インタビュー

会社の「心」を操る極意

投稿日:2014年8月25日 / by 瓦版編集部

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「心を操る技術」を出版

ホストの頂点に立つ男

鶴見一沙氏

会社の言いなりで、毎日苦痛とともにデスクに向かうビジネスパーソンは少なくないだろう。いわば社畜、もしくはその予備軍は、抜け殻の様に人生の多くの時間を費やすことになる。定年延長で、会社員としての期間はますます延びる。これでは、当人はもちろん、日本の未来にとっても希望はない。そこで、「心を操る技術」(総合法令出版)を出版した“人の心を操るプロフェッショナル”元歌舞伎町ナンバーワンホスト・鶴見一沙氏に、どうすれば会社員が会社の「心」を支配できるのか…その極意を聞いた。

ネガティブ思考で働くことの目に見えないマイナスとは

「仕事がつまらない」、「会社を辞めたい」…。口には出さずとも胸の内にそうした思いをため込んで日々の業務にあたる会社員は、たくさんいるハズだ。いやなら辞めればいいだけの話だが、実行に移す人はほとんどいない。辞めれば収入がなくなるからだ。転職先が拾ってくれる自信もないのだろう。つまり、会社にしがみついている状態だ。言い換えれば、会社に「心」をガッチリとつかまれてしまっている。

「もしも会社を辞めたい、とかつまらない、とか思って仕事をしているなら、それほどもったいないことはないと思います。なぜなら、どんな業務にも学ぶべき点があるからです。それをネガティブに思いながら続けるというのは、給料はしっかりともらえていても、実はマイナス時間、つまり、時間をドブに捨てているということに気付かねばなりません」と鶴見氏は指摘する。

働く以上せめて技術やノウハウは盗むくらいやれ

イヤイヤ働くということは、やらされ仕事になりがちだ。従って、仕事を作業としてこなしてしまう。それでは、形として仕事を遂行はするが、スキルは身につかない。どうせやるなら、その時間を無駄にしないためにも、全力で取り組み、会社から技術やノウハウを盗むくらいにやれ、というのが鶴見氏の考えだ。

実際、鶴見氏もホストになりたくてホスト業界に入ったものの、当初は、まるで売れず、苦悩の日々を過ごす。だが、常に「どうすれば売れるのか」を考えつづけ、盗めるものは全て盗んで飛躍を果たしている。

スキルアップする近道とは

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スキルアップの近道は、なりたい人を見つけることとアドバイスる鶴見氏

「スキルアップする一番の近道は、なりたい人を見つけることです。そういう人が何をしているのか出来るだけ近づいて、徹底して盗み、自分のものにしていく。漫然と日々を過ごすのは一番ダメだし、自分にとって何のプラスにもならない。自分を磨いていけば、当然、実力がついて来る。そうするとチャンスも増えてくる。もう一つのポイントとしては、のし上がるには運も必要ということ。できる人を目標にすると自ずと運に巡り合う確率も上がるんです」(鶴見氏)。

個人の力が重要なるホストとビジネスパーソンの通常業務のスキルアップを単純比較はできないが、目の前の仕事に向かう気構えとして、スキルやノウハウを盗み取ってやるんだ、というくらいの気持ちで取り組むのと漫然とこなすのでは、その密度や価値がまるで違うのは明白だろう。仮に20年勤めた会社を辞めることになった時でも、前者のような姿勢で仕事に取組み、しっかりとノウハウやスキルが蓄積されていれば、その価値は確実にいい形で自分に返ってくるハズだ。

「サラリーマンの方が仮に40歳くらいで会社を辞めようと思ったとき、自分には武器がないと躊躇したとしましょう。でも、20年近く勤めていたなら、必ずその会社のノウハウや知識が武器となって身についているはずです。それは他社にとってものすごい価値あるものになっているはずです。日々、盗み取るくらいの覚悟で仕事に取り組んでいればの話ですけどね。実際、うちの会社で採用した人は60歳手前でしたが、すぐれたスキルをお持ちだったので、迷わず入社いただきました」と鶴見氏は明かす。

若者よ、3年で辞めても何も残らない

中高年に限らず、若年者でも同様だ。昨今は、若者の離職率が問題となっているが、鶴見氏は3年程度勤めたくらいでは会社のことなど分からないと忠告する。

「若者がすぐに会社を辞めるのは、理由によっては問題でしょうね。どういうことかというと、その仕事をしたいと思って入ったのなら、多少つらくてもイメージと違っていても何とか続けるべきなんです。スキルやノウハウを必死になって吸収することで、必ずリターンがあるハズですから。それにやりたい思った職種でもすぐに辞めるならよそへ行っても同じことを繰り返す可能性が高いでしょうからね」と鶴見氏はズバリ指摘する。

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仕事が楽な時は成長していない時、とは深い言葉である

確かに、やりたい仕事ができる会社に入れたのなら、仮に人間関係や労働環境などが劣悪でも自分を磨くことはできる。劣悪さに耐えられなくて、他へ移ったとしてもそこがいいとも限らない。そうなると、もはや自分で会社をおこすしか手はなくなる。それを見越しても、入ったところでしっかりとスキルやノウハウを身につけておくことは、ビジネスパーソンとしての個人の“財産”として活きてくる。

キツイ=成長、ラク=停滞

「確かに仕事がつらいときはあるでしょう。でも仕事がきつい時って成長しているときなんです。逆に楽だと感じるときは成長していない。そう思えば、きつい仕事にも前向きに取り組めるんじゃないですか。それにどんどんスキルやノウハウを吸収して、他に代えがたい人材になれば会社はその人を手放したくなくなる。ある意味では究極の“会社の心を操る状態”になれるわけですから」と鶴見氏は、会社の心を操る“極意”を明かす。

ホストという生き馬の目を抜く世界で頂点に上り詰めた鶴見氏。その言葉にはひとつひとつ説得力がある。現役としての期間がサラリーマンほど長くないからこそ、1日1日を無駄なく全力で過ごすのだろうが、働く者にとっての1日の価値は変わらない。仕事を「自分の成長のため」と考えるのか「お金を稼いで生活するため」と考えるのか…。この2つの選択次第で、会社員人生は大きく変わるーー。(後編では社内コミュニケーション術の極意について:9月下旬予定)。


鶴見 一沙(つるみ いっさ)ZERO GROUP会長

最新刊「心を操る技術」

最新刊「心を操る技術」

神奈川県横浜市生まれ。20歳で新宿歌舞伎町の大手ホストクラブに入店。入店当初は、全く指名も取れず、売れないダメホスト時代を過ごす。その後、毎日睡眠2時間で、残りのすべての時間を「顧客心理の追究」と「接客」に力を注ぎナンバーワンに。出会った全てのホストたちから学び取ったテクニックと、独自の視点から「心を奪うコミュニケーション術」と「接客サービスの究極の極意」を確立する。2004年には、全日本ホストグランプリで、全国1万人以上のホストの頂点に立つ(初代チャンピオン)。2008年独立。歌舞伎町にホストクラブを2店舗オープン。更に、横浜に2店舗、歌舞伎町に1店舗を出店。その後、会長に就任し、4店舗を立て続けにオープンさせる。これまでに育てたホストは1000人以上。顧客心理の掌握テクニックと接客ノウハウ、人材育成のスキルが評判を呼び、近年では企業などからのコミュニケーションについての講演やコンサルタント依頼が殺到。2013年には、行政と手を組んだ少子化問題への取り組みなど、他業界への貢献も積極的に行う。最新刊は「心を操る技術」(総合法令出版)。

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