働き方

仕事と子育てを両立する理想的なカタチとは

投稿日:2016年10月27日 / by

リモートワークが創造する新しい職場のカタチ

職住近接は、通勤時間の圧縮やワークライフバランスにとって都合のいいワークスタイルの1つと知られている。実践する社員に手当を支給する企業も存在する。だが、時間と場所に捉われないリモートワーク導入企業なら、そもそも通勤という概念はなくなる。そうなれば、新しい形の働き方の創造の可能性は大きく拡がることになる。

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全従業員に「リモートワーク」を導入するなど、働き改革を加速させるリクルートホールディングスがこのほど、新たな取り組みを開始した。キッズスペース付きのサテライトオフィスの試験設置だ。その背景について、同社では次のように説明する。

「働き方変革を進める一方で、リクルートグループにおけるワーキングマザー比率が約20%に達するなど育児をしながら働く従業員が増えており、保育園に入れない待機児童問題や子どもが小学校入学後に直面するといわれる『小1の壁』問題※に対する不安の声が高まっています。さらに、時間の制約により仕事の成果が満足に出せないといった悩みや、ワーキングファザーによる家事・育児支援へのサポートを求める声もあり、今回の実証実験の実施を決めました」。

 2か月の実証実験で探る仕事と子育ての両立

実証実験の実施にあたり、同社は託児付コワーキングスペースの運営などを行う「ママスクエア」、不動産総合マネジメントの「ザイマックス」と協業。東京・品川区にキッズスペース付きサテライトオフィスを試験的にオープン。従業員が、子どものそばにいながら安心・集中して働けるワークプレイスの有効性を約2か月の期間で検証する。

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同所は、ブース席や打ち合わせ部屋などで構成された「ワークスペース」と、子供が宿題や読書、遊びなどができる「キッズスペース」で構成。2つのスペースは、ガラスで仕切られ、従業員は常に子どもの様子を確認できる。保育士等のサポートスタッフも常駐し、遊び相手になるなどこどもの見守りも行い、仕事と子育てを両立するには申し分のない環境となっている。

この実証実験で同社は、従業員にアンケートやインタビューを実施。こどものそばにいながら安心・集中して働ける環境が、働くママやパパにどんな物理的・心理的効果を与えるかなどを検証。どうすれば、仕事と子育ての両立を最適化できるのかを探る。有効性が確認されれば、同社で拡充しながら、そのノウハウ等を他企業や行政などと共有し、育児と仕事の課題解決を進めていく。

いつでもどこでも働けるリモートワーク。そのメリットは単に時間と場所に縛られないだけでない。むしろ、そこを最大限に活用することで、日本に横たわる少子高齢化問題のブレークスルーがみえてくる。仕事と子育てもそうだが、すぐそこには仕事と介護の両立問題も迫っている。仕事を続けることを前提とすれば、“職場”をどう柔軟に変化させるかが、課題解決に重要になる。着々と進む新しい働き方へのシフトは、いよいよ次なるフェーズへとその一歩を踏み出した。
 ※共働き家庭において、小学校入学後、子どもを夕方まで預けることが困難になり働き方の変更を強いられる問題

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