働き方

「まさか」の語源が「目先」と考えれば…【瓦の目】

投稿日:2016年11月11日 / by

まさかのトランプ大統領就任

「まさか」が現実になるとはこのことか。米国の大統領選だ。政治経験なしの暴言大富豪が、世界のリーダー・アメリカのトップに君臨したのだ。「まさか」の語源は、「まさき(目先)」。そこから転じて、目の前のこと、つまり「現実」や「現在」を意味していた。ドナルド・トランプの大統領就任は、夢ではない。まさに「現実」だ。
surely

それにしてもこの展開にはデジャブ感がある。そう、6月の英国でのEU離脱を巡る国民投票だ。票は割れるものの、「まさか」EU離脱はないだろう。そんな希望的観測が見事に裏切られた。一体なぜ、世界で立て続けに、予想外の出来事が起こってしまったのか。これはもう、大げさにいえば、人類が大きな分岐点に差し掛かっているからだ。

先進国においては、ほぼどの国も成熟フェーズに突入し、従来の成長基調は終焉している。従って、成長するための戦略は見直しが必要となる。ところが、この転換は目に見えづらく、かつ、とてつもなく大きなうねりを引き起こす。現状にそれなりに満足している層とっては、襲ってくる余波も大きく、変化は厄介なものでしかない。できることなら抗いたい。こうした層ほど、危機意識も強く、アクティブ。それが、結果的に現状維持路線を支えてきた。

もはや「まさか」は「またか」と解釈し、常に危機感を持つ時代

ところが、もはやその“抵抗”も限界となった。というよりも、沈黙していた中間層以下が、この状況にあってなお、状況が変わらないことへの不満を募らせ、それが限界まで膨張。毒でもなんでも食らい、現状を打破したいーー。そんな絶望感が、行動を伴って大爆発。その結果が、英米での予想外連発の元凶だろう。

当然、兆候はあった。先の見えない不透明感。改善されない雇用環境…。不安は、どうなるか分からないから発生する。募ればそれは、恐怖に変わる。不満が募れば怒りに変わる。動けば変わる。それはは分からない。だが、動かなければ変わらない。そこに気付いてしまったのだ。

この状況にも既視感がある。日本だ。政府はこの状況に危機感を感じている。だからこそ、先手を打って動いているのだろう。働き方改革もその一つだ。長時間労働の是正、同一労働同一賃金…。変えなければ、いずれ国を揺るがす大きな問題が発生する。たかが働き方ではない。もはや一事が万事だ。それだけの危機感を、この世界的な変革期に企業が、そして働く個人が抱いているのか。その意識がなければ、日本も気づいた時はまさにゆでガエルのごとく、沸騰した湯の中で息を引き取ることになりかねない…。

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について