インタビュー

“働き方の祭典”が「自由」をテーマに開幕

投稿日:2014年11月20日 / by

仕事は恋だ

仕事を恋に例え、独自の哲学を披露した遠山氏

仕事を恋に例え、独自の哲学を披露した遠山氏

“働き方”や“シゴト”にまつわる祭典「TOKYO WORK DESIGN WEEK 2014」(TWDW)が2014年11月19日、開幕した。勤労感謝の日を挟み、25日までの7日間にわたり、渋谷ヒカリエ8階COURTを中心に都内各所で、働き方に関する様々な関連イベントが行われる 。

昨年続き2回目の開催となった“働き方の祭典”。初日は、「僕らが、自由になるために必要なもの」のテーマで2本の基調講演が用意された。オープニングを飾ったのは、スープストックやパスザバトンなどを手掛ける(株)スマイルズの遠山正道社長。常識にとらわれない働き方で、自分の道を切りひらいてきた同氏のトークは、その絶妙の話術と相まって満員の聴衆を一気に“ワールド”へ引き込んだ。

スープストックの成功で注目されているが、「安定化までは8年かかった」と振り返る。自由への道のりは決して楽ではないといいつつも「売上げとか合理的な理屈を並べると苦しくなる。理屈じゃない理屈でないと、こういう道は突破できませんよ」と経験を踏まえ、踏み出す勇気と情熱の大切を説いた。

その上で、「やりたい気持ち」、「必然性」、「意義」、「新しい価値」の4つがあることが、仕事や事業で困難にぶち当たっても続けていく上で支えとなり、助けになるとアドバイスした。「『かっこいい、儲かりそう』。そういうきっかけで始めるもいいですが、そういう事業ってやっぱり、オリジナリティはないし、プライドも持てない。それじゃ、ダメになりそうなときに合理的に詰められたら終わっちゃう。結局、最後は“自分ごと”にできるかが大事。恋愛と同じなんですよね」と遠山氏は、独自の仕事への向き合い哲学を熱く語った。

私の自由は消極的ベースです

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自分のキャリアは消極的自由で成り立っていると明かした斉藤氏

続いて登壇したのは、斉藤淳氏。衆議院議員を務めたかと思えば、イエール大学で教鞭をとり、現在は英語塾「J Prep斉藤塾」の経営に情熱を注ぐ氏の自由奔放で異色のキャリアは、どういうプロセスで構築されたのかを明かしつつ、自由への道を語った。

スーパーエリートで華やかに見えるキャリアについて、「実はあくまでも消極的な理由によって築かれたものなんです」と明かした斉藤氏。上智大学への進学は「家業を継ぐのがしんどいので都会の大学に逃げただけ」。大学院への進学は「普通の就職では先がないと直感したから」。衆議院出馬は「博士論文書くのがしんどいから」。イエール大へは「衆院解散で選挙になったが強敵がいて勝てないと思ったから」と自虐的に語った。

もっとも、単に逃げて積み重なったキャリアではもちろんない。社会全体を俯瞰した上で、自分の適性をしっかりと見極め、必要な教養を身につけていたからこそ、結果的にいまがある。

「これまでいろいろ失敗もしてきましたが、どの挑戦も何か違うことがあるんじゃないか、ということで始めました。いまは自分が本当に自分がやりたい好きなことができている」と胸を張る斉藤氏。現状に不満を抱き、悶々としているビジネスパーソンは少なくないだろうが、動かないと何も起こらない。その意味では行動が消極的であっても、それは確実に当人にとって、自由への道へ突き進んでいることになる。そんなメッセージの様でもあった。

シゴトを恋に例え、独特のテンポとトーンで情緒的に語った遠山氏。ネガティブなことも堂々と包み隠さず、明解にトークした斉藤氏。表面的には対極に見えた2人が、実は根っこでは同じことを語っている。それはつまり、「自由になるのは大変なこと。だが、それだけの価値はある。そしてそれは人ごとでなく、自分事である」。誰もが、そう感じ、大きくうなずき、カタルシスを体験し、2本の基調講演は幕を閉じた。

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