働き方

“エンジニア2020年問題”の先に透けるポスト正社員の合理的なカタチ

投稿日:2016年5月12日 / by 瓦版編集部

正社員から緩いつながりにシフトするのは時間の問題
プロワーカー最前線 <第二回>

「もはや企業は正社員というカタチではなく、必要な人材を必要な時に囲う形にシフトするのは避けられないだろう」。そう明言するのは、エンジニアの雇用情勢に詳しいMCEAホールディングス代表取締役社長の齋藤光仁氏。少々センセーショナルなこの発言が意味するのは、企業の体力低下とエンジニアスキルの賞味期限の短縮化だ。

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トークセッションで“エンジニアの2020年問題”を語った面々(左から佐々木俊尚氏、MCEA齋藤社長、エルテス菅原社長、尾張孝吏氏、PE-BANK櫻井社長

エンジニアについては、2020年の“エンジニアショック”がまことしやかにささやかれている。2020年までは、旺盛な需要で人手不足が懸念される一方で、それ以降は、急速に仕事がなくなり、大量失業が起こるというショッキングな予測だ。これについては、(株)PE-BANKがアンケート調査しており、<エンジニアショックは起こらない、むしろ需要が増加する>という声が大勢を占める結果となっている。

もっとも、2020年以降、エンジニアの雇用は安泰かといえば、話は違う。2020年を境に、エンジニアに求められる資質は大きく転換する。それはつまり、有能なエンジニアとそうでないエンジニアの二極化が進むということだ。当然、有能なエンジニアには仕事が集中し、奪い合いが起こる。一方、そうでないエンジニアは、人工知能に取って代わられ、仕事があっても薄給の単調業務に忙殺されることになる…。

こうしたシナリオは、エンジニアだけに留まらない。あらゆる業種・業態で大なり小なり、二極化が進み、大きな格差が生じることになる。そこへきて、企業の体力低下となれば、雇用のカタチは自ずと変質せざるを得ない。実際、「正社員」という雇用形態は減少の一途をたどり、それとは一線画す、緩いつながりのプラットフォームとして、企業がワーカーと雇用契約を結ぶ新しいスタイルが、多くの業種・業態で広がり始めている。

会社員エンジニアのフリー化を促進する企業も

フリーエンジニアを受け入れるプラットフォームとして、その受け皿となっている PE-BANKもそのひとつだ。同社は、エンジニアの独立を支援するというスタンスで、会社員エンジニアのフリー化を促進。リスクを抱えることになるフリーエンジニアを、会社員並みの待遇でバックアップし、仕事探しなども支援する。そうしたサポートによって、フリーの不安定を解消。安定したフリーランスとしての活動を実現する。同社にとっては、多くのフリーエンジニアを抱えることが案件受注における競争力となるため、バックアップコストもペイできるというわけだ。

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こうしたカタチが主流になるプロセスでは、どうしても人材の淘汰は避けて通れない。評価が完全実力主義となるからだ。フリーエンジニアとして活動する尾張孝吏氏は「今後は単純なプログラミングは自動化が進む。これからはそうした作業だけしかできないエンジニアは淘汰されていく。代わって求められるのが、幅広い技術とコミュニケーション能力」と語り、厳しい状況ながら、いい意味で今後、プロ化が加速することを予測する。

企業が縛ることを前提とせず、プラットフォームとしてフリーランスを抱え、窓口として業務を安定受注。案件に応じ、ベストな布陣を組み、フリーランスは常にそのパフォーマンスを最大限に発揮。会社としての信用アップに貢献する--。企業にとっても、フリーランスにとってもウィンウィンなこうした関係が、これからの雇用や働き方の主流へとシフトしていく可能性は濃厚だ。その時、キーワードとなるのが、まさに「プロフェショナル」。常に最高のパフォーマンスを発揮し、研鑽を重ねるホンモノのワーカーのみが、自由と安定を確保できる。そんな時代が、もうすぐそこまで近づいている…。

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