インタビュー

夢を仕事にする働き方

投稿日:2013年5月8日 / by 瓦版編集部
結婚も封印し、女子競輪に人生を捧げる中村

結婚も封印し、女子競輪に人生を捧げる中村

職業人スポットライト file1

~教員からプロアスリートへ~

職業:女子競輪選手

中村由香里(32)


2012年7月、48年ぶりに復活した女子競輪(ガールズケイリン)。2013年からは2期生も加わり、競輪女子は総勢51人となった。その中には、様々なキャリアからの転身組も多い。教師から女子競輪選手に転身した中村由香里(32)。公務員というバリバリの安定を捨て、職としては不安定な世界に飛び込んだ彼女はいま、人生で最も充実した日々を送っている。

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一瞬で決めた競輪界入り

小学6年生の担任をしていた2009年10月、その時はやってきた。「ガールズケイリン復活」。新聞に載っていた記事を目にした瞬間、教師を辞めることを決意した。迷いは全くなし。教師という職業が嫌だったわけじゃない。ただ、なんとなく中途半端な人生にモヤモヤした思いがあった。

「教員免許をとってなった教師。そのまま続けていれば60歳まで安定は保証されていたでしょうね。でも、いつかプロアスリートとしてやっていきたいという夢がずっとあって…。ガールズケイリンの復活を知った時には“これだ!”とピンときて飛びつきました」。家族が反対することは明白だった。だから、全て独断で動き、翌年3月に教え子を卒業させるとともに学校に辞表を提出。競輪界への“転職”を決行した。

たった一回の人生だから退路は遮断

レースは過酷もっとも、競輪選手になるにあたっては退路はキッパリと絶った。「いつでも教員に戻れるなんて考えはもっていませんでしたね。そもそもそんな思いで通用するほど甘い世界じゃないし、性格的にも無理。私はこの競輪界で60歳まで現役でやるつもりです」。細く長くの意味でなく、競輪界に全身全霊を捧げる決意表明だ。30歳を過ぎてからのアスリート転身。決して年齢的に恵まれているわけじゃない。

「20歳の子となら10以上も歳の差がある。その差は埋めようがない。のんびりなんてしていられない。1分1秒が勝負。どんな学びも無駄にはできない」。“己に克つこと”を信条とする中村は、毎日徹底的に体をいじめ抜く。だが、そこに悲壮感はみじんもない。むしろ、日々成長と進化を実感し、充実感に満ち溢れている。

日々の成長が実感でき充実感と幸せ感は激増

陸上をしていた学生時代、7年間の教員時代。やるべきことは全力でやってきた。だが、思い描くイメージとの違いがなぜか開いていく。理由はハッキリとは分からないが、なんとなく中途半端だった。一方、職業として競輪だけに集中する毎日のいまは、どんどん体が成長する。心も成長していく。成績もついてくる。それらを日々実感できることが楽しくてしょうがないーー。

世の中には、昔の彼女のように“なんとなくやりたいことがありながらも中途半端な状態”で働く人がたくさんいる。中村は言う。「人生は一回しかない。やっぱりやりたいことをやるのが一番。いまは充実感も幸せ感も前とは全然違います!」。中途半端と決別したその瞳は輝き、その言葉には言葉以上の説得力がある。

中途半端を逃れるには「やるか」、「やらないか

公務員という安定を捨て、実力勝負のプロアスリートという職業にたどり着き、人生の満足感を手に入れた中村。あとはひたすら女子競輪のトップを目指し前へ突き進むだけだ。一方で、中途半端なままズルズルいく職業人生だってもちろんあるだろう。だが、そうした現状に気づき、逃れたいと思うなら、迷うだけ時間が確実に浪費されていくことになる。彼女の例は決して特殊ではない。幸運でもない。「やる」か、「やらない」か…。両者に違いや差があるとしたら、その決断と行動だけである。

シリーズ開幕を前に勢ぞろいした競輪女子。テーマ曲を歌う湘南乃風や石田純一らも応援に駆け付けた

2期生デビューのシリーズ開幕を前に勢ぞろいした競輪女子。テーマ曲を歌う湘南乃風や石田純一らも応援に駆け付けた


【ガールズケイリン】1949年から15年間、男子競輪とともに開催されていたものが、2012年7月、48年ぶりに復活した。自転車はカーボンフレームを使用、ホイールはバトン &ディスクホイールを装着するなど、これまでの男子競輪とは大きく異なる。今年は、日本競輪学校の厳しい訓練を耐え抜いた一期生33人に加え、2013年5月開幕の25年度上半期シリーズ(5月~9月:全国各地の競輪場で開催)でデビューする二期生18人が合流し、計51人がバンクで激走バトルを繰り広げる。スピードスケート元五輪選手、ソフトボール、のほか、主婦、モデル、OL出身者ら転身組も数多く名を連ね、そうした選手の人間模様も見どころの一つとなる。詳細はコチラ→http://www.girlskeirin.com/

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