業務効率化を嘆く前にやるべき7つの取り組み

業務効率…?業務効率化はなぜ必要なのだろうか。企業でいえば、売上げと密接に関連するからだろう。ダラダラと仕事をしても売り上げにつながらなければ、誰も得をしない。この負のスパイラルは誰かが断ち切る必要がある。それはマネージャーである。つまり、業務効率化ができていないとすれば、それはマネージャーに原因があるのだ。「テキパキと仕事をしろ」と部下の尻を叩いても業務は効率化されない。やるべきことは、売り上げと勤務時間のコントロール。それもできる限り、科学的にロジカルに行う必要がある。そうでなければ、その場しのぎにしかならず、いつまでたっても業務効率化は浸透しない。

(1)ムダ時間の排除

業務効率化を叫ぶ前に、まず確認しておかねばならいことがある。勤務時間の中に潜む無駄時間の洗い出しである。一番怪しいのが会議。定例会議という名のもとに、2時間、3時間かけていないだろうか。中身といえば、決定事項の資料棒読み程度にもかかわらず…。会議という言う以上、3人以上は参加しているハズ。そうなると、ムダ時間は掛け算式に膨らむ。会議をするなら本当に必要な事案だけにせねばならない。それだけでムダ時間は大幅に削減される。マネージャーはそれが何かに頭を使うべきである。

業務報告に日報を活用している企業も多いだろう。これもムダの根源だ。確かに報告は重要かもしれない。たいていのトラブルは、報告忘れによるからだ。しかし、社員が日報を書くのに頭を悩ませるのは時間の無駄。通常報告は何かあった時のみして、詳細は週報に集約するなど、やり方はいくらでもあるハズだ。報連相なしで業績をアップさせている企業もある。それは、各社員に裁量を大幅にゆだねているからだ。管理の仕方を緩くシフトしてみることも実は、部下のやる気を引き出し、業務効率化につながったりする。

(2)残業の禁止

ムダ時間が排除できれば、社員はかなり業務に集中することができるようになる。そこですべきことは、残業の禁止である。人が集中するためには、ゴールが決まっていることが重要になる。「必ず7時までに帰社せよ!」。マネージャーが厳命することでケツをガッチリと固める。それによって、社員はそこへ向かって逆算で業務を進める。無駄な時間も削減されているワケで、業務はスイスイと進むハズだ。そうやって、残業=悪というムードまで醸成できれば、業務効率化は大幅に進展するハズである。

残業をなくすことは、副産物も生みだす。私生活の充実だ。それまで残業で埋め尽くされていた仕事後の時間がぽっかりと浮くことで、社員はまるで新しい世界をみつけたような感動を覚えるかもしれない。すっかり忘れていた趣味の時間に充てるもよし、パートナーや子どものために時間の使うのもいいだろう。1日の中でしっかりとオンとオフが切り替えられることで、社員の能力も十分に発揮される。強制的に残業禁止にして、その結果、社員から上がってくる声を吸い上げ、どうすれば残業をしないで業務を進められるのか、という逆説的な課題解決に活用してみるのもいいだろう。

(3)仕事量とスキルのバランスの精査

ここまで来ると、業務はかなり効率化されているハズだ。それでもどうしても残業を減らせない。その場合の課題は明白。仕事が多すぎるのだ。もしくは、本来ならこなせるはずが、スキル不足によって時間がかかっている。そのどちらかだ。前者の場合は、詳細は後述するが、策は2つ。仕事を減らす。もしくは人を増やす。後者の場合は、スキル不足の社員の仕事を減らす。もしくは、配置替えをする。あるいは教育する、のいずれかの策をとる必要がある。どれにするかは、コストバランスと納期までの時間などで判断することになる。

大事なことは安易に仕事を減らす選択をしないこと。どうすれば、現状の人員でこなせるのか。これを最優先に策を練る必要がある。そこを基準にしなければ、チームの成長はないし、社員の可能性を伸ばすことにもならない。さらにいえば、出来ない仕事をできるようにすることもマネージャーとしての腕の見せ所。そのために部下の尻を叩いている様では、最低のマネージャーだ。叩くのは自分の脳みそにしてアイディアを絞り出せ。

(4)仕事量と売り上げの精査

どうしても仕事の量を減らすしかなくなった。その場合、どう考えればいいのか。当然、最優先は売り上げ。つまり、減らす仕事は、売り上げの少ないタスクということになる。ポイントは、額面でなく、費用対効果だ。人員がかかる割に、利益が少ない。そういうタスクは、バッサリと斬捨てよう。そのクライアントが、重要だとしても、割に合わない仕事を依頼するという点で、距離を置いてもいいだろう。

この精査のプロセスは、仕事と時間について考えるいい機会にもなる。「儲かるからとにかく請け負う」。それがいかにムダにつながることかがよく分かるからだ。自分たちがどういうポリシーで、案件を請け負っているのか。そうした考えなしに仕事を受けた時点で、業務効率化は困難になっていることに気付かねばならない。逆にいえば、業務効率化は、単に作業の効率を上げるだけでなく、そもそもなぜ、それをやるのか、にまで関連しているということだ。マネージャーなら、そうしたところにまで頭を回すべきだ。

(5)人員の再配置

仕事を減らすことなく、何とか現有人員で乗り切る。そういう選択をした場合、人員の再配置が考えられる。専門性が高い場合は難しいが、汎用性のある仕事の場合、処理能力の高い人員に仕事を多めに割り振る選択が有効だろう。ただし、その場合、何らかのインセティブを与えてあげるのが筋だ。会社にそういう仕組みがなければ、そうした働きかけをしてやるべきだ。ダメならポケットマネーで労ってやる。

人員の再配置においては、注意すべき点がある。評価の優劣が露骨になりがちなので、そうならない配慮が必要ということだ。「能力がないお前が悪い」ではなく、「いまは能力はないが、いずれ腕を上げる」。そう思わせる働きかけが必要となる。教育システムを構築、あるいは別の才能を見出す…など、再配置に何らかの意味や道筋を持たさなければ、結果的には組織にひずみが生じ、ひいては業務効率化の妨げとなる。

(6)テクノロジーの活用

最新のテクノロジーを活用することで、作業時間の短縮は大幅に短縮することが可能だ。ポイントは2つ。コミュニケーション時間の短縮に力点を置く。もう一つは、あくまでサポート的に活用する、だ。前者においては、勤務時間内において、ムダとは言わないまでも、コミュニケーションに占める割合は多く、削れる部分が多いため。後者では、最終的には確認作業は人間がやることを踏まえ、二度手間リスクとクオリティ低下を避けるため、である。

コミュニケーションにおけるテクノロジーの活用においては、SNSやチャットを有効に活用することで、時間と場所の制約がなくなり、会議の概念を薄れさせることもできる。作業におけるテクノロジーの活用については、デザインやテキスト作成といったクリエイティブなタスクを除く、ルーティンにおいて、有効に活用することで、質を下げずに業務効率化を図ることができる。マネージャーとしては、こうした施策を行うにあたり、言い放しにしないことが重要だ。習慣を変えるには繰り返し言い続けることが肝だからだ。

業務効率を語るうえで忘れてはいけないのが、オートメーション化である。
テクノロジーの発展により、自動化できるものはどんどん自動化されてきている。駅の改札も自動改札に変わり、コンサートチケットの本人確認もQRコードで読み取られるようになった。このことによって作業効率は倍以上になっている。当たり前のように受け入れてきた自動化の波。個人でもクレジットカードを使用することで、自動支払いなどの恩恵に受けていることを忘れてはならない。
業務の効率に欠かせない自動化については、こちらの記事をご覧いただきたい。
ビジネスパーソンンの効率化は“公私混同”してこそ意味がある

(7)アウトソーシング

これは最終手段。マネージャーとしては、出来るだけ安く、質の高いところへ依頼するのが役目となる。幸い、いまはクラウドソーシングが浸透し、良質なスキルをリーズナブルなコストで活用する環境が整っている。個人への発注となるので、しっかりとディレクションできなければ、せっかくの外注が業務効率化を妨げることになりかねない。そうした人員がいない場合には、安易に活用することは避けるべきだ。

どうしても人が足りない。その結果、アウトソーシングを決めたわけだから、ここでも効率化を徹底する必要がある。つまり、クラウドソーシングで見出した人材を、自社にスカウトするのだ。そうでなくても、定期的に活用する“外部人員”としておさえておく。そこまで見据え、アウトソーシングするのであれば、最終手段である一方で、有効な戦力補強にもつながり、深い意味での業務効率化になる。マネージャーならそこまで考えるべきである。

まとめ

どうだろうか。「業務効率化をしないといけない」と嘆き、部下の尻を叩く前に、マネージャーとしてやるべきことは山ほどあるだろう。「そんなことはとっくに考えている」。本当にそうなら、徹底して取り組むべきである。徹底して。考える前に部下の尻を叩いていたなら、まずはムダ時間の排除から取り組もう。業務効率化は、単に仕事を効率よくするということだけではない。その先には、業績のアップと社員の幸福が待っているのだ。

こんなところでも業務効率化が可能

個人単位で取り組める業務効率化もあれば、企業単位で取り組むべき業務効率化もある。例えば企業単位で取り組む業務効率化として、勤怠管理を挙げることができる。最新のシステムを取り入れることで、社員は「交通費精算」を効率化することができ、管理部門は「事務作業」を効率化することができる。以下では、勤怠管理の業務効率化について、具体的に紹介する。

勤怠管理のメソッド

時代の流れによって変化していく勤怠管理の方法
ムダをどんどん省いた先にある勤怠管理システムとは

勤怠管理の歴史

江戸時代から存在した勤怠管理の方法とは
江戸時代に三井越後屋が築いた勤怠管理の方法
江戸時代における勤怠管理に使われていた「改勤帳」とは
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個人でも実践できる勤怠管理

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