インタビュー

なぜ、幸せに働くことがこれからの時代に重要になるのか

投稿日:2015年12月2日 / by

幸せな働き方が拡がる先にあるもの

ハッピーワークスタイル協会

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「幸せな働き方」とは、どんなスタイルだろう。昇進? お金? やりがい? 十人いれば十通りの答えが出てくるはずだ。だが、明確に答えられる人は果たしてどれくらいいるのだろう…。その名も「日本ハッピーワークスタイル協会」をこのほど立ち上げた信國大輔氏。自身の会社、びりかんでは独特の働き方を実践し、幸せな働き方を実現している氏が、この活動で目指すものは何なのか。その野望に迫る。

みんなが幸せに働ける社会の実現へ向けたアクション

どんなに働いても報われない、周りが不幸を嘆く人ばかりで気がめいる、毎日全然楽しくない…。先行き不透明な景気情勢がズルズル続き、ビジネスパーソンのマインドと「ハッピー」が乖離した状態が常態化している。この暗鬱たる状況はなんとかならないものなのか…。そんなムードに風穴を空けるべく、アクションを起こしたのが信國氏だ。

「ハッピーワークスタイルは、協会が提唱する高い幸福の実現を目的とした働き方です。昨今、多くの人が幸せを感じられないのは、それなりの理由があります。右肩上がりの時代から成熟の時代へとシフトしたにもかかわらず、過去の価値感に捉われ続けているためです。状況が変化したのに、ルールは昔のまま。それが限界に差し掛かり、社会全体が悲鳴をあげている。それをいい方向へ導くのが、幸せな働き方であり、協会の活動の主体になります」と信國氏。

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あまり深く考えず、言われたことをやるだけでも企業の収益が上がり、個人も幸せになれた高度経済成長期。翻っていまは、成長は横ばい、昇給も横ばい。指示待ち社員では生き残ることさえ難しく、ただ頑張るだけでは到底幸せになれない時代へとスイッチしている。にもかかわらず、昔のままの価値感や頑張り方に捉われるビジネスパーソンが多く、それが労力とマインドの空回りとなり、「幸福」の2文字をどんどんかすませている。

過去の経験から痛感するカネ=幸せのウソ

そんな澱んだ情勢へ切り込んでいく信國氏は、いまでこそ幸せな働き方の請負人として活動するが、かつては「カネ、カネ」の拝金主義の典型だった。むき出しの儲け主義で突き進み、社長にまで上り詰めた過去もある。だが、そこにあったのは多くの札束だけで「幸せ」はなかった。その時、頑張ってきたのは幸せになるためだったハズが、いつの間にか手段と目的が入れ替わっていることに気付く。

「たくさんお金を稼げば幸せになれる、と誰もが思っていると思います。でも、どんなにたくさんお金を稼いでも、喜びは一瞬。すぐに不足を感じ、またアクセルを踏む。この繰り返しです。それはとてもつらいことです。幸せになるために稼いだハズなのに、いつの間にかそれが手段になり、儲けることが目的になってしまった。結局は家庭もボロボロで不幸になっている。本末転倒ですね。どん底に落ちて気が付きました」と信國氏。そうした過去があるから、迷えるビジネスパーソンをぶれることなく幸せな働き方へと導ける。

幸せに働ける社会実現へのアプローチ

信國氏が、社会に幸せな働き方を浸透させるためのアプローチは2つ。一つは企業からのアプローチ。もう一つは働く個人へのアプローチだ。企業へのアプローチは、どん底に落ちた信國氏が2007年に立ち上げた会社「びりかん」での組織コンサルによって行う。そして、このほど立ち上げた協会は、働く人のマインドを変革するための組織として機能する。

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「企業で従業員が幸せに働くためには、何より経営者が幸せなることが一番重要です。不幸な経営者では『俺もこんなに頑張ってるんだから』と圧力をかけがちになる。これでは誰も幸福になれません。ですからまず、何のために経営しているのか、からアプローチし、それを明確にすることを重視しています。そこが不明瞭な経営者も少なくありませんから。そして協会では、企業だけが変わっても幸せな働き方ができるワケがないので、まずは従来の価値感が刷り込まれたビジネスパーソンのマインドを解きほぐすことからスタートします」と信國氏はシナリオを説明する。

企業とビジネスパーソンの両輪を回すことで、幸せな働き方にアプローチを図る信國氏。特に重視するのは、ビジネスパーソンのマインドの変革だ。なぜなら、多くがこれまでのビジネス社会の常識に捉われすぎるが故に、夢や情熱やワクワク感を失ってしまっているからだ。これでは、周囲を不幸にこそせよ、幸せにはできない。逆に多くのビジネスパーソンが真の自分を取り戻し、前向きに仕事と向き合うようになれば幸福が連鎖し、ハッピーワークスタイルが広がっていくと考える。

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「人によりますが、顕著な例では3,4時間ほど、適切な講座を受けるだけで効果が表れる人もいます。それは、潜在的に自分を変えたいという思いがある人にとっては、そうした場さえあれば、変われるということです。自分が変われれば人にも教えることもできる。協会のハッピーワークスタイルカウンセラー認定講座では職場を改善できるスキルも学べ、資格も取得できます」と単なるカウンセリングとは一線を画し、受講者自身がビジネスパーソンとしてもスキルアップしつつ、幸せな働き方の伝道師となるフローを用意している。

気の持ちようで一変する働き方の幸不幸

従来の成功法則の呪縛から解き放たれると、まず目の前に多くの選択肢があることに気付く。そうすると、いま在籍している会社も客観的に見えるようになる。その結果、例えば、自分には到底合わないと思えば、転職という具体的な活動が、幸せになるために行われる。実は自分に合っていると思えれば、これまでイヤイヤだった仕事が一転、やりがいを持って取り組めるようになる。捉え方ひとつで、何事も良くも悪くも変化することを意識できれば、それまで形すらみえなかった「幸せな働き方」をハッキリとイメージできるようになる。

「幸せな働き方」とはなにか…。多くの人は、すぐにその解を思い浮かべることができないかもしれない。そもそも、そんなことを考えることさえ、自制しているビジネスパーソンも少なくないだろう。だが、むしろ、いまこそ、幸せな働き方について自問自答する必要がある。なぜなら、ビジネスパーソンとしての幸せの方程式は、すでに変質してしまったからだ。かつてのように「ひたすら頑張る」という一律の解はない。だが、考えれば個々それぞれの答えは必ずある。そのためにはまず、頭を真っ新にして、自分にとっての「幸せな働き方」を考えることが、そこへ行き着くための最低条件であることは間違いない。


【協会概要】
一般社団法人 日本ハッピーワークスタイル協会正式名称:一般社団法人 日本ハッピーワークスタイル協会
代表理事:信國 大輔
東京拠点:東京都渋谷区桜丘町14-6-505
神奈川拠点:神奈川県横浜市青葉区美しが丘西2-54-9
認定資格:
ハッピーワークスタイルコミュニケーター
ハッピーワークスタイルファシリテーター
ハッピーワークスタイルコンサルタント
関連会社:株式会社びりかん
日本ハッピーワークスタイル協会から委託され、各講座の運営を代行。

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