働き方

HRテックで煩雑な作業を軽減する先にある本当の価値

投稿日:2016年9月13日 / by

労務関連書類の煩雑さを解消するサービス

旧来からの転換で、その恩恵を最も実感できるのは、煩雑な作業を軽減するためのHRテック活用だろう。(株)KUFU(東京・港区、宮田昇始社長)の「スマートHR」は、社会保険や労働保険の手続きをウェブで完結するサービスだ。

SmartHR   すべての労務を1クリックで

人事系の書類作成はとにかく煩雑といわれる。量が多く、役所等への申請も大変…。その労力は甚大だ。もちろん、必要な労力であり、時間だが、戦略人事の中枢を担う部門で、事務作業に忙殺されるようでは、ライバル企業に取り残されかねない…。

スマートHRは、同社宮田代表自身の経験から労務関連書類の煩雑さを痛感し、誕生。それだけに、かゆいところに手が届く仕様となっている。

フォームに従業員の入退社時に必要となる扶養家族などの情報を入力すると、必要書類を自動作成。ハローワークや年金事務所への申請もWEBで完結する。急拡大中の企業や離職者の多い企業にとって、人事の労力を大幅に軽減するツールで、まさにテクノロジーの進化を実感する。 サービスから1年足らずの2016年9月時点で導入企業1800社を突破している実績が、その何よりの証拠といえるだろう。

戦略人事のバックアップがそのミッション

同社が掲げるミッションは「素晴らしいが不便で煩雑な社会保障制度を、テクノロジーと創意工夫でもっとシンプル、かんたん、便利に変え、経営者は本業に、人事担当者は採用や制度づくりに集中でき、従業員はより環境で安心して働くことができる。そうした社会をスマートHRで実現します」となっている。まさに戦略人事のバックアップがその使命というワケだ。

これまでのテクノロジーの進化は、ひたすら便利になり、さらにその次というスタイルが多かった。だが、HR領域においては、便利にすることで作業内容をより深化させるという方向性が鮮明だ。それは、ヒトと密接にかかわる部門だけに、限りなく便利にしても、それはあくまで、人が人のために割ける時間をより建設的で発展的にするため、という暗黙の一線が明確だからだろう。

テクノロジーの進化によって、人の仕事が奪われるなど、ネガティブな反応も少なくない。だが、データだけで人を完ぺきに評価することは不可能だ。人でしか分かり得ない、目には見えない評価の要素も確実に存在する。だからこそ、人事領域においては、テクノロジーとの共存が可能であり、より大きな相乗効果が期待できる。そこにHRテックの大きな可能性があることを企業を見逃してはいけない。もちろん、社員も過剰に振り回されないことが重要だ。テクノロジーの進化はあくまで社会を便利にするため。いつの時代もそうだったことは歴史が証明している。(了)

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