インタビュー

人材育成にこだわる企業の究極のインターンシップの中身

投稿日:2015年12月1日 / by 瓦版編集部

人材の採用ではなく「発掘」というスタンス

ワークスアプリケーションズ(前編)

人材が経営にとって最も重要とされる資源であることは言うまでもない。だからこそ、トコトンこだわって時間や予算、人的工数も投資すべきではないか――。ワークスアプリケーションズが新たに開始した、実務実践型プログラム「エクスターンシップ」は、まさに究極の人材投資といえる。一企業の枠組みを完全に超越するその実態と狙いを2回に分けて探る。前半では、同社が13年前から実施するインターンシップを検証する。

エントランス

通常のインターンシップのモノサシでは測れないスケール

人材の採用というより「発掘」。その規模は、国内だけでなく世界。同社の採用戦略は、通常の採用のモノサシでは到底測れないスケールの大きさだ。年間数十億円を投資して実施される同社の採用はまず、インターンシップからスタートする。いまでこそ、一般的な企業の間でも採用の前段階のアクションとして定着しつつあるが、同社は13年も前から実施している。

インターン (1)

その内容は年々進化を遂げているが、ありがちなお客様扱いの“職場体験”レベルではもちろんない。なぜなら、その目的は、既成概念にとらわれずゼロから1の新しい価値を生み出すイノベーター型人材の発掘にあるからだ。

インターン (2)

そうした人材を同社では「クリティカルワーカー」と呼ぶ。ロジカル・シンキング(論理的思考力)とクリエイティブ・シンキング(発想転換力)を兼ね備えた、問題解決能力が高い人材のことだ。グローバル化やICTの普及など、世界経済の構造が変わる中、当然ながら企業が求める人材像も変化する。それが、昨今特に高い需要はあるものの“希少”といわれるイノベーター型人材であり、同社もあえて「発掘」という言葉を使う。

入社が義務でない発掘メインで見据える先

鶴田「私どものインターンシップは、当社へ入社する唯一の入り口ではありますが、自社のことだけを考えるなら、これほど非効率なことはありません。私たちが見据えるのは、社会全体であり数十年後の日本の未来です。日本が再び世界トップクラスへ返り咲くためには、若きイノベーターの存在が不可欠。ただ、現実はそのポテンシャルを持ちながらも、活躍の場が見いだせず埋もれてしまっていたり、自分の可能性にすら気付けていない人材が多い。だからこそ、彼らに対して成長の機会を提供するべく、莫大な予算や人員を投下して行っているのです。ですから、当社への入社意思を持ってインターンシップに参加しようとする学生は、少ないですね。それよりも、力試しや自己実現の場として捉える学生が多いです」と同社の採用担当・鶴田麻衣氏は説明する。

日本の未来を視野に入れた活動--。そこまでいくと、もはや一企業の採用レベルは完全に超えている。もっとも、そうしたスタンスや価値に学生が共鳴するからこそ、世界中から毎年約8万人の応募が集まるほどの高い人気を誇る。そして、それは少なくとも、学生自身が潜在的に、安定感よりも自己肯定感や自信を欲していることに他ならないのではないだろうか。

まさに学生版“虎の穴”といえるビジネスエリート養成機関

インターンの道はとてつもなく険しい。学生の間で「すごい」とされる逸材でさえ、根をあげるのが珍しくないという。最終的にインターンシップを修了し、合格基準を達するのは、ほんの一握りしかいない。そして、その合格者だけが、特別報奨として50万円と任意の期間いつでも入社可能な「入社パス」を受け取ることができる。まさに「選ばれし者」が集うビジネスエリート養成機関のような厳しさの中で、クリティカルワーカーが「発掘」されていく。

20日におよぶ期間の中で取り組むのは、実際のビジネスでおこる難しい課題だ。学校教育のように模範回答や方程式などはもちろんあるわけもなく、すべてをゼロから自分で考えなければいけない。その思考プロセスになれていない多くの学生が直面すること。それは「脳に汗をかく」経験だという。さらに、インターン生に対して、現場第一線で活躍するマネジメントクラスの社員がつきっきりとなってレビューを行うが、ここにも同社のこだわりがみえる。

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「インターン中は、決して“答えを教えること”はしません。そうではなく、“自ら気づきを得る問い”を投げかけることだけに徹しています。そのさじ加減は非常に難しいところですが、答えを教えるということは、その人の成長の芽を潰すことになる。悩んで困り切っている姿を見て、手を差し伸べたいと思う気持ちをぐっとこらえています」(鶴田氏)。そうやって、インターン生だけでなく社員自身もアツイ試練を乗り越えるからこそ、終了後には互いに感極まり、達成感もひとしおだという。

いわゆる“就業体験”という次元をはるかに超える同社のインターンシップ。後編では、この通過者のみが資格を得る、さらに上をいくエクスターンシップの実態に迫る。(後編に続く)。


【会社概要】
ERPパッケージシェアNo.1のCOMPANY   ワークスアプリケーションズ社名:株式会社ワークスアプリケーションズ
設立:1996年7月
企業理念:日本企業の情報投資効率(ROI)を世界レベルへ クリティカルワーカーに活躍の場を
代表者:
代表取締役最高経営責任者 牧野 正幸
代表取締役最高執行責任者 阿部 孝司
代表取締役最高技術責任者 石川 芳郎
資本金:3,626,506千円
従業員数:3,872名(連結)※2015年6月末時点
所在地:東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル19階
事業内容:大手企業向けERPパッケージソフト「COMPANY」および「HUE」の開発・販売・コンサルティング
国内事業所:東京、大阪、名古屋、広島、福岡
海外拠点:ニューヨーク、ロサンゼルス、シンガポール、上海、インド

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