働き方

日本語教師は言語だけでなく文化も伝える仕事

投稿日:2015年6月29日 / by

あらゆる国籍の人が集う日本語学校という場所

「日本語教師」とは読んで字のごとく様々な国の人達に日本語を教える先生のことだが、母国語である日本国内でも年々需要が高まっている。その理由とは、近年はアニメやマンガといったサブカルチャーの世界から、日本へ興味を持つ外国人が増えてきているという他に、ビジネスにおいても海外から日本への人材流入が増え、職場で日本語が必要となるケースが増加しているというグローバルな時代背景に他ならない。

一口に日本語教師といってもその活躍の場は多様である。フリーランスや専門の人材派遣会社に登録して、日本で働くビジネスマンを対象に日本語を教えることも多く、日本語学校以外の働き方も徐々に増えつつある。他にも青年海外協力隊やシニア隊員のようなボランティアに日本語教師として参加をして、派遣国に貢献をする人も少なくない。

日本語教師は日本語を教えるだけではなく、学校によっては試験対策や進路指導など留学生の進路相談にも応じる必要がある。日本や海外の生活習慣といった幅広い知識の他に、いろいろな外国語の基礎知識や文化に対しての理解が必要だ。

さっそく勉強を始めるには

具体的な受験の方法に関しては、資格の大原(http://www.o-hara.ac.jp/best/nihongo/)の実例を参考にしている。より詳しい情報を知りたい人、今すぐ勉強を始めたい人はこちらへ。

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日本語教師講座 <資格の大原>

日本語教師には、様々な能力が求められます。日本語そのものに対する幅広い知識はもちろんのこと、非言語のコミュニケーション能力も重要な要素です。これまでの社会経験や、学生時代の経験、自身のIDENTITYが生かせる仕事、それが日本語教師です。

なお、ここでは資格の大原のホームページを参考にし、より具体的な情報を掲載する。

海外での日本語学習者数

2009年度総数 2012年度総数 増減率
学習者数 3,651,232人 3,984,538人 9.1%
機関数 14,925 16,045 7.5%
教師数 49,803 63,771 28.0%

国・地域名 2009年度学習者数 2012年度学習者数 増減率
中国 827,171 1,046,490 26.5%
インドネシア 716,353 872,406 21.8%
オーストラリア 275,710 296,672 7.6%
アメリカ 141,244 155,939 10.4%
マレーシア 22,856 33,077 44.7%
フィリピン 22,362 32,418 45.0%

総合的に国際文化交流を実施する「独立行政法人国際交流基金(The Japan Foundation)」の調査によると、世界の日本語学習者数は平成24年度の段階で約400万人であるが、これは四国の総人口に匹敵する数値であり、外国人の「日本に対する関心の強さ」が伺える。この海外の日本語学習者数、機関数、教師数は年々増加傾向にあることから、日本語教師の需要は世界規模で高まっているといえるだろう。

日本語教育能力検定試験とは

【実施要項】:日本語能力検定試験(2014年度の場合)
◇受験料:10,600円(消費税含)
◇願書受付:6月下旬~8月上旬
◇受験票:同年9月25日頃に協会から発送予定
◇試験日:同年10月下旬の日曜日
◇試験地:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡
◇合否の結果:同年12月下旬に受験者全員に文書をもって通知(同時に合格者には合格証書を交付)。

検定試験は年1回だけ行われるため、余裕を持って学習計画を立てたい。また。日本語教師の資格を得るためには日本語教育能力検定試験に合格するだけではなく、420時間の日本語教師養成講座を受講しても取得が可能な資格であるため、下記に紹介する資格の大原のコースを受講して資格取得を狙うのも良い方法だ。

合格をするためのカリキュラム

日本語教師は受験資格に制限が存在しないため、誰でも挑戦が出来る資格である。目指すのに遅すぎるということは無く、日本語教師を希望する学生に限らず、子育てが済んだ主婦が試験に挑んだり、サラリーマンが定年退職後に資格取得を目指すことも多い。資格の大原では、多様なニーズに応えるカリキュラムが用意されているので、一つずつ詳しく説明しよう。

420時間総合コース

日本語教師に必須とされる知識や教え方を総合的に修得するこのコースは、検定試験を行わずに資格が取得できるというのが最大の特徴だ。確実に日本語教師になりたい人や上手に教えられるか自信の無い人にオススメしたい。

講義のカリキュラムは理論編45回と実践編45回、そして実習編15回の計105回で構成されている。最初の理論編では日本語の文法や発音方法のような言語学習における最も基本的な部分を重点的に学ぶほか、言語習得のメカニズムに関する知識など外国語を覚えるための仕組みについても学習する内容だ。次の実践編においては、実際に日本語学校で使用されている日本語テキストを使って具体的な「日本語の教え方」を細かく学ぶ。また、ビジネスマンや留学生などあらゆる生徒に対して柔軟に日本語を教えられるよう対応しなければならないため、様々なケースを想定した応用力を鍛える内容となっている。

最後の実習編はこれまでの総仕上げとも言える内容である。これは実習生が主体となり実際に教室活動を行うが、少人数のグループに分かれて行うため、学んできた知識と協調性の両方が必須とされる。この実習編を全て終えた者には晴れて日本語教師の資格が授与されるが、資格取得後でも日本語教育能力検定試験に挑むことは可能なので、知識の再確認をしたい人はあえて挑戦をしてもみてもよい。

実践力養成コース

日本語教師の資格は取得しているが、実際にどのように教えるべきか自信の無い人のために実践力を習得するコースである。このコースは、先に紹介した「420時間総合コース」のうち実践編と実習編のみを受講できる構成になっているので、実務経験の無い人や眠っていた資格を再び活かしたい人にはピッタリのコースである。

検定直前対策コース

基礎知識は持っているが、検定試験の前に総仕上げを行いたい人にはこのコースが一番だ。基本演習6回と発展演習6回、そして直前対策4回の計16回で構成された短期の集中勉強に特化した内容である。試験で出題される科目の基礎固めと過去の本試験問題を解いて、万全の体制で検定試験に望むためのカリキュラムが組まれている。

検定試験合格者数

実施年度 受験者数 合格者数 合格率
2014年(平成26年) 4,363 1,027 23.54%
2013年(平成25年) 4,378 1,001 22.86%
2012年(平成24年) 4,798 1,109 23.12%
2011年(平成23年) 5,732 1,527 26.64%
2010年(平成22年) 5,616 1,197 23.35%
2009年(平成21年) 5,203 1,215 21.40%

「日本語教育能力検定」試験公益財団法人 日本国際教育支援協会
http://www.jees.or.jp/jltct/result.htm

受験者数は変動しているものの、合格者数は20%ほどで一定の数値を保っている。2011年より出題内容が改定され、試験の出題範囲に「基礎項目」が設定されたため、従来よりも基礎理論を習得する重要性が高まっている。

「日本語教師」という職業は、教える立場ではあるものの外国の人との対話や異文化交流による経験は、新たな考え方や価値観生み出し自身の大きな成長をもたらしてくれるだろう。国際交流を経て、高いコミュニケーション力を養いたい人にも是非オススメしたい職業である。

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