インタビュー

いくつになっても輝き続ける生き方とは

投稿日:2015年2月11日 / by

kato3傘寿を超えてなお放たれる美しさ

魅力学研究所 代表

加藤久美子氏

「いくつになっても輝いていたい」。女性にとって、“永遠の美”はとりわけ、強い願望といえるだろう。「あなたもきっと15歳若返る!」(日本文芸社)の著書、加藤久美子氏。御年82歳の健康と美のスペシャリストは、写真の通り、いまなお時空を超えた美しい輝きを放っている――。その秘密はどこにあるのか。本人を直撃した。

常に「いまが最高のチャンス」

女性の社会進出が強く叫ばれる昨今、その存在感も少しずつ高まりつつある。一方で、男性と同等の業務をこなし、心身をすり減らす女性も少なくない。光を放つ研磨なのか、疲れ果ててしまう摩耗か…。女性がいつまでも輝き続けるためには、当然、前者のように日々、内からあふれるやる気とともに自身を磨き上げ、前進し続ける必要がある。

「なにをするにも年齢は言い訳になりません。人生に下り坂などありませんよ。何歳になっても人生は登っていくもの。山の高みに上ると、下にいては分からない美しい景色が目の前に広がります。常に『いまが最高のチャンス』。人生のハードルをゲーム感覚で楽しみながら超えていきましょう」。

傘寿を超えてなお、輝きを放つ加藤氏の美しさの秘密は、この言葉に集約されるといっていいだろう。まさにその言葉通りの人生を、氏は歩んできているからだ。

厳格な家庭で主婦業に専念した20代、30代

高校時代、NHK大分放送劇団に出演していた加藤氏は、卒業後、50倍近い難関をクリアしNHK大分放送局に入る。ラジオドラマ、司会などで活躍していたが、20歳で縁があって結婚、上京した。当時、結婚しながら他のことをすることなど許されることはなく、加藤氏は嫁ぎ先で一男を儲け、主婦として、家庭を守った。

昔かたぎの義理の母のもと、加藤氏は、多分に厳格な家庭の主婦として、17年を過ごす。最もこの期間についても「それはそれで意味のある期間だったと思います」と前向きに捉え、主婦業にも全力を注いだ。そうした中で、義母が「学ぶことはチャンスと捉えなさい」と知的暮らしを推奨。知を磨くことには開放的だった。これが、加藤氏のその後に大きな影響を与えることになる。

貪欲な学ぶ意欲がもたらした転機

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主婦時代に計画を立て、興味ある分野の知識をどん欲に吸収した

子育てが一段落したころに、水を得た魚のように、知識の吸収にどん欲に動いた加藤氏は、当時はまだ珍しかったカルチャーセンターに通いつめる。単なるリフレッシュではない。しっかりと計画を立て、自分のものにすることを目標とした。マナー、美容、ファッション…人の魅力に関することに興味があった加藤氏は、それぞれ3年計画で、自分のものになるまで追求した。

ある時、セミナーの帰りに、来場していた編集者と帰りが偶然一緒になる。そこで、ニキビに悩んでいた編集者に、その解消法をアドバイス。それがきっかけで、のちにセミナー講師としてのオファーが舞い込むことになる。「いまが最高のチャンス」。その辞書に「ノー」のない、加藤氏は、二つ返事で引き受ける。これをきっかけに、氏には次々と美容関係の仕事が舞い込むことになる。

38歳の時には、なんと化粧品メーカーの美容部長に就任する。当時は、女性管理職などほとんどいない時代。セミナー講師もし始めていたが、主婦には変わりない。それでも「薬学の先生を付けてくれるなら」と条件を付け、快諾。さらにステージをひとつ駆け上がった。

同社で専任部長として10年務めた後は、魅力学の講師として、執筆・講演活動で全国行脚。年間150本を超えるハードな毎日を駆け抜ける。その間、体調不良に悩まされたが、57歳のとき分子整合栄養医学と出会い、回復を果たす。ここでも、学びをチャンスに変え、なんと、自分から「本を書かせてください」と分子整合栄養医学の権威に懇願。勉強しながら9ヵ月かけ、一冊にまとめあげる。それが最新刊の前身でもある「あなたも十歳若返る」(ごま書房)だ。

常に向上意欲を持ち続けることで内面から磨かれる美

会話もウィットに富み次から次へと言葉が出てくる

会話もウィットに富み次から次へと言葉が出てくる

こうして、加藤氏の半生をザッと振り返るだけでも、衰えぬ若さの秘密が良く分かる。つまり、常に好奇心、向上意欲を持ち続け、何事にも前向きに取り組む姿勢だ。もしかすると、どんな女性にも、実は同じように目の前にチャンスがぶら下がっているのかもしれない。しかし、「自分には無理」とか「責任が重いからやりたくない」とか「自信がない」という理由で、無意識に遠ざけているだけなのかもしれない…。

「いつも人との出会いや助けがあってここまでやってこれました。そのことには本当に感謝しています。ただ、ひとついえることがあるとすれば、人生の中で、自分の計画はしっかりともたなければいけません。1ヵ月先、1年先、3年先…頭の中に常に自分はこういうことを学びたい、ということを描いておくことです。そうすることで、チャンスが来た時に逃がさずつかみ取ることができるのだと思います」。

真の美しさは内面からあふれ出すといわれる。加藤氏の輝きはまさに内面から放たれている。「女性活躍社会の実現」などと声高に叫ばれているが、どんなに国が環境を整えても、そこへ向かう意識が成熟しなければ、「摩耗」にしかつながらない。加藤氏の生き方は、まさに働く女性がいつまでも輝き続けるために必要な要素が凝縮されている、最高のお手本のひとつといえそうだ。(後編は美容について)


〈プロフィール〉加藤久美子 NPO分子整合栄養医学協会健康管理士・血液診断士。
大分県生まれ。25年間分子整合栄養医学を学び実践。医療コーディネーターの立場で医師と連携しながら、カウンセラーとして活動する。通信教育でAmerican Holistic College of Nutritionの学位取得。魅力学研究所所長。美容・ファッションなどのトータルライフカウンセラーでもある。著書には「あなたも十歳若返る」「やせて十歳若返る」(ごま書房)、「腸免疫力ダイエット」(日本文芸社)などがある。魅力学研究所HP:http://kato-miryokugaku.com/

15【あなたもきっと15歳若返る!】
アナタも十歳若返るに最新情報を加え、21年ぶりに大幅に改訂した。「若さを保つ分子栄養学の秘密」「栄養素を十分に取り入れて十五歳若返る」「美しい皮膚には十分な栄養素が必要」、などの情報を加筆し、からだの仕組みについて詳細に解説している。栄養をベースにした若返りのノウハウであり、本質的なアンチエイジング本として、大いに参考になる内容となっている。

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