働き方

イクボス普及に決起したITベンチャー

投稿日:2015年6月9日 / by 瓦版編集部

ベンチャーによる働き方改革同盟

イクボスIT同盟に結集した代表

イクボスITベンチャー同盟に結集した代表

イクボスITベンチャー同盟が2015年6月9日、発足した。IT系のベンチャー企業が集い、イクボスを起点に、より良い労働環境を実現していくのが狙い。キックオフイベントには、Asmama、ウィルド、おかん、スペースマーケット、パラフト、ビズグラウンド、マネーフォワードの7社のイクボスが集結した。

ITベンチャーは、いつからかハードワークで知られるようになり、「7K」ともいわれる。「きつい」、「きびしい」、「帰れない」。これらいわゆる3Kにプラスして、「規則が厳しい」、「休暇が取れない」、「化粧がのらない」、「結婚できない」の4Kだ。すべての企業ががそうとは限らないし、そうでない企業ももちろんある。だが、いまだそうした話が、まことしやかにささやかれている。

こうしたことだけが要因ではないが、ITベンチャーは、採りたい人材を採りづらい“人材不足”が慢性的に続いている。これでは企業にっても悪循環が強まるだけだ。そこで今回、起ち上がったのが、イクボスITベンチャー同盟だ。

「イクボスに関しては、現在はサイボウズさんや富士通さんといった大手が参画しているネットワークがありますが、それをベンチャーにも広め、よりよい労働環境の確保と、人材流動を狙おうというのが設立の趣旨になります。ITベンチャーでは確かに簡単ではない部分もありますが、こうして横のつながりを持つことで、サポートし合いながらやっていける部分もあると考えています」と今回のキックオフイベントを取りまとめた、働き方にフォーカスする求人メディア「パラフト」を運営するパラフト(株)・中川亮代表は経緯を明かす。

イクボスは、政府の後押しもあり、じわじわと広がりをみせている。2014年12月には、大企業を中心とした「イクボス企業同盟」が発足している。同同盟は、いわばそのベンチャー版。条件に恵まれた大企業でなく、ベンチャー企業がこうしたアクションを起こすことの意義は大きい。何かと制約の多いベンチャー企業が、当たり前のようにイクボスを実践できれば、大多数の企業での導入の可能性が広がるからだ。

元祖イクボスが実践の極意を伝授

イクボスのノウハウを惜しみなく公開した元祖イクボス川島氏

イクボスのノウハウを惜しみなく公開した元祖イクボス川島氏

発足記念セミナーでは、元祖イクボスでファザーリング・ジャパン理事・川島高久氏が講師を務め、イクボスのノウハウを惜しみなく公開。従来型の働き方からはマイナイスに思われがちな、男性上司の育児参加が、実は業績に多大な貢献をすることを指摘した上で、その実践のポイントを伝授した。

なぜ、イクボスが業績向上につながるのか。それについて川島氏は、子育て参加による視野の広がりや対話力の向上などを指摘。さらに、ワークライフライフバランス向上による、ノイローゼ、労災リスク、ブラック企業流布リスクの軽減なども挙げた。また、上司が育児で不在になりがちになるため、情報共有が進み、結果的に組織力が向上することも業績にプラスに働く要因になるとした。

その上で、上司の心得として、「日本一働きやすい会社にする」などの内向きのビジョンを策定する、部下の力を信じ裁量型にする、部下と会社を一致させる、などを提言した。この辺りは、部下とのコミュニケーション力であり、信頼関係の構築でもある。まさに、上司が育児にかかわることでも磨かれる部分であり、イクボスを実践することの効用そのものといえる。

決起集会の最後には、参加した各代表が、<明日からできるイクボス>について用紙に記し、それぞれが読み上げる「イクボス宣言」。個別には実践していた各企業の代表も、他社の前で宣言することで、イクボス実践・徹底への思いを一層強くしていた。今後同同盟は、それぞれイクボスを実践し、タイミングをみながら会合も開き、並行して参画企業を広く募りながら、ITベンチャーのイクボス文化浸透を推進していく。

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