働き方

他人の10倍稼ぐビジネスマンがやっている意外な作業とは

投稿日:2016年8月29日 / by

変人安田の境目コラム

才能のない人間でも社会に出て成功デキる理由

人生には様々な選択肢がある。勉強が得意ならば、学問を極めて学者や医者や弁護士になるのもいい。運動が得意ならば、野球やサッカーやテニスなどのスキルを高めてプロスポーツ選手になるのもいい。美術や音楽が得意ならば、絵の技術や音楽の技術を磨いてアーティストになるのもいい。

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得意な分野を徹底的に極め、その道のプロとして生きていく。分野は違えども、どれも素晴らしい職業である。だがここにひとつ、大きな問題がある。持って生まれた頭の良さ、容姿、身体能力は、変えることが出来ない、という問題である。

誰でも勉強すれば医者になれるというわけではないし、誰でも訓練すればプロ野球選手になれるというわけでもない。そこには持って生まれた才能が必要不可欠なのである。では、どの分野にも才能を見出せないまま社会に出て行く人々は、一体どうすればいいのだろうか。

国語・算数・理科・社会・美術・音楽・体育など、いわゆる学校教育で出会う分野には全く才能がない。にもかかわらず、ビジネスにおいて大きな成功を修めている。そういう人が世の中にはたくさんいる。なぜか。それは、ビジネスの世界では、成功のルールが全く異なるからである。

学校では、自分自身のパフォーマンスを高めることが要求される。自分の成績を上げる。自分の身体能力を高める。自分の技術を磨く。それが成功のルールだからだ。裏を返せば、他人の成績が上がることは、相対的に自分の成績が下がることを意味する。従って、自分の成績を度外視してまで他人のパフォーマンスを高めようという人間はいない。

社会のルールを知ることで増大する稼ぎ

だが社会に出ると、このルールは根底から変化する。ビジネスでは、他人のパフォーマンスを高めた成果が、自分の報酬となって返って来る。この現実を理解している人間は非常に少ない。学校から社会へと活動のフィールドが変わるプロセスで、ルールが変化したことに気がついていないのである。

例えば多くの営業マンは、自分の営業成績を上げることに必死である。だが自分自身のパフォーマンスアップには限界がある。身体はひとつしかないし、1日は24時間しかないからだ。営業成績を2倍にしようと思ったら、休みなく働かなくてはならない。それでも増える報酬はたったの2倍。では他人の5倍、10倍と稼ぐビジネスマンは、一体何をやっているのだろうか。

彼らに共通しているのは、他人のパフォーマンスを高めるという作業である。自分ではなく、他人のパフォーマンスを高める。それがビジネスの世界では最も効率の良いやり方なのである。自分の営業成績を2倍にするのではなく、営業所全体の成績を1.5倍にする。その方がはるかに多くの利益を会社にもたらすことが出来るからだ。

さらには営業所に留まらず、会社全体の売上をアップさせる。その貢献度は計り知れない。当然のことながら、その評価は報酬となって返って来る。一見、自分とは関係無さそうな他人、他部署、他社、他業界のパフォーマンスアップ。その成果の一部は、必ず自分の報酬として返って来るのである。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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