
社労士は企業と労働者の強い味方
社会保険労務士は人気が高いが難易度も高い
社会保険労務士(以下、社労士)は、合格率が1ケタパーセント台の中で変動しているほど難易度の高い資格だ。これに1発で合格するとなるとさらに難しくなり、数回受験で合格を果たす人も珍しくない。
社労士に合格するなら、通学、通信、独学の3つの勉強方法があるが、1発合格を目指すなら通学することをおすすめする。通学ならば、必ず決められた勉強時間を確保することができるし、分からないことがあれば講師にその場で質問し解決することができる。また受験勉強をする上で、同じ目標を持つ仲間ができることは、とても心強いはずだ。社労士についての詳しい内容は、「社会保険労務士の資格ってどんなの?」を読んでほしい。
社会保険労務士に合格するための勉強とは
社労士に合格するには、仕事をしながら勉強をする場合は6ヵ月~1年間の勉強時間が必要とされている。もしも勉強に専念できる環境であれば、これより短い時間での合格が可能だ。
試験日程
社労士の試験は、年に1回8月に行われることになっている。例えば2014年の試験日程だと、申込受付期間が2014年4月14日から2014年5月31日まで。
申し込み方法としては2通りあり、ひとつは簡易書留で試験センターに申込書を郵送する方法。もうひとつは、申込書を直接試験センターに持ち込む方法だ。これが不備なく終われば、8月上旬には、試験センターから申込者に対して受験票が郵送される。この受験票が、受験者が受験資格を有していることの証明になるため、決してなくしてはいけないものだ。
そして、試験当日は定められた時間までに着席し、まずは試験についての説明がある。着席時間に間に合わなければ試験を受けることができないため、気を付けなければいけない。
試験が終われば結果発表を待つのみだが、発表は2014年11月7日に行われる。発表の方法は、合格者には合格証書が郵送され、同時に合格者の番号が、「官報」に公告されることになっている。ちなみに、この「官報」とは聞きなれない言葉だが、国が発行している新聞のようなもののこと。実際、行政機関が休みのとき以外は、毎日発行されている。役割としては、法律、条約、国会事項などについての事柄を国民に知らせるためにあり、国立印刷局から発行されている。
また、発表方法は他にもあり、厚生労働省、試験センター、各都道府県社会保険労務士会で合格者番号の掲示が行われ、試験センターのホームページでも合格者番号が公開される。
社労士に合格した後の流れ
実は、社労士試験にただ合格しただけでは社労士業務を名乗ることはできない。社労士試験に合格し、全国社会保険労務士会連合会の名簿に登録するために、登録希望者は2年以上の実務経験を保有している必要がある。ただ、社労士試験を受ける人がみんな2年以上の実務経験があるわけではなく、会社をリタイアしてから勉強を始めて資格を取得した人や、学生のうちに資格を取得した人はそうもいかないだろう。かと言って、長い間勉強に取り組んだ後、さらに2年の実務経験を積むは厳しい。
そのために、この2年間の実務経験を免除する制度が用意されている。もしも2年間の実務経験がないのであれば、厚生労働大臣の認定を受けて、全国社会保険労務士会連合会が実施する「労働社会保険諸法令関係事務指定講習」を受講することで、全国社会保険労務士会連合会の名簿に登録し、晴れて社労士を名乗ることができる。受講料は7万円だ。この制度を利用するかしないかは、それぞれの状況によって様々だろう。
あらかじめ社労士試験を受験する前に、合格したあとの流れも含めて幅広い情報収集をしておくことはとても重要なことだ。ただ資格を取ることのみが目標なら別だが、社労士として活躍したいのであれば、合格後にどのような行動をとるのか、ということも考えておくといいだろう。