インタビュー

「悩むより考えよう」生きる時間を大事にするための働き方

投稿日:2015年4月10日 / by

株式会社ベアーズ 高橋ゆき氏

bears-yuki株式会社ベアーズは家事代行サービスの会社である。ベアーズのコンセプトは「女性の“愛する心”を応援する」というコンセプトの元、サービスの提供を行っている。
家事は生活時間の中で大きな割合を占めている。生活のために必要なこととはいえ、この負担を少しでも軽減できたら、、、と思う女性は多いだろう。ベアーズではそんな女性の悩みを解消し、依頼主に対し活きた時間を提供している会社である。今回は、専務取締役である高橋ゆき氏にベアーズでの働き方について詳しくお話を伺った。

時間は命、自分じゃなければいけないことを実行するために

時は金なり、時は人を待たず、など時間を司る慣用句が示すように、時というものは誰にでも平等に訪れ、平等に去っていく貴重なものである。そんな貴重な時間をどのように過ごすかを人は考えて生活しなければならない。しかし、現代社会では、そういった考えに及ぶ間もなく日常に忙殺されている人がとても多いように見受けられる。

それでは、自分の時間をきちんと持てている人は実際どのぐらいいるだろうか。特に結婚をし子供がいる女性は、それこそ仕事をこなしながら、子育てや家事に追われてしまい、自分が自分である時間を失ってはいないだろうか。そんな社会に高橋氏は疑問を投げかける。

「今、働いている女性は家のことと仕事とを両立させなければならないので、自分の時間を持てない人が増えてきています。時間がなければ心にゆとりを持つこともできなくなります。心のゆとりがないと、自分を肯定することもできない。自分が肯定できないと、他人を肯定することも難しくなり、人と人とが尊敬し合える関係を築いていくのが難しくなります。どんどん悪い方向にいってしまいますよね。人はそれぞれ、自分しかできないことというのが必ずあるんですよ。そのための時間をどうやって日常生活の中から作りあげていくのかがとても大事になるんです。ベアーズではただ単に家事代行をしているわけではなく、いままでお客様が家事に費やしていた時間を、そのまま自由な時間として提供できたらと思いながらサービスを行っています」

「自分しかできないことのために時間を作る」人によってその時間の種類は変わるが、これは人生にとってとても重要なことである。
子供と向き合う時間、配偶者と向き合う時間、自分だけの趣味を楽しむ時間、新しい知識に対して勉強する時間、自分のための時間を思い浮かべればきりがないだろう。

自分だけの時間を持てないことによってフラストレーションは必ず生まれる。このフラストレーションが心からゆとりを奪っていくのだ。家事代行サービスの必要性はまさにこのフラストレーションを取り除くことにある。そのために、家事代行サービスは様々な主婦業を賄えるような体制へと進化を続けている。

それでは、女性を助けるためのサービスを行っているベアーズにおける働き方とはどんなものであろうか。その部分についても詳しく話を聞いてみた。

制度やルールは最後にできたものだった

bears-system家事代行サービスを始めてすでに16年目(2015年現在)を迎えるベアーズには、いろいろな社内制度が存在している。育児休暇の制度はもちろんのこと、時短勤務といった勤怠に関する制度から、大運動会といった社内イベントなど多岐にわたっている。しかし、そういった制度が生まれた背景には、度重なる苦労の歴史があったという。

「数年前のことですが、社内で『このままここで働き続けていたら、恋愛も結婚も、ましてや子供を産むことすらできない』という声が上がっているのを耳にしまして、とても悲しい気持ちになるとともに、このままではいけないという決意も生まれました。そこで制度を作っていこうと思ったのですが、ただ作っただけでは誰も利用しない可能性もあったので、まずは役員の女性の一人に、育児休暇を取って貰いました。彼女は働き盛りでしたので、出産後すぐに働きたいと申し出てくれたのですが、そこはけじめをつけるために、1年3ヶ月という期間しっかりと休んでいただきました。このように会社の方針として、役員レベルで事実を作りながら、制度化を進めていったのです」

まず制度化したいものがあれば、周囲の同意を得ながら事実として作り上げていく、それが成熟していくことで、本格的に制度として会社に根付いていく。こういったスキームがベアーズでは出来上がりつつある。これは経営陣に限った話ではなく、社員一人一人が考えて作っていくことももちろん可能だ。
ベアーズの社内制度は会社から与えられたものだけではなく、社員が発案して作られているものも複数存在している。
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キャリアプランよりライフプラン

ベアーズでの働き方は、仕事をしていく中で自分らしさを見失わないような工夫がされている。その件について高橋氏はこう語る。

「ベアーズでは全員面談時にライフプランを描いて貰っています。キャリアプランではなく、ライフプランです。自分のこれからの人生においてどんなことが起こり、どうなっていきたいか人生の道筋を計画してもらうんです。何歳ぐらいで結婚して、何歳ぐらいで子供が生まれて、など具体的に設計してもらいます。そして、自分が思い描いたライフプランを実現させるために、どう仕事していけばいいかを考えてもらいます。自分の生活あっての仕事ですから、自分のライフをどうしていきたいか、考えながら仕事をしてもらいたいんです」

ベアーズでは面接の際にも「自分らしい服装で」と予め話して来てもらっている。なぜなら全員が杓子定規にはまったリクルートスーツで面接に臨むこと自体が、本人らしさを失わせているからだ。

人生は困難を乗り越えるからこそ楽しめる

bears-yuki-sitdown社員もお客様も、心から笑える会社創りをしていきたいというベアーズでは、自己愛の精神を大事にしている。自分を愛することができれば、他人を愛することもできるし、お互いが感謝し合える関係を創ることができるからだ。

ベアーズでは毎朝「リボン賞」という表彰を行っている。社員から社員への感謝の気持ちを発表し、感謝した人、された人の両方にリボンを与え合うという制度である。
人に感謝できる人、感謝される行動ができる人、それぞれの想いをリボンとして表彰し感謝の気持ちを形として残すことができる。

高橋氏は言う。「人生は一度きり、、、自分が愛する守りたい人たちのためにも好きなように生きていった方がいいですよね。その中で個人が輝いていける働き方ができれば、とてもいいと思うんです。私は常日頃から『悩まないで考えて、後悔しないで反省しましょう』とみんなに言っています。悩んだり後悔したりする時間があるのなら、次のステップに向かっていくために有効な時間の使い方をして欲しいんです。自分の人生ですからしっかりと考えて行動してほしい。人生は楽しいものと思いがちじゃないですか、しかし人生の中には辛いことや苦しいことだってたくさんあります。それを乗り越えたときにはじめて本気で笑えると思うんですね。苦難や困難にたいしても、微笑みを持って向き合っていけるような人生を送って欲しいのです」

人に感謝されるためには、自分が感謝できる人間でなければ、その気持ちはわからない。人を笑顔にさせるためには、自分が心から笑える人間でいなければならない。自己愛の精神が他己愛の精神を生むことをベアーズは知っている。だからこそ、そこで働く社員には笑っていて欲しいし、仕事を楽しんでいて欲しいと経営者である高橋氏は考えている。

感謝しあえる仲間と人に感謝される仕事を、その精神を持ってベアーズはこれからも躍進していく。


会社名 : 株式会社ベアーズbears_gazou

所在地 : 〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目34−5 味岡第2ビル

設立 : 1999年10月

URL : http://www.happy-bears.com/

サービス内容 :
家事代行サービス
ハウスクリーニング
キッズ&ベビーシッターサービス
高齢者支援サービス
ホテル清掃サービス
マンションコンシェルジュサービス
オフィス・店舗・ビル清掃サービス


bears-book
高橋ゆき氏
著書:感情の折り合いをつけられる女は強く美しくなる
発売元:明日香出版社

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