働き方

経営者VS人工知能。的確な経営判断ができるのはどっち?【瓦の目】

投稿日:2016年6月3日 / by

人工知能が経営判断するシステムが登場

「来期から自動車事業は撤退し、ロボット事業に専念する」。こうした経営の重要判断を人工知能(AI)で行う時代が、そう遠くないうちに到来するかもしれない。日立製作所が開発中のシステムは、企業の経営判断を支援するもの。テーマに対し、AIに学習させ、賛成か反対かの根拠を提示する。学習のリソースは約120万件の新聞記事データ。3年以内の実用化を目指しているという。

「ワタシハテッタイスベキトトオモイマス」

「ワタシハテッタイスベキトトオモイマス」※写真と本文は関係ありません

機械による職の侵食が叫ばれる中、経営判断は、聖域とする声もある。2者択一で決められる簡単なものでなく、長年の勘や肌感覚が重要と考えられているからだ。その意味では、先のシステムは最終的な候補に絞り込む役割に特化させ、最後は経営者が決断する、という使い方がベターなのかもしれない。だが、これまでに経営判断の失敗と思われる転落事例は、数多ある。そう考えれば、AIに任せてしまう方が合理的であるような気もしてくる。

キーワードは「感情」

当面ないだろう、と思われていた囲碁の人間制覇をたやすく実現した人工知能。その成長速度は人間を圧倒的に凌駕している。つまり、どこまで進化するのかさえ読めないくらいに人工知能は飛躍を続けている。経営判断の際に経営者の頭に浮かぶ、ステークホルダーの顔や社員の顔、その家族の顔…。データだけでは説明がつかない判断材料が、的確な判断を狂わせるのは、経営的にはよくないが人間としては健全だ。

経営判断に近い投資の世界では、AIはすでにまさに人間離れした結果を弾き出している。利回り50%も夢ではないといわれるその実力は、すさまじいデータ分析力、判断スピードで金融市場を侵食しかねない勢いだ。このままでは規制がかかることも十分考えられそうだが、一度進みはじめた人工知能の勢いは簡単には止められないだろう。<感情がない>。すさまじいデータ解析ばかりに注目がいくが、人工知能の最大の武器は、実はそこだろう。

数年後、経営判断を人工知能が下すことが当たり前になった未来に、現状では幸福な社会が築かれている姿は想像しづらい…。

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