働き方

激動の人材業界はどう進化するのか【瓦の目】

投稿日:2015年5月29日 / by

うごめく人材業界の先にあるもの

就職・転職の道は最適化に向かうのか…

就職・転職の道は最適化に向かうのか…

人材業界が激しくうごめいている。優秀な人材を採りたい企業ニーズ、多様な働き方をしたい求職者ニーズがどんどん膨らみ、バチバチと交錯しているからだろう。右肩上がりの時代が終わり、成熟フェーズにある日本。いまは、旧型の労働システムから次世代型へと大きく舵を切る真っ只中だ。ワークスタイルはもちろん、社会への入り口となる採用も変わらなければ、ズレは修正できず、企業も従業員も適正に機能しなくなりつつある。

企業にとって、成長期はとにかく人数、ヒューマンパワーが重要だった。強大な消費に応える大量の製品をつくれる陣容を整えることが、成功への絶対条件だった。ところが、人口減少で旺盛な消費が消失したいま、企業が生き残るには、より付加価値のある製品開発へとシフトした。忠誠心でなく、変革を起こす真の能力が、人材として求められるようになった。これは非常に高いハードルだ。学歴だけはは分からないし、そもそも正確に測る物差しがないからだ。

社員紹介制の強化やOB訪問、インターンシップの活用なども有効に違いないが、もはや選ぶ学生の価値感も変質し、企業規模よりも、より魅力ある企業への就職を志向するスマートさを備えるようになっている。「思わぬ掘り出し物」と思って採用できたとしても、実は滑り止めの“仮面入社”ということも珍しくない。企業同様、学生もナーバスになっているだ。

どうすれば人材を獲得できるのか

まさに混沌の人材市場で、本当に欲しい人材を獲得するには何が重要なのか。企業は、自社が社会にとってどんな利益をもたらせれるのかを明確にできるビジョンが何より重要になるだろう。そのビジョンの元なら、社会の役に立てる大きなことが実現できる。それくらいのスケール感が必要だろう。求職者は、自分は何ができるのかを明確にすることが何より重要になる。その上で、持っている価値観をはっきりと示すことが、ミスマッチにならない予防線となる。

最大の問題は、より複雑化する両者をどう効果的に結び付けるかだ。インターネットがそのカギを握っていることは間違いない。検索型求人サービスのIndeedやスタンバイは、それを具現化するサービスで、有力候補といえるだろう。これらを縦糸に、一括採用という効率性の真逆にある、昨今、続々登場している“はみ出し層”を掬い上げるきめの細かい採用サービスが、うまく横糸として絡むことで、人材市場は次世代へマッチしたものへとこれから編集されていく気がしている。

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