働き方

男女育ボスが明かす、働き続けられる会社づくりの極意

投稿日:2016年11月29日 / by 瓦版編集部

なぜ社内風土改善は一筋縄でいかないのか

長時間労働是正、有休・育休を当たり前に取れる風土づくり、ライフスタイルに合わせた働き方の定時…。こうしたことが実現できれば、職場は居心地がよくなり、生産性が上がり、いつまでも働き続けたくなる。ところが、経営者にとっては利益と相反なのか、なかなか踏み出さない。踏み出したとしても、売り上げを気にするあまり、優先順位が下がり、結局定着しない。

制度定着の極意を明かした岩崎代表(左)と沢木代表(右)

制度定着の極意を明かした岩崎代表(左)と沢木代表(右)

当然、ネックは経営者にある。頑張って旗を振る経営者とて例外でない。なぜ、職場環境の改善はこれほどまでに難しいのか。答えを知っているのはもちろん、実践出来ている経営者だ。女性経営者代表として、ランクアップの岩崎裕美子社長、男性経営者代表はおかんの沢木恵太社長。ともにママ、パパでもある2人は、なぜ働きやすい職場づくりを実践できているのか。その極意に迫る――。

制度を定着させるために重要なこととは

「制度を設けるにしても、本当にそれをしたいと思ってやっているのか。それが一番重要だと思います」。岩崎代表はズバリ明言する。午後5時帰宅制度を導入するなど、残業ゼロ体質を浸透させ、他企業からの相談も受けることが多いという岩崎代表。そうした企業にまず問うのが、その部分という。つまり、いま長時間労働是正の風潮があるから、ポーズとして制度を導入する。そうした姿勢ではとうてい、浸透などしないということだ。

「私の場合、かつて長時間労働当たり前のいわゆるブラック企業にいて、アタシ自身それが当たり前と思っていました。でも、起業にあたっては、絶対にそんな会社にしていけないと強く思っていました。女性が働き続けられないですから。だから、やらなければいけないという必要性がある。だからぶれないんだと思います」と岩崎氏。長時間労働を是正しなければ社員が疲弊する。なにより、それでは女性が子供を生んだら働けなくなる。そうした自身の経験を踏まえた危機感が、岩崎氏が本気で制度浸透を推進する原動力となっている。

おかんの沢木氏もほぼ同意見だ。「弊社の場合、働き方を改善することが経営ビジョンのひとつになっています。ですから、我々自身がいい働き方をできていないと説得力がない。社員に女性が多いのですが、自分が4児のパパであることもあり、ママの苦労を分かっている。そうしたことも、制度の浸透を迷いなく推進できていることにつながっていると思います」。

事業と結び付ける発想が欠かせない

必要は発明の母なりというが、環境改善が必要という心からの思いがなければ、どんなに立派な制度でも絵に描いた餅、形骸化しかねない。両代表の言葉からはそのことがひしひしと伝わってくる。その他、トップダウンだけでなく、現場から声を吸い上げるスタンスも重要になる。岩崎氏が力説する。「ママは子供が熱を出したら休むなど、戦力としては計算できない。それでも休まずに働き続けることが、いつまでも働き続ける上で重要になります。そのためにどんな働き方がいいのかは、実際のママの声が一番価値があります」。

働きやすさを事業と連動させることもポイントだ。おかんのように直接的に、メインサービス自体が、職場の健康サポートという場合は分かりやすいが、さらに少し発想を拡げれば、提供する健康食材を自宅に持ち帰ってもらって、家事サポートと考えれば、働くママの支援にもつながってくる。ランクアップは化粧品メーカーだが、その商品は、簡単にメイクできる時短を意識したものや、お風呂に入れれば、こどもを浸からせるだけで洗う必要がなくなるボディウォッシュ製品など、アイディア製品を続々開発。ユーザーの生活快適化を意識することで間接的に働くママの活躍を支援。その結果売り上げアップにもつなげるという好循環を実現している。

どんなにいい制度でも浸透させるにはやらされ感の払しょくが肝となる。トップが本気になることが重要なのは言うまでもないが、そこに「やる意義」をしっかりと盛り込めるかがさらに重要となる。そして、製品やサービス開発に、間接的でも働くことをサポートする発想を織り交ぜることで、自分事になり、“作業”だったものが一転、夢中に取り組めるやりがいある仕事に変わる。職場環境改善に苦慮する企業は、もう一度立ち止まり、うまくいかない原因を洗い出し、取り組み方を改善することから着手すれば、劇的な変化がみられるかもしれない。

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