働き方

“地方創生”をうまく実現する秘策はあるのか

投稿日:2015年7月16日 / by

お毒 夏休み期間に1人バイトが入るのよ。知り合いの息子さんで田舎の子なんだけど、あっちだとあんまりいい仕事がないんだって。だから、社会勉強ってことで、宿付き、飯付きで使ってあげようかと思ってるの。

猫田先生 オメェの店じゃ、勉強どころか放蕩になりかねんな。いまは地方創生に各地方が躍起になってんだから、送り返した方がいいんじゃねぇか。

お毒 だから、東京で学んでそれを田舎に還元するの。そのためにうちで働くんじゃないの。こっちでは当たり前でもあっちじゃ珍しいなんてことはまだまだ多いんだから。

毒舌家

編集部ニシ 確かにいま地方創生絡みの動きが非常に活発です。求人関連では、地方へのU・Iターン就職を呼び掛ける動きが盛んで、実際に以前より、ビジネスパーソンの地方志向も高まっているようです。都心で頑張っても給料が上がらず、擦り切れるだけなら、給与は少なくても田舎でやりがいのある仕事に就きたい、というニーズがここへきて上昇しているようです。企業もクラウドソーシングを絡めるなどで地方進出や地方の活性化にアクションを起こし始めています。

へん0お毒 水を差す気はないんだけどさ、結局、都会の生活に慣れちゃうと、田舎だと物足りなく感じちゃうものなのよね。最初は新鮮でいいんだけどさ。

編集部ニシ 確かにその通りです。いざ「田舎暮らしだ!」と移住してみても、近隣住民とのコミュニケーションやコンビニもないような不便さにはやはりストレスが溜まるケースも多いようです。仕事ももちろん少ないですし、あっても給料は安い。ですから、日が経つにつれ、理想が崩れていき、やがて…ということも少なくありません。

猫田先生 ワシの知り合いなんて、「田舎暮らしする」とか言って威勢よく東京を飛び出したはいいが、あまりの低収入にすぐにUターン。恥ずかしいからか、ブログでは田舎暮らしの振りをして情報を発信し続けてたんだぜ。都会から地方へ拠点を移すってのは、相当な覚悟がいるってことだよ。ブームみてぇな流れに乗ってプイと地方へ行っても、うまくいくとは限らんぜ。そんなに甘くはねぇ。

お毒 アタシの知り合いなんて、「田舎へ帰る」っていって会社辞めて、ライバル会社へ引き抜かれただけ、なんてことがあったけどね。こないだ辞めたうちのスタッフなんだけどさ。腹立つわ、もうっ。

ニシ そんなこんなのリスクや不安があったりするので、一旦はそういうの抜きで「まずは暮らしてみなさい」という体験移住プロジェクトを始めた自治体があるんです。福井県鯖江市です。このプロジェクトの一番の特長は、目的やスタイルを限定しないこと。とにかく自由で開放的なんです。おまけに、最大半年間は、市が管理する住宅を無料で貸してくれるんです。ちなみに鯖江市はメガネフレームの国内シェア96%でまさにメガネの街。人工や約6万8000人。山と川に囲まれた豊かな自然に恵まれた住みやすい地域です。

お毒 なに、そのゆるさと高待遇。魅力的ね。アタシも半年間だけ、バカンス兼ねて移住しようかしら…。

猫田先生 ゆるいだろ。それもそのはずで、この企画には「ゆるい就職」をプロデュースした同県出身でもある若新雄純氏が関わっているんだ。プロジェクト名も「ゆるい移住」。だから、無目的でいいんだが、住むのは3LDKの部屋での共同生活。家具や家電などもないんで、自分たちで調達し、参加者同士で協力することが、“条件”だ。本気なら、8月9日に東京、10日大阪で説明会を開催するそうだから行ってみろよ。

nekodaBupお毒 共同生活の相手はイケメンが来るのかしら…。暑苦しい男ばかりだといやだわ。

ニシ そんなの選べるわけないでしょ。この状況の中で、どう工夫して、生活拠点としていけるかをみんなで模索するんですよ。そうした行動の中から、本当に鯖江市に住めるのかを見極める、ということですよ。田舎で農業だ、就職だ、起業だなんていくら気合を入れても土地に溶け込めなきゃ成功するものもうまくいきませんからね。中途半端な移住支援より、よっぽど現実的でいいんじゃないでしょうか。

お毒 なるほどね。まずはアタシは、東京から店の備品を持ち込んで、一室占有させてもらってプチスナックを期間限定オープンしようかな。共同生活者は、割引価格でOKよ。

ニシ 金とるんかいっ。ちなみに対象は、福井県在住・出身者を除く、35歳くらいまでの若者ですよ、お毒さん。

お毒 先にお言い! このぬか喜ばせオトコめっ。

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