企業風土

カジュアルな服装で会議をして科学的検証をした結果…

投稿日:2016年11月28日 / by 瓦版編集部

服装が仕事に与える影響を科学的に検証

かつて、プロ野球球団やメディア買収騒動の渦中で、Tシャツにジーンズ姿でふるまった経営者がいた。旧体制をぶち壊さんばかりの勢いにあふれるその経営者のカジュアルな服装は、旧来のビジネススタイルに捉われない強い意思表示のようでもあり、“戦闘服”にさえみえた。それほどインパクトは絶大だった。結果的には、古い圧力に潰された格好となったが、時代が着実に変化していることを感じさせるに十分の印象を残した。

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事例としては極端だが、ビジネスとファッションの関係は密接だ。日本では会社員といえばスーツ、というのが一般的。ここ数年はカジュアルな服装を許容する企業も増えているが、まだ多数派とは言い難い。とはいえ、産業構造が変化し、いまやその軸足は接客などのサービス業やIT系を筆頭にした創造性が求められる産業へとシフトしている。規律で縛り、堅苦しいだけでは十分に能力を発揮できず、生産性も低下させかねないのが実状だ。

「職場にカジュアルな服装を」。こうした転換を図る上で、抵抗勢力に対し、最もシンプルかつ有効なのは、エビデンスで証明することだ。ギャップジャパン(株)が、まさにオフィスでのカジュアルな装いの効能を実験で検証している。同社事業との強い関連があり、自身もオフィスカジュアルを実践し、その有効性を実感しているからこその自信をもっての取り組みだ。

実験台となったのは、資生堂と全研本社。化粧品とITとその領域こそ違えど、ともに事業において創造性が求められる企業だ。オフィスカジュアルを推進するギャップジャパンのデニムフライデイの趣旨に賛同し、すでに職場のカジュアルウエア着用も容認している。両社にとっても、職場カジュアル化促進への試金石となる、気になる結果はどうだったのか…。

会議パフォーマンスはカジュアルでもフォーマルと変わらず

実験は、カジュアルウェア、フォーマルウエアそれぞれでの脳波の違いを会議の前後で計測することで可視化。その違いで検証した。結果は、男女ともにカジュアルウェア着用時の方が、会議の前の周囲や環境への「興味度」が高く、「ストレス度」が低い。つまり、カジュアルウェア着用により、リラックスし、同席したものへの興味、関心が高まり、アイスブレイクが自然に生まれたことが示唆された。

会議がスタートした後については、脳波はカジュアル、フォーマルに大きな差はみられなかった。このことから、カジュアルウェアでもフォーマルウェア着用時と同等の集中力、パフォーマンスが発揮されることが推察される。

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実験を監修した慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科准教授の満倉靖恵氏は、この結果について次のように解説する。「今回の結果から、カジュアルウェアは会議前のアイスブレイクに特に有効で、かつ会議中のパフォーマンスを下げない、オフィスにおいてプラスになる服装だということが分かります。脳波解析の側面からこうしたことを実証できたことは大変意義深く、オフィスでのドレスコードのカジュアル化の潮流を後押しするものになると考えます」。

誰もが薄々感じていた、服装と作業効率のモヤモヤが、まさにスッキリと晴れる結果が出たといえるだろう。もちろん、重要な商談の際にはスーツ姿が望ましいかもしれない。だが、職場で作業をする分には、カジュアルウェアであることは、ほとんど生産性に影響しない。むしろ、向上させる可能性さえあるのだから、今後、職場のカジュアル化が一気に加速する可能性もあるだろう。

公私混同は問題外だが、職場でもプライベートでも自分らしくあることが、そのパフォーマンス最大化にプラスに働くことは自明だ。そもそも、日々のおしゃれは、自分をいかに自分らしくみせるかという自己プロデュース能力の鍛錬にもつながる。決まりきった服装で、毎日出勤する場合と比較しても、創造性の面で大きな差がつくのは明白だ。政府の後押しもあり、働き方改革が着々と進んでいるが、型にはまった制度の導入より、服装をカジュアル化するだけでも、風土改革には案外有効だったりするのかもしれない…。

◇オフィスカジュアルの着こなしのヒントはこちらから→自分らしさが仕事効率を上げる!オフィス向けデニムコーデとは

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