

次の記事:社会と企業と社員を同じ方向へ導くために必要なこと


allied-logo
会社名:アライドアーキテクツ株式会社

所在地:
〒150-0013
東京都渋谷区恵比寿1-19-15 ウノサワ東急ビル 4階

代表者:中村壮秀

事業内容:
ソーシャルメディアマーケティング事業「モニプラ ファンブログ
Facebookマーケティングプラットフォーム事業「モニプラ for Facebook
Webソリューション/ホームページ制作事業

URL:http://www.aainc.co.jp/

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