働き方

大企業社員とベンチャー企業の“寸止め”交流の熱気

投稿日:2015年10月9日 / by 瓦版編集部

サンカク初のリアルイベントを開催

会場は熱気に包まれ、初の試みは成功に終わった

会場は熱気に包まれ、初の試みは成功に終わった

大企業の社員が、ベンチャー企業の経営会議に参画するマッチングプラットフォームの「サンカク」。リクルートキャリア(http://www.recruitcareer.co.jp/)が運営する、同サイト初のリアルイベントがローンチから丸1年が経過した2015年初秋、都内で開催された。

なんとも奇妙な光景だった。出展企業は主にベンチャー。来場した約230人は、主に大企業の社員。出展ブースで熱心に会話する姿は、まさに転職系のイベントそのものだが、来場者の目的はあくまで、ベンチャー企業との交流や ベンチャー企業の課題解決のためのアドバイス提供。現役社員とベンチャー企業の交流会といえば、収まりがいいが、日本の企業文化を考えると不思議な集まりだ。

リアルでの交流会実施の狙い

「サンカクというWEBでのサービスを展開する中で、登録ユーザーからもっとベンチャーとの接点が欲しいというニーズがあり、このようなイベントを実施することになりました。今後も様々なカタチでユーザーの方とベンチャー企業が出会える場を提供していければと考えています」とサンカクの生みの親、同社秋山貫太氏は展望を明かす。

確かに、ベンチャー企業にとって、転職イベント以外で現役社員と接する機会は少ない。ましてや、大企業の社員が相手となると、なかなか難しい実状がある。ある出展企業は「こうしたイベントは我々のようなベンチャー企業にとって非常に有益。優秀な人材と接点を持てるこうした機会はどんどんやって欲しい」と力を込めた。

参加者の側は「私はベンチャー企業の社員ですが、こんなにも大企業の社員がベンチャー企業に関心があるのには驚きました」と会場の熱いムードに素直に驚きを口にした。大手企業のある社員は「なにか一緒にできそうな企業がないかと思い来場しました」とベンチャー企業とのビジネス提携を視野に入れていることを明かした。

参加者と出展企業の思惑が、直球と変化球を交えながらスパークし、会場は熱気に包まれたが、サンカクのコンセプトは、あくまで「仕事を辞めずに ベンチャーを体験できる」。転職をにらんだものではない。大企業の社員が、その知見をベンチャーで活用する可能性を模索し、ひいては参画した社員が経験を成長の糧とするためのサービスだ。とはいえ、昨今、大企業とベンチャーの壁は低くなり、人材移動も増えつつある。人材市場の土台から、じわじわと流動化が進行している。

大企業ーベンチャー企業の合流はもはや必然

左から重松氏、LiB松本洋介社長、Retty奥田健太CFO、端羽氏

左から重松氏、LiB松本洋介社長、Retty奥田健太CFO、端羽氏

同イベントのトークセッションでパネルディスカッションに登壇した共催企業でもある(株)スペースマーケットの重松大輔代表は「いまや大企業は自社だけでやっていくのは困難」と明言し、大企業が外部やベンチャー企業と提携することは必至であるとした。同氏自身、大手企業出身で、ベンチャーを経て起業しているだけに、言葉には十分な説得力がある。同じく大手出身で起業した(株)ビザスク端羽英子代表は「ベンチャー企業に優秀な人材はいないと聞いていたがあれはウソですね」とベンチャー人材の潜在力の高さを実感として明かした。

昨今、人材の流動化が加速している。といっても、血液でいえばまだまだドロドロの状態だ。とりわけ、大企業からベンチャー企業への人材移動は、まだハードルが高いといっていいかもしれない…。その意味では、あくまで在籍したまま、ベンチャー企業の経営を体験できるサンカクの存在は、閉塞ぎみの大企業-ベンチャー間の流れをスムースにする前段として、ほどよい触媒といえそうだ。初のリアルイベントであらわになった熱気は、そのことを強く予感させるものだった。

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