インタビュー

ナンバーワンホストが指南するコミュニケーション術

投稿日:2014年9月19日 / by 瓦版編集部

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上司、同僚、部下の心を操る極意

ホストの頂点に立つ男

鶴見一沙氏

会社員生活を円滑に進める上でコミュニケーションは重要だ。上司や同僚、部下と円滑にコミュニケーションができれば、仮に仕事がつらくてもなんとか乗り切れることもあるだろう。ホスト界の頂点に立つ男・鶴見一沙氏インタビュー後編では、接客のスペシャリストとして、相手の心に入り込む極意を伝授いただく。

 

気持ちよくお金を払ってもらう極意

ホストでは4ケタ万円の高額酒のオーダーを気持ちよくしてもらうこともある。営業マンでいえば、超高額商材を、嫌な顔一つせず、むしろ喜んで受注いただくイメージだ。一体どうすればこんなことが可能なのか。

「これはもう心に入り込むことですね。基本は相手の話に真剣に耳を傾けて、そこからその人が好きなものや趣味・趣向を探り、その話をしたりプレゼントをしたり、とにかく一歩踏み込んで相手にアプローチすることです。そうやっているうちに、好意から依存する関係になって、応援したくなるんです。勘違いして欲しくないのは、大事なのはお金じゃないってことです。だから別に高級シャンパンじゃなくて注文がコーラだっていいんです」と鶴見氏は、ホストの人心掌握術を明かす。

鶴見氏の話は、男女関係の人心掌握術だが、もちろん営業にもそのまま当てはめることができる。クライアントのニーズを探り、関連情報を収集して提供、さらに担当者の趣味まで情報収集し、有益な情報を惜しみなく提供する。時にはプライベートで同行することも有効になるだろう。少なくとも、資料片手に型にはまったセールストークで商品を売りつける営業では、売り上げは期待できないだろうし、仮に売れても継続率は低いだろう。

社内コミュニケーションを円滑にするポイント

コミュニケーションの極意を説く鶴見氏

コミュニケーションの極意を説く鶴見氏

コミュニケーション術は、社内でも基本同様だ。例えば上司とうまくやっていくには「上司が好きなことをリサーチして、タイミングを見て話しかけることでしょうね。どんなに厳しい上司でも好きなことの話をされたら悪い気はしませんから」と鶴見氏。心の掌握には、やはりビジネス方面より、プライベート方面が有効のようだ。

その意味でも、夜の接待は有効になる。「女性のいるお店に一緒に行くことは、距離を縮める上でやはり効果的ですね。上司にしても取引先にしても。女の子どうこうというより、そういう場を共にして、仕事場で顔を会わすと、一気に関係が変わってきます」と鶴見氏。地道な訪問の積み重ねで相手との距離を縮めるのはもちろん基本だが、“特効薬”としては、やはり“社外活動”も有効となる。

その上で鶴見氏は、人間力の重要性を指摘する。中身を伴わなければ、接客や接待もただの空騒ぎで終わってしまうからだ。

「いまのホストは見た目は良くなっているのですが、中身が薄くなっています。コミュニケーションって相手のためにするものなんです。中身がないと相手の話だってまともに聞けない。どうすれば中味が濃くなるかなんてなかなか分からないでしょう。でも分からないとしても、とにかく動くことが重要なんです。例えば帰り道に一駅手前で降りて歩くとか、出来る先輩のマネをするとか、そんなことでもなんでもいい。いつも違うことをすることで脳が刺激を受けて新しい発想が生まれてくるんです。そうした積み重ねによって中身はバージョンアップしていくんです」(鶴見氏)。

現役を引退し、いまは経営者として店舗経営やセミナーなどを行う鶴見氏は、2014年7月に「心を操る技術」を出版した。その理由は、増加するコミュニケーション障害を憂慮してのものという。

対面で人と話すことの重要性

コミュ障の増加を嘆く鶴見氏

コミュ障の増加を嘆く鶴見氏

「最近、知人等からコミュ障の相談を受けることが多かった。なぜ増えているのか僕なりに考えましたが、やはりメールやSNSの浸透で対面のコミュニケーションの場が減っていることが原因だと思っています。便利になり過ぎてコミュニケーションがあまりに薄っぺらになってしまった。問題は、一度も会ったことなくSNS上のいじめだけで自殺するコがでるような状況です。対面することが仕事の一部だった僕からするとこの状況はホントに嘆かわしい。この本で一人でも多くの人がコミュニケ―ション術を学んで、人と対面することの素晴らしさを知ってもらいたいんです」と鶴見氏は力を込める。

働き方においては、上司や部下、同僚とのコミュニケーション不全によって、居場所を失い、やる気ややりがいを失うビジネスパーソンがいる。企業単位でみれば、一方的な押し付けで労働者から搾取するブラック企業が社会問題となっている。ともに、コミュニケーションの不十分さがもたらす会社における“悲劇”といっていいだろう。人間にとって、コミュニケーションは、その存在を確認させる行為ともいえる。対面に命を懸けて生きた鶴見氏のアドバイスには、その外見とは裏腹のズシリとした重みがある。

鶴見氏インタビュー第一弾:会社の「心」を操る極意


鶴見 一沙(つるみ いっさ)ZERO GROUP会長

最新刊「心を操る技術」

最新刊「心を操る技術」

神奈川県横浜市生まれ。20歳で新宿歌舞伎町の大手ホストクラブに入店。入店当初は、全く指名も取れず、売れないダメホスト時代を過ごす。その後、毎日睡眠2時間で、残りのすべての時間を「顧客心理の追究」と「接客」に力を注ぎナンバーワンに。出会った全てのホストたちから学び取ったテクニックと、独自の視点から「心を奪うコミュニケーション術」と「接客サービスの究極の極意」を確立する。2004年には、全日本ホストグランプリで、全国1万人以上のホストの頂点に立つ(初代チャンピオン)。2008年独立。歌舞伎町にホストクラブを2店舗オープン。更に、横浜に2店舗、歌舞伎町に1店舗を出店。その後、会長に就任し、4店舗を立て続けにオープンさせる。これまでに育てたホストは1000人以上。顧客心理の掌握テクニックと接客ノウハウ、人材育成のスキルが評判を呼び、近年では企業などからのコミュニケーションについての講演やコンサルタント依頼が殺到。2013年には、行政と手を組んだ少子化問題への取り組みなど、他業界への貢献も積極的に行う。最新刊は「心を操る技術」(総合法令出版)。

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